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王都での出来事 6
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「「本当に私たちがジョブチェンジできるのですか!」」
二人は天にも昇るようなほどウキウキである。王妃からの最初の申し出だった。
「ジョブチェンジ?」
「どこの国でも行えるのですがあの二人には適合するジョブが無いと言われました」
ジョブのことでどうして最初の提案なのだろう?。呼び方は国によって多少違うがクラスかジョブだといわれた。
「この国では王族は先陣に立つことがほぼ義務のようになっています。なので戦闘力の無いこの二人を戦闘に出すわけにはいきませんし、かといって実力主義のここでは王族としての立場も低く下の子らを後継者にするべきだとの好戦派もいまして」
「あたしたちとしては後方で指揮を執る姿でも悪くないと思ってるけど納得できない人も多いのよー」
古来の将は先頭に立ち武力で鼓舞する姿が多いしあの戦士や騎士たちからすれば当然の姿とも言えた。
「ここで転職などをする祭壇はあるの?」
「もちろんです」
「百聞は一見にしかずともいうし、やってみますか」
国王と王妃らを連れてきて祭壇の場所まで来る。先に彼女たちを認めない者たちを集めさせておいた。あの険しい顔がどう変わるか見物だ。
ジョブの一つを〈天命転職神殿〉に変える。
「では、転職を望む者、ユーフォリアよ。こちらへまいれ」
「はいっ!」
厳かに一礼する。こういう雰囲気が大事だよね。
「そなたは様々な素質を秘める『万能』が存在する。なので〈マスター・ナイト〉がふさわしい!」
全員がどよめきを上げる。当然といえば当然だ。普通にやればあらゆる騎士と魔法使いのほとんどを経由しなくては辿り着けないほどの難易度。。それ以外では『万能者のメダル』というものが無くてはいけないはずだ。この世界で歴史上数えるほどしかおらず現存しているのはただ一人だけだ。
「信じられない!そんなことはありえない!」
だが、ユーフォリアの手にはしっかりとそれがあった。もちろんわたしが用意したのだ。さすがに完全なオリジナルではないのだがジョブでそれを補う。本来なら無理の極みだがそれを可能に出来るのだ。
私の前で頭を下げる。
「そなたはあらゆる才能を秘めし者、慎み深く研鑽を積まれることを誓うか」
「誓います」
「では、この者に祝福を与えたまえ」
光の中に包まれるとしばらくしてユーフォリアが出てくる。
ユーフォリア・ディングル=オラル 人間族 王族 〈マスター・ナイト〉
闇属性の武具と魔法以外のすべてを使いこなせる万能者の騎士
ディングル王国の第1姫 温和かつ冷静さを持つ女
うん、ちゃんとステータスが変更されている。能力も大幅に上がっているがこのジョブはレベルアップが非常に遅いのが難点だがその問題はわたしのほうで解決できる。
周りは気が狂ったのかと思う人もいたが彼女の纏う雰囲気が一変したのを感じ取る。
「本当に・・・変わったのか?」
「はい」
簡単な魔法を唱えさせる。〈マスター・ナイト〉は闇属性の武具と魔法以外ならすべてを使いこなせるのだ。騎乗のスキルもあり、さすがに専門職が装備できる最高の物は無理だが多彩な武具と魔法とステータスで押すのが基本だ。
5つの属性を集めるユーフォリア。さすがにまだ攻撃魔法や治癒魔法は無理だが簡単なのなら使いこなせる。
鋼の剣を渡して剣舞を行う。王女が悠然と剣を振るう姿に涙を流すリムラル王妃。
だがもう一人いるのを忘れてはいないだろうか?
「リースリットよ、前にきなさい」
「はいっ!」
祭壇の前にぎこちなく来る。何かお人形のようだ。
「そなたは獣の心を深く知る『魔狼』がある、〈フェンリル・ナイト〉こそふさわしい!」
さらにどよめきが大きくなる。かつて実在したとされる魔狼フェンリル。
ユラ王妃の祖先がそうでありこの名を掲げる者には『勝利』をもたらすとされる伝説のジョブ、まさか自分の娘がそうであることなど信じられないように座り込むユラ王妃。頼んでおきながらそこまで驚くなよ。
これはさらにジョブチェンジの条件が難しい。
1 フェンリルの血の系譜の者
2 『魔狼の魂』のアイテム
3 レベル800以上
4 槍適正S
もちろん1以外は満たせないがそこは強引にやっちゃうのだ!
アイテムを持たせて厳かに、
「獣を愛し愛されし者よ、慎み深く研鑽を積まれることを誓うか」
「誓います」
涙でグシャグシャだったがそれは後で拭いておこう。
「では、この者に祝福を与えたまえ」
同じように光に包まれて出てくる。
リースリット・でィングル=オラル 半獣人 王族 〈フェンリル・ナイト〉
魔狼フェンリルの寵愛を受けた獣騎士、闇と氷属性魔法と一騎当千の槍使い
ディングル王国の第2姫 勇敢で活発な女
やったー!正直ウソの部分が多く入っていたので不安だったのだが成功している。
ステータスはウソのように上がっているし槍適正も最大まで上がっていてステータス系の魔法と召還魔法、モンスターテイムなどが与えられている。もちろん騎乗のスキルもある。魔法は闇と氷属性が多い。
後で何かしらの装備を与えよう。そうしよう。
この方法は異常極まるため問題も多いのだ。
1つ目はレベル不足。経験やらなんやらを飛ばすため本来のレベルとは比べ物にならないほど低い。最大値は桁違いに上がったがどうしてもレベルは変えられない。
2つ目はステータス不足 色々いじくったがどうしてもステータスの上昇値に限界がある。
3つ目は素質 強制的に変化させてあるのでいきなり強力な装備もできるが使いこなすのには時間がかかる。
4つ目はジョブ 最大の問題点がこれで最終的には恐ろしく強くなるがこれ以上のジョブなど存在しない。当然である、ここからさらに修行を積むものなどいない完成形なのだから。
この辺りは後から変えていこうと思う。
「これでいいかな?」
いまだに信じられないものを見ているかのような全員。口がポカーンと開いたままだ。
「英雄の誕生だよ!素直に喜んだら?」
その言葉を皮切りに拍手喝采される王女二人。どうやら受け入れられたようだ。
だけど私の仕事は終わっていなかった。この二人の装備を作らなくてはいけない。
ユーフォリアには剣、槍、斧、弓、杖、盾などを一通り作り魔法書も作る。魔法は教えるよりもこちらにしたほうが使いやすい。防具は騎士然としたものにする。
リースリットには槍だけを作る。ほかに適性がないからだ。魔法関連はジョブのせいで教えようが無い。レベルアップなどで地道に覚えてもらうしかない。防具は狼を象徴したものにする。
それらの装備を二人に渡す。だが二人の顔は赤面であった。
「ご、ごめん!」
さすがに女の子の裸を見るわけにはいかないのでさっさと退散する。
着替えが終わったようなので見に行くと凛々しい姿の二人がいた。
「似合っているよ」
賛辞を送る。
「「あ、ありがとうございます」」
【マスター・ナイト装備一式】
対魔力 勇者の心 連続攻撃 カリスマ 魔力強化【全】 重量軽減 耐久力上昇 全ステータス上昇
マスター・ナイトだけが装備できる専用装備 様々な属性効果を持つ万能型
【フェンリル・ナイト装備一式】
対魔力 魔狼の加護 咆哮 槍の極み 魔力強化【闇・氷】 重量軽減 耐久力上昇 全ステータス上昇
フェンリル・ナイトだけが装備できる専用装備 槍使用と機動性の特化型
この辺りが今の所彼女たちが使える装備の限界だろう。これ以上の性能だと振り回されてしまう。
「感触はどう?不具合は無い?」
「装備が体にすごく馴染む感じです。まるで初めから私たち専用に作られているかのようです」
「すごく動きやすいよ!武器も軽いし疲れも無い。本当にすごいよアナタは!」
かなり無茶をしたがどうやら問題は無いようだ。
「では、ここからが本題になるから良く聞いて。いくらそのジョブが強いといってもあなたたちはこれまでほとんど武器すらも振ったことがない。普通なら長い修行で得られるほとんどの経験を飛び越えている。当然マトモに強者にぶつかれば戦死してしまうのは確実。だから文句が一切言われないように私が鍛える。
今のあなたたちを倒せる相手なんていくらでもいるのだから修行についてきてもらうからね」
「「よろしくお願いします」」
この二人を短期間で成長させるにはアレしか方法が無いのが悔やまれる。
二人は天にも昇るようなほどウキウキである。王妃からの最初の申し出だった。
「ジョブチェンジ?」
「どこの国でも行えるのですがあの二人には適合するジョブが無いと言われました」
ジョブのことでどうして最初の提案なのだろう?。呼び方は国によって多少違うがクラスかジョブだといわれた。
「この国では王族は先陣に立つことがほぼ義務のようになっています。なので戦闘力の無いこの二人を戦闘に出すわけにはいきませんし、かといって実力主義のここでは王族としての立場も低く下の子らを後継者にするべきだとの好戦派もいまして」
「あたしたちとしては後方で指揮を執る姿でも悪くないと思ってるけど納得できない人も多いのよー」
古来の将は先頭に立ち武力で鼓舞する姿が多いしあの戦士や騎士たちからすれば当然の姿とも言えた。
「ここで転職などをする祭壇はあるの?」
「もちろんです」
「百聞は一見にしかずともいうし、やってみますか」
国王と王妃らを連れてきて祭壇の場所まで来る。先に彼女たちを認めない者たちを集めさせておいた。あの険しい顔がどう変わるか見物だ。
ジョブの一つを〈天命転職神殿〉に変える。
「では、転職を望む者、ユーフォリアよ。こちらへまいれ」
「はいっ!」
厳かに一礼する。こういう雰囲気が大事だよね。
「そなたは様々な素質を秘める『万能』が存在する。なので〈マスター・ナイト〉がふさわしい!」
全員がどよめきを上げる。当然といえば当然だ。普通にやればあらゆる騎士と魔法使いのほとんどを経由しなくては辿り着けないほどの難易度。。それ以外では『万能者のメダル』というものが無くてはいけないはずだ。この世界で歴史上数えるほどしかおらず現存しているのはただ一人だけだ。
「信じられない!そんなことはありえない!」
だが、ユーフォリアの手にはしっかりとそれがあった。もちろんわたしが用意したのだ。さすがに完全なオリジナルではないのだがジョブでそれを補う。本来なら無理の極みだがそれを可能に出来るのだ。
私の前で頭を下げる。
「そなたはあらゆる才能を秘めし者、慎み深く研鑽を積まれることを誓うか」
「誓います」
「では、この者に祝福を与えたまえ」
光の中に包まれるとしばらくしてユーフォリアが出てくる。
ユーフォリア・ディングル=オラル 人間族 王族 〈マスター・ナイト〉
闇属性の武具と魔法以外のすべてを使いこなせる万能者の騎士
ディングル王国の第1姫 温和かつ冷静さを持つ女
うん、ちゃんとステータスが変更されている。能力も大幅に上がっているがこのジョブはレベルアップが非常に遅いのが難点だがその問題はわたしのほうで解決できる。
周りは気が狂ったのかと思う人もいたが彼女の纏う雰囲気が一変したのを感じ取る。
「本当に・・・変わったのか?」
「はい」
簡単な魔法を唱えさせる。〈マスター・ナイト〉は闇属性の武具と魔法以外ならすべてを使いこなせるのだ。騎乗のスキルもあり、さすがに専門職が装備できる最高の物は無理だが多彩な武具と魔法とステータスで押すのが基本だ。
5つの属性を集めるユーフォリア。さすがにまだ攻撃魔法や治癒魔法は無理だが簡単なのなら使いこなせる。
鋼の剣を渡して剣舞を行う。王女が悠然と剣を振るう姿に涙を流すリムラル王妃。
だがもう一人いるのを忘れてはいないだろうか?
「リースリットよ、前にきなさい」
「はいっ!」
祭壇の前にぎこちなく来る。何かお人形のようだ。
「そなたは獣の心を深く知る『魔狼』がある、〈フェンリル・ナイト〉こそふさわしい!」
さらにどよめきが大きくなる。かつて実在したとされる魔狼フェンリル。
ユラ王妃の祖先がそうでありこの名を掲げる者には『勝利』をもたらすとされる伝説のジョブ、まさか自分の娘がそうであることなど信じられないように座り込むユラ王妃。頼んでおきながらそこまで驚くなよ。
これはさらにジョブチェンジの条件が難しい。
1 フェンリルの血の系譜の者
2 『魔狼の魂』のアイテム
3 レベル800以上
4 槍適正S
もちろん1以外は満たせないがそこは強引にやっちゃうのだ!
アイテムを持たせて厳かに、
「獣を愛し愛されし者よ、慎み深く研鑽を積まれることを誓うか」
「誓います」
涙でグシャグシャだったがそれは後で拭いておこう。
「では、この者に祝福を与えたまえ」
同じように光に包まれて出てくる。
リースリット・でィングル=オラル 半獣人 王族 〈フェンリル・ナイト〉
魔狼フェンリルの寵愛を受けた獣騎士、闇と氷属性魔法と一騎当千の槍使い
ディングル王国の第2姫 勇敢で活発な女
やったー!正直ウソの部分が多く入っていたので不安だったのだが成功している。
ステータスはウソのように上がっているし槍適正も最大まで上がっていてステータス系の魔法と召還魔法、モンスターテイムなどが与えられている。もちろん騎乗のスキルもある。魔法は闇と氷属性が多い。
後で何かしらの装備を与えよう。そうしよう。
この方法は異常極まるため問題も多いのだ。
1つ目はレベル不足。経験やらなんやらを飛ばすため本来のレベルとは比べ物にならないほど低い。最大値は桁違いに上がったがどうしてもレベルは変えられない。
2つ目はステータス不足 色々いじくったがどうしてもステータスの上昇値に限界がある。
3つ目は素質 強制的に変化させてあるのでいきなり強力な装備もできるが使いこなすのには時間がかかる。
4つ目はジョブ 最大の問題点がこれで最終的には恐ろしく強くなるがこれ以上のジョブなど存在しない。当然である、ここからさらに修行を積むものなどいない完成形なのだから。
この辺りは後から変えていこうと思う。
「これでいいかな?」
いまだに信じられないものを見ているかのような全員。口がポカーンと開いたままだ。
「英雄の誕生だよ!素直に喜んだら?」
その言葉を皮切りに拍手喝采される王女二人。どうやら受け入れられたようだ。
だけど私の仕事は終わっていなかった。この二人の装備を作らなくてはいけない。
ユーフォリアには剣、槍、斧、弓、杖、盾などを一通り作り魔法書も作る。魔法は教えるよりもこちらにしたほうが使いやすい。防具は騎士然としたものにする。
リースリットには槍だけを作る。ほかに適性がないからだ。魔法関連はジョブのせいで教えようが無い。レベルアップなどで地道に覚えてもらうしかない。防具は狼を象徴したものにする。
それらの装備を二人に渡す。だが二人の顔は赤面であった。
「ご、ごめん!」
さすがに女の子の裸を見るわけにはいかないのでさっさと退散する。
着替えが終わったようなので見に行くと凛々しい姿の二人がいた。
「似合っているよ」
賛辞を送る。
「「あ、ありがとうございます」」
【マスター・ナイト装備一式】
対魔力 勇者の心 連続攻撃 カリスマ 魔力強化【全】 重量軽減 耐久力上昇 全ステータス上昇
マスター・ナイトだけが装備できる専用装備 様々な属性効果を持つ万能型
【フェンリル・ナイト装備一式】
対魔力 魔狼の加護 咆哮 槍の極み 魔力強化【闇・氷】 重量軽減 耐久力上昇 全ステータス上昇
フェンリル・ナイトだけが装備できる専用装備 槍使用と機動性の特化型
この辺りが今の所彼女たちが使える装備の限界だろう。これ以上の性能だと振り回されてしまう。
「感触はどう?不具合は無い?」
「装備が体にすごく馴染む感じです。まるで初めから私たち専用に作られているかのようです」
「すごく動きやすいよ!武器も軽いし疲れも無い。本当にすごいよアナタは!」
かなり無茶をしたがどうやら問題は無いようだ。
「では、ここからが本題になるから良く聞いて。いくらそのジョブが強いといってもあなたたちはこれまでほとんど武器すらも振ったことがない。普通なら長い修行で得られるほとんどの経験を飛び越えている。当然マトモに強者にぶつかれば戦死してしまうのは確実。だから文句が一切言われないように私が鍛える。
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(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
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