悪夢の医療アドバイスAI

蓮實長治

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1年目 9月

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『○○○病なんて、ただの風邪です』
『マスクは不要です。マスクをしても意味が有りません』
 俺が作ったAIによる……ネット上で、よく見掛けるが完全に間違った「アドバイス」を見た指導教官は、完全に呆れ顔になった。
 去年の末ごろから流行が始まり、今年になって、とうとう日本にも上陸した事が確認された例の病気についての質問に対する回答だった。
「あのさぁ……これ、マズよね?」
 俺が、修士論文の為に作っているのは「医療サポートAI」だ。
 ある程度の対話能力を持ち、医療や病気に関して、一般の人に簡単なアドバイスをする為のモノだ。
「どこから学習データを取って来たの?」
「ええっと、ネット上から無作為に……」
「……」
「……その……」
「君さぁ……AIの学習って、要は一種の統計だって事は判ってるよね?」
「は……はい……」
「あくまで一般論だけど、統計データの『無作為抽出』って、どんだけの手間がかかるか判ってる?」
「わ……判りました……その……信用出来るデータだけを学習させるようにします……」
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