悪夢の医療アドバイスAI

蓮實長治

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2年目 11月

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『笑いは免疫力を上げます。○○○病予防の為には、ワクチンの再接種よりも、お笑いを聞きましょう。吉木シン喜劇公演の予約はこちら』
「どんどん酷くなってない?」
「ええっと……」
「どうすんの? 修論の提出まで、あと3ヶ月だよ」
「このままじゃ……その……」
「流石に受理されないでしょ、これじゃ……。何をやったら、こうなるの?」
「ちゃんとした医学者の論文や著書を学習データにした筈なんですが……」
「『ちゃんとした医学者』の基準は?」
「ええっと……マトモな大学の医学部の教授とか……」
「あのさ……前にも言ったけど……統計における『無作為』は『何もしない』って意味じゃないよ。『無作為』に近付けたければ、大きな『作為』が必要になるの」
「ええっと……どう云う事ですか?」
「はい……これが、ウチの大学の医学部の名誉教授が書いたトンデモ本」
 指導教官はWEBブラウザを立ち上げ……何かを検索し……そして表示された本のタイトルは……『笑いは免疫力を上げる』。
「『マトモな大学の医学部』でも、かなり変な研究がやられてて、おかしな教授も結構居るんだよ」
「そ……そんな……」
 どうやら、俺は、就職をフイにして、修士課程2年生を2回やる羽目になりそうだ……。
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