時限付き異世界転生

蓮實長治

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時限付き異世界転生

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「お前たちは予定よりも早く死んでしまったので、異世界転生させてやろう」
 学校に遅刻しそうになって信号無視をして大型トラックに轢き殺された俺と田中は、神様らしき「何か」にそう言われた。
「じゃあ、御約束のチート能力とかは……?」
「お前たちは、本来死亡する予定だったその時までは絶対に死なん。ただし、本来死亡する予定だったその時が来たなら……」
「死ぬの?」
「ああ、予定されてた死に方でな」
「他にチート能力とかは……」
「転生先の世界で暮していくのに十分な能力だけは与えてやろう」

 あれから……数十年が過ぎた。
 高校生だった俺は、もう老人と呼べる齢になった。
 田中が転生した翌日に……腹に正体不明の大穴が空き、頭は燃えて消し炭になり、足が凍り付くと云う、何が起きたのか判らない死に方をしてから。
 俺は1人、この世界で……飢えても、怪我しても、病気になっても生き続けた。
 田中のあの死に方……いったい本当は田中の身に何が起きたんだ?
 そもそもラノベのテンプレだから、あの時は、何も疑わなかったが……何故、元の世界で生き返らせるんじゃなくて、異世界に転生なんだ?
 元の世界で何が起きた? 元の世界は、まだ存在しているのか?
 いや……元の世界が何かの理由で滅んだとしたら……何故、田中だけ死んで、俺だけ生きてるんだ?
 あの日以来、神様からは何も言ってこない……。いや……神様に生き返らせてもらったって……本当に起きた事なのか?
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