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王都での出来事 7
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「ハァッ、ハァ、ハァ。大丈夫リースリット?」「はぁはぁ、しんどいね。おねえちゃん」
私ユーフォリアと異母妹のリースリットは身動きが出来ないほど疲れていた。リーヴリルに最適な修行を付けてもらいたいと頼み込み南に向かう開拓団の中にいる。
「ここで何をする気ですか」
「すぐに分かるよ」
そうして出てきたのは何かの扉だった、中に入るととたんに体が重くなる。
「これはなんなのですか!」「体が重いよ!」
「この《無限の修行所》では様々な状況を想定して訓練ができる。君たちには体重の約5倍の重さが掛かっていて立ち上がることも困難で普通なら動けない。だからこそ何倍もの速さで高度な訓練が出来る。
人の体は面白いもので過剰に負荷が掛かると異常事態だと判断する、そしてそれがある程度続くとこの異常事態は持続し続けると肉体が変化を伴いその異常事態に対抗できるように体を作り変えていく。これが肉体改造、一度体をバラバラにして強くするためにする鍛錬方法だよ」
だかかといってこれは余りにも横暴ではないですか!そう反論する二人。
「君たち二人が強くなければ王国はあっという間に滅ぼされてしまうよ?それでもいいの?」
それは受け入れられない、自分たちの生まれた国を脅かす脅威を跳ね返せる力が手に入るならこれぐらいの苦労など石ころほどの価値も無い。
二人は何とか立ち上がる。
「稽古をお願いします」
この二人には穴掘りをさせつつゴーレム達と模擬線をさせる。ひたすらシャベルで穴を掘らせ埋める、ひたすら戦う、ただそれだけだ。この基本が出来ないとこれから先どの様なことをしようともとも無駄であった。まず基礎体力を高める。
それと同時に王妃たちからの命令のこなすことにする。
「開拓団?ですか」
「はい詳しく話せば・・・」
この国はそれなりに広いとはいえまだ未開発の場所や土地がまだ多くありそういった場所を豊かな土地に変えて欲しいとの事だ。
「あなたには南東の鉱山一帯と南の全域の開拓団の団長に任命します。開発の結果が王家に認められれば辺境伯の身分と開発したすべてを領土として認めます。その際の税金などはその時に話しましょう。何か質問はありますか?」
「もしもだよ、南部の国が侵略してきたら戦闘行為をしてもかまわない?場合によっては侵攻して領地を切り取っても問題ない?」
これだけは言質をとっておかなくてはいけない。背後から攻められてはひとたまりもないからだ。
「何の問題もありません。南は貿易でも外交でも閉鎖的で交流がありませんし、国の開発を妨げるのならばそれは敵以外ありません。領地の地図でも防衛領域は決められていますからそれを無視したのならば明らかな侵略です、壊滅されたとしても文句は言えません」
リムラル王妃とユラ王妃が断言する。これで唯一の問題は無くなった。
「開拓団の人員は約2000名。監督役を何名か入れてますので後はそちらにお任せします」
最後まで資金などの援助の話は無かったが自前でやる代わりに開発が終われば権限をこちらが握るという確約でもある。
「そんじゃがんばってくるね~」
気楽に王妃二人と別れて城を出る。さてさてどうなるんでしょうかね。
「・・・ねぇ、本当に行かせて良かったの?南部の国の説明をしなくてさ」
ユラ王妃が少し心配そうに。
「南部は好戦派や過激派が大多数で侵攻の機会を狙っている、そんな状況で開拓団を出せば格好の的になるでしょうね、最悪王都まで進軍してくることも考えられるでしょうね」
リムラル王妃は冷静だった。
「だったら、娘たちを付けずに古参の者たちを行かせたほうが」
首を振られる。
「残念だけどこの国にはもう余裕がないのよ。財政は何とか黒字でこれ以上兵は増やせないしほとんどが年齢が高く世代交代の問題もある。これといった産業も生まれないし他国との経済格差は歴然、もし周囲が同盟を結べばあっという間にこの国の歴史が終わってしまう」
「じゃあ、完全に崖っぷちってこと?」
「手が無いわけではないじゃないの。南部の軍を刺激して国力を減らしこちらが優位になれば周囲の国の評価も上がり友好を求めてくるでしょう。南部はこの世界でも最大の軍事国家ですから。でも、どう考えても戦力差がありすぎて100%壊滅してしまう、そんな命令など私たちには出せない。そう悩んでたんだけど」
そこでリーヴリルが登場したわけだ。
「もしも南部の国を黙らせることが出来ればこの国にいくばくかの余裕が出来ます。その間に他の国との外交を優位に進めて交易を活発化させて国庫を豊かにしましょう」
楽観的希望だがあの子にはなぜか人を信じさせる不思議な魅力があった。
それだけの成果を出せば辺境伯の身分も利益も娘たちの婿としても安いものだ。勝利を買えるのならばこれほど安いものは無い。
だがユラ王妃は別の不安があった。
「あの子は敵と見なせば壊滅させてもかまわないことを匂わせていたよ。黙らせるぐらいならこちらでコントロールできるかもしれないけど南の国を支配下に置いちゃったらどうするの?
南部は一国に追従する属国の連合だけどこれを潰したら独立国家を建てるかもしれないけど。その辺りの心配はどうするの?話し方は子供だけどまるで自分より年上のように達観している感じがしたしそうなったらさらに厄介になるよ」
「だから娘たち二人を付けたのです。親馬鹿になりますがあの二人の器量なら何とかなると思ってますし、いざとなれば肉体関係になるように強く言ってます。とりあえず二人に期待しましょう」
王妃たちの悩みは深い。願わくばリーヴリルが自分たちの手に負える存在であることを願う。
私ユーフォリアと異母妹のリースリットは身動きが出来ないほど疲れていた。リーヴリルに最適な修行を付けてもらいたいと頼み込み南に向かう開拓団の中にいる。
「ここで何をする気ですか」
「すぐに分かるよ」
そうして出てきたのは何かの扉だった、中に入るととたんに体が重くなる。
「これはなんなのですか!」「体が重いよ!」
「この《無限の修行所》では様々な状況を想定して訓練ができる。君たちには体重の約5倍の重さが掛かっていて立ち上がることも困難で普通なら動けない。だからこそ何倍もの速さで高度な訓練が出来る。
人の体は面白いもので過剰に負荷が掛かると異常事態だと判断する、そしてそれがある程度続くとこの異常事態は持続し続けると肉体が変化を伴いその異常事態に対抗できるように体を作り変えていく。これが肉体改造、一度体をバラバラにして強くするためにする鍛錬方法だよ」
だかかといってこれは余りにも横暴ではないですか!そう反論する二人。
「君たち二人が強くなければ王国はあっという間に滅ぼされてしまうよ?それでもいいの?」
それは受け入れられない、自分たちの生まれた国を脅かす脅威を跳ね返せる力が手に入るならこれぐらいの苦労など石ころほどの価値も無い。
二人は何とか立ち上がる。
「稽古をお願いします」
この二人には穴掘りをさせつつゴーレム達と模擬線をさせる。ひたすらシャベルで穴を掘らせ埋める、ひたすら戦う、ただそれだけだ。この基本が出来ないとこれから先どの様なことをしようともとも無駄であった。まず基礎体力を高める。
それと同時に王妃たちからの命令のこなすことにする。
「開拓団?ですか」
「はい詳しく話せば・・・」
この国はそれなりに広いとはいえまだ未開発の場所や土地がまだ多くありそういった場所を豊かな土地に変えて欲しいとの事だ。
「あなたには南東の鉱山一帯と南の全域の開拓団の団長に任命します。開発の結果が王家に認められれば辺境伯の身分と開発したすべてを領土として認めます。その際の税金などはその時に話しましょう。何か質問はありますか?」
「もしもだよ、南部の国が侵略してきたら戦闘行為をしてもかまわない?場合によっては侵攻して領地を切り取っても問題ない?」
これだけは言質をとっておかなくてはいけない。背後から攻められてはひとたまりもないからだ。
「何の問題もありません。南は貿易でも外交でも閉鎖的で交流がありませんし、国の開発を妨げるのならばそれは敵以外ありません。領地の地図でも防衛領域は決められていますからそれを無視したのならば明らかな侵略です、壊滅されたとしても文句は言えません」
リムラル王妃とユラ王妃が断言する。これで唯一の問題は無くなった。
「開拓団の人員は約2000名。監督役を何名か入れてますので後はそちらにお任せします」
最後まで資金などの援助の話は無かったが自前でやる代わりに開発が終われば権限をこちらが握るという確約でもある。
「そんじゃがんばってくるね~」
気楽に王妃二人と別れて城を出る。さてさてどうなるんでしょうかね。
「・・・ねぇ、本当に行かせて良かったの?南部の国の説明をしなくてさ」
ユラ王妃が少し心配そうに。
「南部は好戦派や過激派が大多数で侵攻の機会を狙っている、そんな状況で開拓団を出せば格好の的になるでしょうね、最悪王都まで進軍してくることも考えられるでしょうね」
リムラル王妃は冷静だった。
「だったら、娘たちを付けずに古参の者たちを行かせたほうが」
首を振られる。
「残念だけどこの国にはもう余裕がないのよ。財政は何とか黒字でこれ以上兵は増やせないしほとんどが年齢が高く世代交代の問題もある。これといった産業も生まれないし他国との経済格差は歴然、もし周囲が同盟を結べばあっという間にこの国の歴史が終わってしまう」
「じゃあ、完全に崖っぷちってこと?」
「手が無いわけではないじゃないの。南部の軍を刺激して国力を減らしこちらが優位になれば周囲の国の評価も上がり友好を求めてくるでしょう。南部はこの世界でも最大の軍事国家ですから。でも、どう考えても戦力差がありすぎて100%壊滅してしまう、そんな命令など私たちには出せない。そう悩んでたんだけど」
そこでリーヴリルが登場したわけだ。
「もしも南部の国を黙らせることが出来ればこの国にいくばくかの余裕が出来ます。その間に他の国との外交を優位に進めて交易を活発化させて国庫を豊かにしましょう」
楽観的希望だがあの子にはなぜか人を信じさせる不思議な魅力があった。
それだけの成果を出せば辺境伯の身分も利益も娘たちの婿としても安いものだ。勝利を買えるのならばこれほど安いものは無い。
だがユラ王妃は別の不安があった。
「あの子は敵と見なせば壊滅させてもかまわないことを匂わせていたよ。黙らせるぐらいならこちらでコントロールできるかもしれないけど南の国を支配下に置いちゃったらどうするの?
南部は一国に追従する属国の連合だけどこれを潰したら独立国家を建てるかもしれないけど。その辺りの心配はどうするの?話し方は子供だけどまるで自分より年上のように達観している感じがしたしそうなったらさらに厄介になるよ」
「だから娘たち二人を付けたのです。親馬鹿になりますがあの二人の器量なら何とかなると思ってますし、いざとなれば肉体関係になるように強く言ってます。とりあえず二人に期待しましょう」
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