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第一章:アンダードッグ
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「こちら第『ホ』班。ターゲットKR01発見」
リーダー格らしい五分刈りの髪を緑に染めたアラサーぐらいの女は、淡々とした口調でどこかと通話。
「寛永寺僧伽」の奴が3人に、「入谷七福神」の奴が4人。
寛永寺僧伽の内2人は密教系らしき印を組む。
入谷七福神の内の1人は、日蓮宗の法具「木剣」を取り出し、別の1人はは江戸時代の懐剣のような拵えのような短刀を抜く。
残りの寛永寺僧伽1人と入谷七福神2人は俺達の方に駆け出し……。
マズい。
「魔法使い」としての能力を、ほぼ失なっている俺でも判る。
全員が「魔法使い」か、気・魔力・霊力などを使う近接戦闘術……俗に言う「降魔武術」の使い手。
「おっちゃん、目ぇ潰れ」
何故か俺を助けてくれてる謎のメスガキの声。
「えっ?」
次の瞬間、閃光と轟音。
誰かが俺の手を取る。
多分、謎のメスガキだと思うが……視覚も聴覚も麻痺している。
いや……待て……。
多分、スタン・グレネードの類だと思うが……だ……大丈夫だよな……一生、このままヘレン・ケラーなんて事はねえよな……。
って、いつまで、このまま何だ?
今、この暗闇の中、どんだけの時間が過ぎた?
たすけて……。
うわっ?
くそ、暗闇の中を猛ダッシュで走ってるから……転びそうにな……痛い……あ、本当に転んだのか?
うげっ⁉
腹に蹴りが入る。
どうなってる?
わけがわかんねえよ……。
ああ……あいつらに捕まった方がマシだったのか、ひょっとして。
最悪でも楽に死ねる。
ちくしょう。なまじ「生き残れる希望」が有るだけ……今の方が酷い。
どん底に居る奴をどん底に突き落す事は出来ない。
どん底に居る奴をどん底に突き落すには……まずは、引き上げてやる必要が有る。
ああ、畜生。全て読めた。
あのメスガキ、どう考えても、俺に怨みかなんか有りそうだから……くそ、俺をどん底に突き落す為に、わざとどん底から掬い上げやがったのかた……。
「ふざけんじゃねえっ‼ 何で俺を地獄のズンドコから助けやがった‼ クソ、あのメスガキっ‼ 地獄の獄卒どもに追い回される位なら、大人しく地獄に居た方がマシだったじゃねえかッ‼」
ん?
「耳は回復したようだな、おっちゃん。お望み通り、地獄に送り返してやる前に、1つ聞きたい事が有る」
「……な……何だ……?」
「あんた達『英霊顕彰会』が日本のあっちこっちから強奪してた『呪具』が有っただろ……」
あ……それが目的か……マズい。
目も……ぼんやりとだが回復。
おい、メスガキ、手に持ってるのは何だ?
まさか、俺を覚醒剤依存症にした上で自由の身にするとか、エグい事考えてなんて……。
「ごめんなさい……知りません。助けて下さい。覚醒剤漬けだけは勘弁して……」
「何、勘違いしてる? それに、あんたの所属組織は、覚醒剤の密売もやってただろうがッ⁉」
「密売なんてやってません。だから勘弁して……」
「おい、散々、ニュースになってた事の1割しかホントじゃなくても、やってただろ。台東区から来た連中が、あんた達んとこの倉庫から見付けた白い粉は何だ? 粉砂糖か? 高級天然塩か? それともタピオカ粉か片栗粉か?」
「たしかに、覚醒剤は売ってたんで……覚醒剤依存症の末路は知ってます。だから、覚醒剤依存症だけは勘弁して……」
「い……いや……売ってたのに密売じゃない、ってどうなってる?」
「密売はしてません。堂々と売ってました」
「想像以上に腐ってんな、あんたの組織は……。まぁいい。これは、そんな薬じゃない。あんたの口を軽くするだけの薬だ」
「えっ?」
おい……このメスガキ。
「気」の感じから判るが……お前も同業者だろッ‼
同業者の誇りはねえのかッ⁉
最初は催涙ガスで、次はスタン・グレネード、今度は……自白剤だと。
ぷすっ。
ふにゃ~……。
リーダー格らしい五分刈りの髪を緑に染めたアラサーぐらいの女は、淡々とした口調でどこかと通話。
「寛永寺僧伽」の奴が3人に、「入谷七福神」の奴が4人。
寛永寺僧伽の内2人は密教系らしき印を組む。
入谷七福神の内の1人は、日蓮宗の法具「木剣」を取り出し、別の1人はは江戸時代の懐剣のような拵えのような短刀を抜く。
残りの寛永寺僧伽1人と入谷七福神2人は俺達の方に駆け出し……。
マズい。
「魔法使い」としての能力を、ほぼ失なっている俺でも判る。
全員が「魔法使い」か、気・魔力・霊力などを使う近接戦闘術……俗に言う「降魔武術」の使い手。
「おっちゃん、目ぇ潰れ」
何故か俺を助けてくれてる謎のメスガキの声。
「えっ?」
次の瞬間、閃光と轟音。
誰かが俺の手を取る。
多分、謎のメスガキだと思うが……視覚も聴覚も麻痺している。
いや……待て……。
多分、スタン・グレネードの類だと思うが……だ……大丈夫だよな……一生、このままヘレン・ケラーなんて事はねえよな……。
って、いつまで、このまま何だ?
今、この暗闇の中、どんだけの時間が過ぎた?
たすけて……。
うわっ?
くそ、暗闇の中を猛ダッシュで走ってるから……転びそうにな……痛い……あ、本当に転んだのか?
うげっ⁉
腹に蹴りが入る。
どうなってる?
わけがわかんねえよ……。
ああ……あいつらに捕まった方がマシだったのか、ひょっとして。
最悪でも楽に死ねる。
ちくしょう。なまじ「生き残れる希望」が有るだけ……今の方が酷い。
どん底に居る奴をどん底に突き落す事は出来ない。
どん底に居る奴をどん底に突き落すには……まずは、引き上げてやる必要が有る。
ああ、畜生。全て読めた。
あのメスガキ、どう考えても、俺に怨みかなんか有りそうだから……くそ、俺をどん底に突き落す為に、わざとどん底から掬い上げやがったのかた……。
「ふざけんじゃねえっ‼ 何で俺を地獄のズンドコから助けやがった‼ クソ、あのメスガキっ‼ 地獄の獄卒どもに追い回される位なら、大人しく地獄に居た方がマシだったじゃねえかッ‼」
ん?
「耳は回復したようだな、おっちゃん。お望み通り、地獄に送り返してやる前に、1つ聞きたい事が有る」
「……な……何だ……?」
「あんた達『英霊顕彰会』が日本のあっちこっちから強奪してた『呪具』が有っただろ……」
あ……それが目的か……マズい。
目も……ぼんやりとだが回復。
おい、メスガキ、手に持ってるのは何だ?
まさか、俺を覚醒剤依存症にした上で自由の身にするとか、エグい事考えてなんて……。
「ごめんなさい……知りません。助けて下さい。覚醒剤漬けだけは勘弁して……」
「何、勘違いしてる? それに、あんたの所属組織は、覚醒剤の密売もやってただろうがッ⁉」
「密売なんてやってません。だから勘弁して……」
「おい、散々、ニュースになってた事の1割しかホントじゃなくても、やってただろ。台東区から来た連中が、あんた達んとこの倉庫から見付けた白い粉は何だ? 粉砂糖か? 高級天然塩か? それともタピオカ粉か片栗粉か?」
「たしかに、覚醒剤は売ってたんで……覚醒剤依存症の末路は知ってます。だから、覚醒剤依存症だけは勘弁して……」
「い……いや……売ってたのに密売じゃない、ってどうなってる?」
「密売はしてません。堂々と売ってました」
「想像以上に腐ってんな、あんたの組織は……。まぁいい。これは、そんな薬じゃない。あんたの口を軽くするだけの薬だ」
「えっ?」
おい……このメスガキ。
「気」の感じから判るが……お前も同業者だろッ‼
同業者の誇りはねえのかッ⁉
最初は催涙ガスで、次はスタン・グレネード、今度は……自白剤だと。
ぷすっ。
ふにゃ~……。
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