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しおりを挟む主人公である神原と時雨のルート。
あの日倉庫で出会った彼を忘れられず、探す時雨。
ある日、情報収集が得意な副総長の霧夜が神原を見つけてきて、『SEA』に連れてくる。
神原は、黒茶のショートよりちょっと長い髪で、可愛い小柄な少年。大きな瞳がコンプレックスで、眼鏡と前髪で隠していた。
時雨は神原の長い前髪を優しくかきあげ、この間の怪我を確認する。
「……跡、残ったな。すまん」
「だっ、大丈夫です。男ですから」
そこから段々仲良くなって『クレナイ』の皆とも和気あいあいに。
神原の無邪気さや仲間と楽しそうに話す姿を見て、『あの笑顔を守ってやりたい』といつの間にか思うようになった。ある日、神原が時雨に向けて屈託のない笑顔を向けた瞬間、時雨は自分は神原に恋をしてるのだと気付く……。
時雨ルートでは、神原も時雨の仲間思いやふとした笑顔に惹かれていって……。
『コイアイ』の始まり=俺は用済み。
幼馴染みのモブである俺の役目も、もう、終わり?……あれ、俺、この後どうすればいいんだ?
原作の充はどうしてたっけ?時雨と一緒にいた?いや、そんなシーンは1枚もなかったはずだ。
なら、時雨が神原と幸せになった時、モブの俺は……。わか……らない……、思い……出せ、ない……。
「ミ……ル!お……、おぃ!」
遠くから声が聞こえと同時に体を揺さぶられ、目を開けると、息ができなくて飛び起きた。
「ひゅっ、はっ……あ……ゲホッ、ゲホッ」
あれ?息が止まってた?
「けほっ……んっ……はっ、はぁはぁはぁ……」
大分落ち着いてきたので、背中を優しく上下に擦ってくれている人にお礼を言おうと視線を向けると、心配そうな表情で見つめている時雨と目があった。
「し…ぐれ?」
「あぁ、大丈夫か?」
辺りを見渡し、家で寝落ちしていたのだと理解する。
あぁ、そうか。時雨が買い物に……そのまま寝ちゃったのか。
「……ん、大丈夫」
手の甲で目を擦ろうと腕を上げたが、目の下のガーゼに触れた。そう言えば、怪我をしていたのだと思い出し、腕を下ろす。
「痛いのか?」
「んー、今は痛くない。痛くなったら痛め止め貰ってるから大丈夫」
心配させないように、にっこり笑う。時雨はそんな俺を見つめたまま微動だにしない。
「時雨?」
「……」
どうしたんだろうと首を傾げると、時雨の大きな左手が、俺の頬をそっと包んだ。
あぁ、温かくて気持ちがいい。もっと触ってほしいな……。
時雨の手の温もりをもっと感じたくて目をつぶる。
「……なぁ、ミツル」
「ん、何?」
時雨の声を聞きながらそっと目を開けると、真剣な眼差で見つめられ、思わずビクリと体が揺れた。
時雨は俺の頬に触れたまま、怪我をしていない左目の下を優しく親指で左右に撫でる。
「……悪い夢でもみたのか?」
「えっ……うん……ちょっと」
「どんな夢だ?」
「……」
「言えないのか?」
「……」
「なんでもいい。くだらないことでもいいから、教えてくれ」
「な……んで?」
「心配なんだ。ミツルは溜め込みやすいからな。何か心配なことがあるんじゃないのか?」
ふはっ、さすが時雨。俺のことよくわかってるな。
「ううん、大丈夫だよ。ってか、夢の内容忘れた」
ニッと笑う俺に納得していない時雨だったが、これ以上話を続けても無駄だと感じたのか、深いため息をついた。
「……わかった。でも、思い出したら俺に話せ。いつでも聞く」
「うん、ありがとう」
それから、時雨に風呂をすすめた後、俺達は電気を消して、一つの布団でしばらく雑談をした。
離れていた時期、お互いどこにいて、何をしていたのか?とか。
時雨は喧嘩をすれば俺の手がかりが、いつか見つかると思い、ひたすら喧嘩をしていたらしい。
手当たり次第、喧嘩を買ったり売ったりしていたら、どこかの某有名なチームを潰したのだとか。で、そこの総長……霧夜さんから『チームに入ってくれ』と、何度も勧誘された。あまりにもしつこいものだがら、喧嘩をしている理由を話すと、『じゃぁ、チーム作ればいいよ。目立ってすぐ見つかるかもよ?』と言われ、簡単な気持ちで『クレナイ』を結成した。
だが、チームを作ったものの、なかなか俺が見つからず、時雨はかなり荒れたそうだ。だが、『クレナイ』の仲間達に支えられ、どうにかここまでやってきたのだとか。今は見ての通り『クレナイ』の仲間を大切にしている。
「ミツルはどうなんだ?」
「俺は……」
天井を見ながら、ケンさんに説明したことと同じ事を淡々と話した。両親の離婚のこと、叔父と反りが合わなくて喧嘩して、今は一人暮らしをしていること……。
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