27 / 86
四章 王城の女性文官
27話 初出勤
しおりを挟む
パレットが王城で働くことになったとはいえ、「では明日からよろしく」というわけにはいかない。
現在のパレットの身分は、アカレアの領主館の文官であるのだ。
そちらでの仕事を辞めるための手紙を送り、了承の返事をもらわなくてはならない。
でないと二重契約になってしまう。
そしてアカレアで借りていた部屋の処分である。
こちらにもお金をしたためた手紙を出して、部屋の中身は全て捨てるか売るかしてほしいと、大家にお願いした。
この手続きに時間がかかるかと思いきや、返事はすぐに届いた。
どうやら王城側からもアカレア領主館に通達が行ったらしい。
「今後こちらとの便宜を図るように」
という領主様からの言付けがあった。
――私にとっていい上司と領主様ではなかったけど、まともな領地経営だったことは認めるわ
王城の現実を知ってからは特に思う。
あそこはまともな職場だったのだと。
パレットは今後少しくらいなら、便宜を図ってもらえるように上司に頼んでもいいかな、という気持ちになっていた。
いろいろあって心が広くなったのかもしれない。
あれからパレットは、結局ジーンの屋敷に下宿することになった。
これにあたり、パレットは今後を考えて契約書を作成することをジーンに進めた。
下宿を望む者にどんな人物がいるのかわからない。
なので最低限守るべき決まり事を作って、それを違反すると退去するという約束を交わすことになった。
「下宿人第一号が、パレットさんでよかったわ」
とエミリが喜んでいた。
そうして手続きが済んで、いよいよパレットは王城の文官の制服を身に付けて出勤することになった。
「行ってらっしゃい!」
「きぞくなんかに負けないで!」
エミリとアニタに見送られ、パレットは屋敷を出立した。
王城でも女性の文官というのはいないらしい。
パレットが廊下を歩いていると、いろいろな人にじろじろ見られた。
パレットは様々な視線を集めながら、以前面接に来た財務管理室にたどり着いた。
ノックの後返事があったので、パレットはドアを開けた。
「失礼します」
部屋の中にいたのは室長の他五人の文官だった。
「ようこそ、管理室へ」
そう言って歓迎してくれたのはいいが、みんな顔色が悪い。
そしてパレットにはもっと気になることがある。
「あの、これだけ、ですか?」
管理室とは、財務へ送られる請求書などの書類を管理するところであるそうだ。
ここで様々な方面の書類により分け、計算をして支払いをする部署へと持っていくのだとか。
財務の一部署とはいえ、領主館の財務よりも人数が少ないなんてありえないだろう。
顔が引きつりそうになるパレットに、みんな微妙な笑顔を浮かべた。
「本来ならもっといるよ?この部屋に入らないくらいの人数が。
けれど仕事を任せられる人数が、この五人だってことだよ」
パレットよりも少し年上であろう男性が、肩をすくめて説明した。
――聞かなければよかった
パレットは早速後悔した。
「じゃあ、他の人はなにをしてるんですか?」
サボりで給料泥棒ではあるまいな、とパレットが眉を顰めていると。
「彼らにとっての仕事をしているさ。
懇意にしているところから請求書をもらってくるという、大事な仕事をね」
そう聞いた直後、部屋の奥から声を掛けられる。
「待っていたぞ、パレット・ドーヴァンス」
室長がパレットを手招きして、隣の机を示した。
机の上には、大量の紙束が置いてある。
「これは全て予算請求だ。
これに目を通して、まともな奴だけを振るい分けろ。
まともでないものは全て処分だ」
計算業務ですらない、ただの書類のより分け作業だ。
新人に任せられる仕事は、それくらいだということなのだろう。
そうパレットが納得していると。
「それさえ終わってくれれば、私たちの仕事が進む」
「ありがたい、今日は早く帰れるかもしれない」
喜びの声が五人から聞こえてきた。
どうやら重要な仕事のようである。
彼らにとって面倒かつ疲れる仕事なのだろう。
思えば以前見せられた、冗談のような請求書があるのだ。
あんなものをいちいち確認する労力がもったいないに違いない。
「処分かどうか、私が決めていいんですか?」
「君が今まで働いていた、アカレアの領主館での基準でかまわん」
室長の許可が下りたところで、パレットは早速仕事にとりかかった。
作業に時間がかかるかと思いきや、初見でダメだと判断できるものがほとんどだったので、振るい分けよりもむしろ大量の紙束の処分の方が時間がかかった。
パレットの作業を横目で見守っていた文官たちがため息を漏らす。
「私たちも毒されてきてるんですね。
このくらいはいいだろうと考えてしまうんです」
「苦情が面倒ですからね」
ほんの少しになった請求書の処理をする文官たちが、しみじみと語り合っている。
どうやら彼らはつい温情をかけてしまうようである。
だがこれだけ無駄書類があれば、数枚の書類に温情を掛けたところで、苦情の件数は減らないだろうとパレットは思う。
きっと彼らは疲れているのだ。
パレットが文官たちに憐みの視線を向けていると、室長がため息をついた。
「王城の貴族どもは、予算というものは言い値がもらえると勘違いしている節がある」
相手は予算が下りるのは決定事項と考えているため、書類は形式的なものだと思って手抜きするのだとか。
――ダメじゃないそれ、予算を下ろすかどうかを最後に決めるのは王様なのに
世襲が長く続いた家の権力はそれほど大きいのだろうか。
パレットは貴族に注意するように言われたというジーンの言葉を思い出した。
「それを断った苦情に対応していると、下手するとそれだけで一日の業務が終わるんだよ」
それで他の部署が帰った後、残業して通常業務を行うのだとか。
みんな顔色が悪いわけである。
こうしてパレットの王城勤め一日目が過ぎて行った。
現在のパレットの身分は、アカレアの領主館の文官であるのだ。
そちらでの仕事を辞めるための手紙を送り、了承の返事をもらわなくてはならない。
でないと二重契約になってしまう。
そしてアカレアで借りていた部屋の処分である。
こちらにもお金をしたためた手紙を出して、部屋の中身は全て捨てるか売るかしてほしいと、大家にお願いした。
この手続きに時間がかかるかと思いきや、返事はすぐに届いた。
どうやら王城側からもアカレア領主館に通達が行ったらしい。
「今後こちらとの便宜を図るように」
という領主様からの言付けがあった。
――私にとっていい上司と領主様ではなかったけど、まともな領地経営だったことは認めるわ
王城の現実を知ってからは特に思う。
あそこはまともな職場だったのだと。
パレットは今後少しくらいなら、便宜を図ってもらえるように上司に頼んでもいいかな、という気持ちになっていた。
いろいろあって心が広くなったのかもしれない。
あれからパレットは、結局ジーンの屋敷に下宿することになった。
これにあたり、パレットは今後を考えて契約書を作成することをジーンに進めた。
下宿を望む者にどんな人物がいるのかわからない。
なので最低限守るべき決まり事を作って、それを違反すると退去するという約束を交わすことになった。
「下宿人第一号が、パレットさんでよかったわ」
とエミリが喜んでいた。
そうして手続きが済んで、いよいよパレットは王城の文官の制服を身に付けて出勤することになった。
「行ってらっしゃい!」
「きぞくなんかに負けないで!」
エミリとアニタに見送られ、パレットは屋敷を出立した。
王城でも女性の文官というのはいないらしい。
パレットが廊下を歩いていると、いろいろな人にじろじろ見られた。
パレットは様々な視線を集めながら、以前面接に来た財務管理室にたどり着いた。
ノックの後返事があったので、パレットはドアを開けた。
「失礼します」
部屋の中にいたのは室長の他五人の文官だった。
「ようこそ、管理室へ」
そう言って歓迎してくれたのはいいが、みんな顔色が悪い。
そしてパレットにはもっと気になることがある。
「あの、これだけ、ですか?」
管理室とは、財務へ送られる請求書などの書類を管理するところであるそうだ。
ここで様々な方面の書類により分け、計算をして支払いをする部署へと持っていくのだとか。
財務の一部署とはいえ、領主館の財務よりも人数が少ないなんてありえないだろう。
顔が引きつりそうになるパレットに、みんな微妙な笑顔を浮かべた。
「本来ならもっといるよ?この部屋に入らないくらいの人数が。
けれど仕事を任せられる人数が、この五人だってことだよ」
パレットよりも少し年上であろう男性が、肩をすくめて説明した。
――聞かなければよかった
パレットは早速後悔した。
「じゃあ、他の人はなにをしてるんですか?」
サボりで給料泥棒ではあるまいな、とパレットが眉を顰めていると。
「彼らにとっての仕事をしているさ。
懇意にしているところから請求書をもらってくるという、大事な仕事をね」
そう聞いた直後、部屋の奥から声を掛けられる。
「待っていたぞ、パレット・ドーヴァンス」
室長がパレットを手招きして、隣の机を示した。
机の上には、大量の紙束が置いてある。
「これは全て予算請求だ。
これに目を通して、まともな奴だけを振るい分けろ。
まともでないものは全て処分だ」
計算業務ですらない、ただの書類のより分け作業だ。
新人に任せられる仕事は、それくらいだということなのだろう。
そうパレットが納得していると。
「それさえ終わってくれれば、私たちの仕事が進む」
「ありがたい、今日は早く帰れるかもしれない」
喜びの声が五人から聞こえてきた。
どうやら重要な仕事のようである。
彼らにとって面倒かつ疲れる仕事なのだろう。
思えば以前見せられた、冗談のような請求書があるのだ。
あんなものをいちいち確認する労力がもったいないに違いない。
「処分かどうか、私が決めていいんですか?」
「君が今まで働いていた、アカレアの領主館での基準でかまわん」
室長の許可が下りたところで、パレットは早速仕事にとりかかった。
作業に時間がかかるかと思いきや、初見でダメだと判断できるものがほとんどだったので、振るい分けよりもむしろ大量の紙束の処分の方が時間がかかった。
パレットの作業を横目で見守っていた文官たちがため息を漏らす。
「私たちも毒されてきてるんですね。
このくらいはいいだろうと考えてしまうんです」
「苦情が面倒ですからね」
ほんの少しになった請求書の処理をする文官たちが、しみじみと語り合っている。
どうやら彼らはつい温情をかけてしまうようである。
だがこれだけ無駄書類があれば、数枚の書類に温情を掛けたところで、苦情の件数は減らないだろうとパレットは思う。
きっと彼らは疲れているのだ。
パレットが文官たちに憐みの視線を向けていると、室長がため息をついた。
「王城の貴族どもは、予算というものは言い値がもらえると勘違いしている節がある」
相手は予算が下りるのは決定事項と考えているため、書類は形式的なものだと思って手抜きするのだとか。
――ダメじゃないそれ、予算を下ろすかどうかを最後に決めるのは王様なのに
世襲が長く続いた家の権力はそれほど大きいのだろうか。
パレットは貴族に注意するように言われたというジーンの言葉を思い出した。
「それを断った苦情に対応していると、下手するとそれだけで一日の業務が終わるんだよ」
それで他の部署が帰った後、残業して通常業務を行うのだとか。
みんな顔色が悪いわけである。
こうしてパレットの王城勤め一日目が過ぎて行った。
0
あなたにおすすめの小説
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さくら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
【完】瓶底メガネの聖女様
らんか
恋愛
伯爵家の娘なのに、実母亡き後、後妻とその娘がやってきてから虐げられて育ったオリビア。
傷つけられ、生死の淵に立ったその時に、前世の記憶が蘇り、それと同時に魔力が発現した。
実家から事実上追い出された形で、家を出たオリビアは、偶然出会った人達の助けを借りて、今まで奪われ続けた、自分の大切なもの取り戻そうと奮闘する。
そんな自分にいつも寄り添ってくれるのは……。
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
身代わり令嬢、恋した公爵に真実を伝えて去ろうとしたら、絡めとられる(ごめんなさぁぁぁぁい!あなたの本当の婚約者は、私の姉です)
柳葉うら
恋愛
(ごめんなさぁぁぁぁい!)
辺境伯令嬢のウィルマは心の中で土下座した。
結婚が嫌で家出した姉の身代わりをして、誰もが羨むような素敵な公爵様の婚約者として会ったのだが、公爵あまりにも良い人すぎて、申し訳なくて仕方がないのだ。
正直者で面食いな身代わり令嬢と、そんな令嬢のことが実は昔から好きだった策士なヒーローがドタバタとするお話です。
さくっと読んでいただけるかと思います。
勘違いで嫁ぎましたが、相手が理想の筋肉でした!
エス
恋愛
「男性の魅力は筋肉ですわっ!!」
華奢な男がもてはやされるこの国で、そう豪語する侯爵令嬢テレーゼ。
縁談はことごとく破談し、兄アルベルトも王太子ユリウスも頭を抱えていた。
そんな折、騎士団長ヴォルフがユリウスの元に「若い女性を紹介してほしい」と相談に現れる。
よく見ればこの男──家柄よし、部下からの信頼厚し、そして何より、圧巻の筋肉!!
「この男しかいない!」とユリウスは即断し、テレーゼとの結婚話を進める。
ところがテレーゼが嫁いだ先で、当のヴォルフは、
「俺は……メイドを紹介してほしかったんだが!?」
と何やら焦っていて。
……まあ細かいことはいいでしょう。
なにせ、その腕、その太もも、その背中。
最高の筋肉ですもの! この結婚、全力で続行させていただきますわ!!
女性不慣れな不器用騎士団長 × 筋肉フェチ令嬢。
誤解から始まる、すれ違いだらけの新婚生活、いざスタート!
※他サイトに投稿したものを、改稿しています。
氷の公爵は、捨てられた私を離さない
空月そらら
恋愛
「魔力がないから不要だ」――長年尽くした王太子にそう告げられ、侯爵令嬢アリアは理不尽に婚約破棄された。
すべてを失い、社交界からも追放同然となった彼女を拾ったのは、「氷の公爵」と畏れられる辺境伯レオルド。
彼は戦の呪いに蝕まれ、常に激痛に苦しんでいたが、偶然触れたアリアにだけ痛みが和らぐことに気づく。
アリアには魔力とは違う、稀有な『浄化の力』が秘められていたのだ。
「君の力が、私には必要だ」
冷徹なはずの公爵は、アリアの価値を見抜き、傍に置くことを決める。
彼の元で力を発揮し、呪いを癒やしていくアリア。
レオルドはいつしか彼女に深く執着し、不器用に溺愛し始める。「お前を誰にも渡さない」と。
一方、アリアを捨てた王太子は聖女に振り回され、国を傾かせ、初めて自分が手放したものの大きさに気づき始める。
「アリア、戻ってきてくれ!」と見苦しく縋る元婚約者に、アリアは毅然と告げる。「もう遅いのです」と。
これは、捨てられた令嬢が、冷徹な公爵の唯一無二の存在となり、真実の愛と幸せを掴むまでの逆転溺愛ストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる