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第四章:最強のライバル、更に登場、その名は「凶暴6姉弟」

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 ん……?
 その時、別の音がした。
 枯葉や枯れ枝を踏み潰す音……。
「ギャオッ?」×6
 鳥だか恐竜だか判んないチビ達が、その音のした方を見る。
 その隙に……。
 あ……。
 あたしの方も足音が……。
「ギャオッ‼」×6
 あ……尻尾に何か噛み付いた……。
 まあいい、全速力で逃げ……。
 タテガミが……タテガミが……。
 何か、あたしの背中に乗って、タテガミを引っ張ってるヤツが居る。
「ギャオッ‼」
「ギャオッ‼」
「ギャオッ‼」
「ギャオッ‼」
「ギャオッ‼」
「ギャオッ‼」
 今度は、声がする場所がビミョ~に違う。
 とうか、あたしの背中から声がしてる。
 お肉返せと言ってるのだ。
 翻訳ありがとう。何の役にも立たないけど。
「ふみゅふみゅ……ふみゅみゅ?」
 「凶暴6姉弟」とやらとは別の……何か脳天気な声。
 その……声のする方向には……。
 え……えっと……この時代に引っ越して来てる恐竜って、どんだけ居るの?
 たくさんなのだ。
 たくさんって何?
 ガジくんは、人間さんの中には、3より大きい数は全部「たくさん」の人も、たくさん居るって聞いてるのだ。だから、ガジくんは、人間さんにも判るように「たくさん」って言ったのだ。
 そんなヤツが、そうそう居てたまるかッ⁉
 ああ、そうかなのだ……は、少しは頭が良くなってるのか、なのだ。ガジくん、理解したのだ。
 へっ?
「ふみゅふみゅ?」
 声の主は……迷彩風の模様に派手なオレンジ色のタテガミの、今のあたしの体より一回り小さい……スーちゃんより目付きが悪いテイラノサウルスっぽい恐竜だった。
 あの子は、ガジくんの友達のタルボサウルスの猛坊たけぼうなのだ。
 友達? じゃ、助けて。
「ギャウウウ……」×6
 けど……。
「ふ……ふみゅ?」
 6匹も居るけど……その6匹の合計より遥かに重い体重にしか思えない、迷彩模様だけど、派手なタテガミのせいで迷彩効果が台無しになってる怖い顔の恐竜は……怖い顔とは正反対の泣きそうな声を出しながら、じりじりと後退あとずさる。
「ふ……ふみゅふみゅ……」
 そして、怖い顔のまま……あたしの方に助けを求めるような視線。
 いや、助けを求めてるのは、あたしだって。
 どうして、そんな怖い顔なのに……。
 それを言っては駄目なのだ。注意するのだ。
 何がッ?
 あの子が気にしてる事が3つ有るのだ。1つは自分の顔を怖いと思ってるのだ。
 いや、客観的に怖い顔だろ。
 それは人間さんの感想なのだ。ガジくんは可愛いと思うのだ。
 ……そ……そうなの?
 で、あの子が気にしてる事2つ目は、気が弱い事なのだ。
 あんな怖い顔なのに、気が弱い?
 それが3つ目なのだ。
 は?
 自分では怖い顔だと思ってるのに、すごく気が弱い事を、一番、気にしてるのだ。
 何だよ、その、この状況では何の役にも立たないギャップ萌えは?
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