オヤジが生まれ変わって?系救世主

無謀突撃娘

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エクリプス開拓団1

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 エクリプス開拓団と名づけられて開拓するその場所についての感想は一言。

『恐ろしく荒廃していてまともに暮らせない』

 ただそれだけだった。雑草すら生えずに水の流れすらないカチカチの大地と枯れ果てた木が何本かあるだけの荒野。

「お母様たちは本当にここを開拓できると考えたのでしょうか?」

「絶対無理だよ、女神様連れてきても不可能だよ」

 誰もが絶望を抱く。たしかに普通に考えればこの状況ではいくら身分を与えても拒否されるだろうな、さらに南部の最前線というオマケもある。ほんとあの王妃様たちは無理難題を言いなさる。

 だからこそここを選んだのだけどね。すでに契約はされているので逃げ出せば死罪だ。だけど開拓できればここは王家でも手が出せない場所になる。

 ここに来る前に作り出した魔法具やアーティファクトをいくつか出すことにした。

 都市の中心には湖を作る予定だったので地形を操作して水がたっぷりと貯まる湖の形を作り出すと【恵みの水樹】を中央に植えるとすぐさま水が大量に流れ出してきた。

 水質を確認してみんなに飲ませる。喉がよほど渇いていただろう、ガブガブ飲む。

 次の仕事をしてもらう。

「お前たちは全員これをここから北一帯にひたすらばら撒くんだよ」

 麦の種子のようなものを大袋ごと大量に出す。

「なんですかこれは」

「明日になればわかるから言うとおりにして」

 そうして開拓団全員でそれをひたすらにばら撒く作業をさせる。

「ユーフォリアは西側にこの杖をある程度の感覚で突き刺してきてくれ、リースリットは東側だ。くれぐれも馬車が数台横並びで動けるぐらいの街道を保ちながら行ってくれ」

 森の木で出来たような杖を何百本と持たせる、人手が足りないのでゴーレムを使う。

 わたしは前世のローマ軍が行ったような3層にした水はけの良く馬車の移動が楽で長持ちする街道を最初に整備する。湖を中心にしてそれを大きく十字に道と水が流れるように作ると次に生活するための居住区と用水路や市道などを整備する。材料は《豊穣の異世界》から引き出し《異次元超巨大万能工房》と《建築翁》を使い一気に建てる。

 建築スピードは恐ろしく早く行う。4時間かけて何とか全員が寝泊りできる家を作るがまだ仕事がある。侵略を受けないための防衛を担う砦や壁も作らなくてはいけない。

 食料などを大量に保存性の高くネズミなどにかじられないように工夫した高床式の家において来て南に向かう。

 ゴーレムたちと向かい防壁を構築する。鉄鉱石や腐食しにくい物質を混ぜた頑丈なレンガを無数に作りゴーレムたちに命令して積み上げさせる。両側には高い山があるのでここが防衛の最前線になる。疲れ知らずで怪力の彼女たちはわたしの魔力で動いている。高位の魔法使いでも1体ですぐに倒れてしまうほど消費するが性能は高い。

 3時間かけて防衛に必要なレンガをすべて積み終えると特殊なペンキを塗らせる、これでさらに腐食しにくくなるのだ。ここにも水場が必要なので土魔法で地下までの水脈まで掘り進めてそこから水の堀を作る。

 このままゴーレムたちに防備を任せようとしたが騎馬に乗った一団が来た。南部の国の騎士たちだろう、思ったより早く来たな。どの道ここから先には踏み入れさせないが。

人数は40名ほどだ。さほど多くはないな。

「ここの責任者は誰だ!」

 やたら高圧的な男が叫ぶ。子供だとなめられそうなのでゴーレムたちに命令して様子を見る。

「どのようなご用件でしょうか?」

 メイド姿の美女が出てきて驚いたがすぐさま元に戻る、外交関係が良くないとはいえその対応は最悪だよ。

「我々はルスード伯爵に仕える騎士だ。このように防備を作るのはれっきとした侵略行為になる。我々に従いここを明け渡せば生活を見てやる」

 生活を保障するのではなく見るですか、こいつらの頭はどれだけ搾り取るかしかないんだな。

「私たちはディングル王国よりここの開発を任命されています。国境線でもこの場所はこちら側のものですしこれはあくまで防衛のための建築、侵略ではありません」

「あぁ!女が!我々に逆らえばどうなるか分かっているのか!」

 もはや言葉を取り繕うなどどうでもよくなったのか男は激昂する。周りの者たちもそれに同調する。今にも襲い掛かってきそうだ

「私たちにはいくら暴言を吐いても無意味です。従わせたければマスターを倒して認めさせなさい」

 その言葉で我慢の限界を超えたのか相手が全員剣を抜刀する。いくらなんでも早すぎだろ。どこまで短気なんだ?こうなっては力で従わせるしか方法が無くなるがわたしの創ったゴーレムがたかが騎士ごときに負けるはずなどない。結局敵45に対して15で勝ってしまった。もう少し修行しろよ。

 砦の建設と防衛のためのゴーレムだけを残してこいつらには特殊な首輪を付けさせて一緒に戻る。どんな刃物でも切れないし解除も不可能で魔法などでも外しようが無い代物だ。無理矢理外そうとすれば呪いがかかり自由を奪っていくが解除の仕方は以外に簡単なのだ。こいつらには無理だろうが。

 開拓団のところに帰ると皆が出迎えてくれた。

「みんなが仕事をしている間だけでこんなに町らしくなるなんて」

 みんながここでの生活に希望を持ち始めたようだ。

「あの杖ってすごいですね。地面に刺しただけであっという間に森が広がっていきました」

ユーフォリアとリースリットも非常に嬉しそうにしていた。

「ところで後ろの男たちは誰ですか?」

 事情を説明する。

「ちょっと面倒ですね。ルスード伯爵は他国でも知られる軍人の家柄で王国に何度も理不尽な要求をしてきた強欲な男です、王国を滅ぼして私たちを妾にすると普段から息巻いている最低男ですから」

「そうだよ、見たことがあるけどデップリとしていて酒と不潔な匂いがする最低な男だよ」

 二人とも嫌悪しかない。

「おそらくこれを口実に侵攻してくるだろうけど王族としてはどのように判断する?」

「普通なら侵攻してきた敵は追い払うのですが国力差が大きすぎて難しいです。外交関係は最悪ですが伯爵家だけでもこちらの全兵士に相当する兵を持っていますので戦闘可能な人がいないこちらが圧倒的に不利ですね」

「おねえちゃん、このままここが敵の手に落ちるのを待つのは良くないと思うよ、こちらから仕掛けられないかな、戦争を仕掛ける口実はもう出来てるし防衛ではこちらが不利だよ」

それはわかっていますが兵の絶対数が余りに足りません、と苦言を言う。

「南部の国の情勢や成り立ちなどを教えてもらえるかな」

 余り詳しくは無いでけど良いですか?と。話を聞くと南部は人間が最上位であり他の種族はそれより下の立場で兵役に付かされていて種族の関係は良くないとの事だ。

(種族の関係が良くないのならここに割り込めば彼らを味方に出来るかもしれない。与えられた土地はそれなりだけど食料などの心配はないし労働力も兵力もまったく無いからどうしても人手が欲しい。契約でも別に南部の人や多種族を迎えいれるなとは書いてないからこちらに引き込めれば敵の戦力を大幅に下げられる。資金などは心配要らないから出来る限り交戦を避けて彼らを引き込もう。これで決まりだな)

 そうして策士として南部を手に入れることを決めた。そうして眠りに付いた。
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