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エクリプス辺境伯家19
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私ことレミー=ベルンゲル14歳は今までになく緊張しています。
この国のリムラル王妃の兄の娘なのですが身分は男爵位です。お父さんは平穏無事を第一に生きていて上の兄が領地を継ぐのでその妹である私は就職先や嫁ぎ先を探していました。
だけど領地は広くなく貧乏なのでその相手はなかなか見つからず他国の貴族とも深い付き合いがないのでこのままでは条件の悪い家柄か平民と結婚することになります。
多少容姿やスタイルは良いと思いますが化粧などはしないので平凡にも見えます。
そういった状況の中で叔母である王妃様から鶴の一声が掛かりました。
「この王都の南部のエクリプス辺境伯家の発展は聞いていますね?」
「もちろんです。ここだけでなく他国からも使者が毎日聞いてくるほどだとか」
正直その話は他国へのアピールで実際には存在しないものだと思っていました。あの非常に危険で荒廃した南部がそれほどまでに変化することなど夢物語だと。
だけど、それが現実だと教えられました。嘘か真が実際に行き確認してこいと。
「あなたには娘であるユーフォリアたちの従者候補として行かせます」
移動と当面の生活費のお金を渡されて部屋を出ます。どうしてこうなったのだろう。
「これはすごいですね~」
ユーフォリア様やリースリット様と同じように従者として推薦された人達と共に【空駆ける馬車】で南部まで移動します。その道はありえないほど整備されていて段差の振動がなく非常に快適です。
すぐさま見えたのは広大で肥沃的な穀倉地帯などです。ここの生産物などを王国に回したり南部に交易に回したりするそうです。
あっという間に領地の町に着くとありえない光景が広がっていました。大きな家や整備された道に綺麗に流れる水など文明が遥かに進んだ町に見たことがない食べ物や果物や品々が数多く並んでいました。
「辺境伯様が帰ってくるまで自由に見回りなさい。問題は起こさないように」
そう厳命されて町を見回ります。
町は広くて道も広いため人とぶつかり合うことはありません、ほとんどが人間族以外でしたが気さくに話しかける人たちばかりでここは平和なのだと思いました。世界中のどこにもここまで発展した場所はないのだから。
「お嬢ちゃん。他から来たのかい」
一軒の細工品を売っているお店の人が私を止めます。
「ええ、そうですよ」
「だったらここで何か買っていかないかい、勉強するよ」
そうして店の品々を見ると信じられないものばかりでした。
「これって金細工ですか?さすがにこれほどのものになるとお金が・・・」
断ろうとすると店員が笑いました。
「こいつは金メッキ細工さ。良く出来てるだろう」
意外な言葉が返って来ましたがかなり高度な技術で作ってあるので普通ならば値段もさほど変わりませんが値札と見ると仰天しました。
「本当にこの値段ですか?」
書いてある数字は普通に比べて10分の1ほどの値段でした。
「エクリプス辺境伯様がこの技術を生み出してくれたんだよ。生産場所は秘密だがここに来た大半は買っていくよ。贈り物としても最適だし自分が持っていても問題ないからね」
もちろん本物の金細工はもっと高度かつ繊細な分だけ値段が高いと。正直これだけの品でこの値段ならば今すぐ欲しいのですがそれだと所持金を大分使うことになります。
10分ほど悩みましたが店員に勉強してもらい買いました。懐は寂しくなりましたがこの細工品なら女として持っていて損はありません。
その後戻り領主館の客間で休むように言われます。後数日で辺境伯様が帰ってきて召抱えるかどうかテストするそうです。
「エヘへへ~」
私は買った金メッキ細工をひたすらに見ていじってます。大輪の花に二匹の小さな蝶が飛ぶ細工品で繊細かつ見栄えがとても良いのでよほど裕福でないと手に入れることは不可能です。これだけでも来た意味があるぐらいです。
そして数日たち直々にテストを受ける時間になりました。
「緊張するな~」
ある程度身なりは整えていますが普段着とさほど変わりはありません。はっきり言って実力も家格もなのもかもが違いすぎます。南部との戦争にも圧倒的不利を覆して完全勝利して今一番注目されているでしょう。勇気をつけるために買った細工品を身に付けています。分不相応と思われるかもしれませんが何となく身に付けました。
「初めまして。領主のリーヴリル・エクリプス=オギルです」
そこにいたのは理想でした。あらゆる者たちが望む理想の姿の少女。男性だと聞いていましたがどこからどう見てもそんな風には見えません。両脇にユーフォリア王女とリースリット王女がいます。私たちを従者に迎えるので同席しているのです。
「あなたの名前は?」
「は!はいっ!私は・・・」
緊張しまくりで言葉にろれつが回っていません。それを責めず終始穏やかな顔で話をしてくる辺境伯様、これでは恥ずかしいことこの上ないです。
「おや、その細工品は・・・」
私が身につけている細工品に目がいきます。普通なら持っていることが不自然ですが「なら、これがいいか」とどこか納得しています。
私のほうに布袋を渡します。
「これは!」
そこには金貨や銀貨が何十枚も入っていました。
「君のテストは『このお金を2倍にする方法』だ。すまないけど1時間以内に考えて。他にも人が多いから今この場で。発言の機会は一回だけだ。誰にも相談しないで自分の考えだけで答えて」
とんでもないテスト内容です。多少教育が良いだけの貧乏貴族の娘にそんなことを要求してくる辺境伯様。だけど、向こうは忙しい時間の中でこちらに付き合っています。相手は私たちのことなど無視してもかまわないのに王女様たちの顔を立てているのです。失敗すれば自分以外にも迷惑が掛かります。
(どうしたらいいんだろう)
はっきり言って何も思いつきません。そんなことなど頭のどこにも入ってないししたことすらありません。無理難題ですがこれがテストなのです。
時間だけが過ぎて行き汗で手がにじみます。ここで私はとっさに相手の言葉を深く考えることにしました。
(辺境伯様は『このお金を2倍にしてこい』とは言っていない。『このお金を2倍にする方法』だと言った)
天啓のようなかすかな閃きに賭けることにしました。
「このお金を王国より西部に持っていって生活します」
王女たちは「どうしてそんなことを?」という顔だ。だけど私には確信がある。
「王国より西部は遥かに開拓されています。資源が豊かなので家等の値段は格段に安く購入できるし食料なども豊富で安い。そこではこの金貨の価値は2倍以上あります。そこで生活するようにすれば金額は2倍になるでしょう。辺境伯様は『お金を2倍にするのではなくその方法』と言いました。これを2倍の数にすることは不可能ですがその価値は2倍になります」
これが私の答えだ。西部の人達から以前話を聞いていて向こうでは住まなくなった家々などが数多くあり格安で貸したり購入が出来ると話していた。
王女たちは完全に予想外の答えだったのだろう、呆然としているが辺境伯様はとても嬉しそうだ。
「ユーフォリア、リースリット。商売では安い場所で買い高い場所で売るのが基本。ならお金だってそうでしょう。彼女の答えはそれを忠実に守っているよ」
「それでは!」
「まだ王国には人材がいると思っていたけどこういう考えが出来る人は有益だね。突然目の前に出された大金を目先の欲で使わずその価値を高める方法を冷静に考えられた」
すぐさま合格を出される。
「ありがとうございます!」
これで不憫な思いはしなくてすむようになった。だけど、目の前の大金を回収しようとはしない辺境伯様。
「あの、これは」
「君ってまがりなりにも王族の一族に連なっていて男爵家の娘でしょう。わたしの領地で買った金メッキ細工は良いんだけどそんな服では相手に足元を見られちゃうよ」
だからそのお金は持って帰れと。
「でも、こんな大金返せません」
「君はユーフォリアたちの従者として応募してきたのでしょう?当然主の補佐をしなくてはいけない。だけど二人はこれから南部を始め数多くの人たちに顔を見せて付き合わないといけない仕事が山ほどある。その従者なら接客などもしなくてはいけなくなるけどその安い生地で綻びそうな服では主の傍にいるのはふさわしくない。だからそのお金で服などを揃えろって言ってるの」
確かに。それなりの服だと思うがごく一般的な生地で肌触りはよくないし見栄えも悪い。自分は武芸の類はさほど得意ではないから主に文官として働くことになるだろう。人と会うのは当然なので良い服を着ていなければ主に恥をかかせてしまう。
「賄賂といえば聞こえは悪く感じるけど身分の高い人と会うために身なりなどを揃えるのだから決して悪銭ではない。この領地には他種族の仕立師や針り子が多くいるし上等な生地や布地があるからそれで服など作ってもらって。でも、一つだけ注文を付けるね。あまり華美な服や装飾品などは却下」
「ありがとうございます!誠心誠意仕事に励みます!」
次の人がいるから部屋から出て欲しいといわれる。
「まず、報告しないといけない人がいますね」
最初に王妃様で次に実家の父と兄弟たちで身に付けている細工品を売ってくれた店の人などを考えながら手紙などを書く私は今までになく幸せでした。翌日からユーフォリア様の従者として正式に仕事が与えられます、主に領地内に来る人たちとの接待や世話役です。服装は辺境伯様からいただいたお金で服装を整えたのでそれなりに立派な姿となりました。
かなり多くの人が来るし貴族の方々も多いので緊張する毎日ですが『まだ若いことは気にせずに働け、そして経験と勉強を積んで立派に主を補佐しろ』と辺境伯様は信頼してくれますので試行錯誤の日々が続きますが給金もそれに見合う物です。今日も主のために奮闘します。
この国のリムラル王妃の兄の娘なのですが身分は男爵位です。お父さんは平穏無事を第一に生きていて上の兄が領地を継ぐのでその妹である私は就職先や嫁ぎ先を探していました。
だけど領地は広くなく貧乏なのでその相手はなかなか見つからず他国の貴族とも深い付き合いがないのでこのままでは条件の悪い家柄か平民と結婚することになります。
多少容姿やスタイルは良いと思いますが化粧などはしないので平凡にも見えます。
そういった状況の中で叔母である王妃様から鶴の一声が掛かりました。
「この王都の南部のエクリプス辺境伯家の発展は聞いていますね?」
「もちろんです。ここだけでなく他国からも使者が毎日聞いてくるほどだとか」
正直その話は他国へのアピールで実際には存在しないものだと思っていました。あの非常に危険で荒廃した南部がそれほどまでに変化することなど夢物語だと。
だけど、それが現実だと教えられました。嘘か真が実際に行き確認してこいと。
「あなたには娘であるユーフォリアたちの従者候補として行かせます」
移動と当面の生活費のお金を渡されて部屋を出ます。どうしてこうなったのだろう。
「これはすごいですね~」
ユーフォリア様やリースリット様と同じように従者として推薦された人達と共に【空駆ける馬車】で南部まで移動します。その道はありえないほど整備されていて段差の振動がなく非常に快適です。
すぐさま見えたのは広大で肥沃的な穀倉地帯などです。ここの生産物などを王国に回したり南部に交易に回したりするそうです。
あっという間に領地の町に着くとありえない光景が広がっていました。大きな家や整備された道に綺麗に流れる水など文明が遥かに進んだ町に見たことがない食べ物や果物や品々が数多く並んでいました。
「辺境伯様が帰ってくるまで自由に見回りなさい。問題は起こさないように」
そう厳命されて町を見回ります。
町は広くて道も広いため人とぶつかり合うことはありません、ほとんどが人間族以外でしたが気さくに話しかける人たちばかりでここは平和なのだと思いました。世界中のどこにもここまで発展した場所はないのだから。
「お嬢ちゃん。他から来たのかい」
一軒の細工品を売っているお店の人が私を止めます。
「ええ、そうですよ」
「だったらここで何か買っていかないかい、勉強するよ」
そうして店の品々を見ると信じられないものばかりでした。
「これって金細工ですか?さすがにこれほどのものになるとお金が・・・」
断ろうとすると店員が笑いました。
「こいつは金メッキ細工さ。良く出来てるだろう」
意外な言葉が返って来ましたがかなり高度な技術で作ってあるので普通ならば値段もさほど変わりませんが値札と見ると仰天しました。
「本当にこの値段ですか?」
書いてある数字は普通に比べて10分の1ほどの値段でした。
「エクリプス辺境伯様がこの技術を生み出してくれたんだよ。生産場所は秘密だがここに来た大半は買っていくよ。贈り物としても最適だし自分が持っていても問題ないからね」
もちろん本物の金細工はもっと高度かつ繊細な分だけ値段が高いと。正直これだけの品でこの値段ならば今すぐ欲しいのですがそれだと所持金を大分使うことになります。
10分ほど悩みましたが店員に勉強してもらい買いました。懐は寂しくなりましたがこの細工品なら女として持っていて損はありません。
その後戻り領主館の客間で休むように言われます。後数日で辺境伯様が帰ってきて召抱えるかどうかテストするそうです。
「エヘへへ~」
私は買った金メッキ細工をひたすらに見ていじってます。大輪の花に二匹の小さな蝶が飛ぶ細工品で繊細かつ見栄えがとても良いのでよほど裕福でないと手に入れることは不可能です。これだけでも来た意味があるぐらいです。
そして数日たち直々にテストを受ける時間になりました。
「緊張するな~」
ある程度身なりは整えていますが普段着とさほど変わりはありません。はっきり言って実力も家格もなのもかもが違いすぎます。南部との戦争にも圧倒的不利を覆して完全勝利して今一番注目されているでしょう。勇気をつけるために買った細工品を身に付けています。分不相応と思われるかもしれませんが何となく身に付けました。
「初めまして。領主のリーヴリル・エクリプス=オギルです」
そこにいたのは理想でした。あらゆる者たちが望む理想の姿の少女。男性だと聞いていましたがどこからどう見てもそんな風には見えません。両脇にユーフォリア王女とリースリット王女がいます。私たちを従者に迎えるので同席しているのです。
「あなたの名前は?」
「は!はいっ!私は・・・」
緊張しまくりで言葉にろれつが回っていません。それを責めず終始穏やかな顔で話をしてくる辺境伯様、これでは恥ずかしいことこの上ないです。
「おや、その細工品は・・・」
私が身につけている細工品に目がいきます。普通なら持っていることが不自然ですが「なら、これがいいか」とどこか納得しています。
私のほうに布袋を渡します。
「これは!」
そこには金貨や銀貨が何十枚も入っていました。
「君のテストは『このお金を2倍にする方法』だ。すまないけど1時間以内に考えて。他にも人が多いから今この場で。発言の機会は一回だけだ。誰にも相談しないで自分の考えだけで答えて」
とんでもないテスト内容です。多少教育が良いだけの貧乏貴族の娘にそんなことを要求してくる辺境伯様。だけど、向こうは忙しい時間の中でこちらに付き合っています。相手は私たちのことなど無視してもかまわないのに王女様たちの顔を立てているのです。失敗すれば自分以外にも迷惑が掛かります。
(どうしたらいいんだろう)
はっきり言って何も思いつきません。そんなことなど頭のどこにも入ってないししたことすらありません。無理難題ですがこれがテストなのです。
時間だけが過ぎて行き汗で手がにじみます。ここで私はとっさに相手の言葉を深く考えることにしました。
(辺境伯様は『このお金を2倍にしてこい』とは言っていない。『このお金を2倍にする方法』だと言った)
天啓のようなかすかな閃きに賭けることにしました。
「このお金を王国より西部に持っていって生活します」
王女たちは「どうしてそんなことを?」という顔だ。だけど私には確信がある。
「王国より西部は遥かに開拓されています。資源が豊かなので家等の値段は格段に安く購入できるし食料なども豊富で安い。そこではこの金貨の価値は2倍以上あります。そこで生活するようにすれば金額は2倍になるでしょう。辺境伯様は『お金を2倍にするのではなくその方法』と言いました。これを2倍の数にすることは不可能ですがその価値は2倍になります」
これが私の答えだ。西部の人達から以前話を聞いていて向こうでは住まなくなった家々などが数多くあり格安で貸したり購入が出来ると話していた。
王女たちは完全に予想外の答えだったのだろう、呆然としているが辺境伯様はとても嬉しそうだ。
「ユーフォリア、リースリット。商売では安い場所で買い高い場所で売るのが基本。ならお金だってそうでしょう。彼女の答えはそれを忠実に守っているよ」
「それでは!」
「まだ王国には人材がいると思っていたけどこういう考えが出来る人は有益だね。突然目の前に出された大金を目先の欲で使わずその価値を高める方法を冷静に考えられた」
すぐさま合格を出される。
「ありがとうございます!」
これで不憫な思いはしなくてすむようになった。だけど、目の前の大金を回収しようとはしない辺境伯様。
「あの、これは」
「君ってまがりなりにも王族の一族に連なっていて男爵家の娘でしょう。わたしの領地で買った金メッキ細工は良いんだけどそんな服では相手に足元を見られちゃうよ」
だからそのお金は持って帰れと。
「でも、こんな大金返せません」
「君はユーフォリアたちの従者として応募してきたのでしょう?当然主の補佐をしなくてはいけない。だけど二人はこれから南部を始め数多くの人たちに顔を見せて付き合わないといけない仕事が山ほどある。その従者なら接客などもしなくてはいけなくなるけどその安い生地で綻びそうな服では主の傍にいるのはふさわしくない。だからそのお金で服などを揃えろって言ってるの」
確かに。それなりの服だと思うがごく一般的な生地で肌触りはよくないし見栄えも悪い。自分は武芸の類はさほど得意ではないから主に文官として働くことになるだろう。人と会うのは当然なので良い服を着ていなければ主に恥をかかせてしまう。
「賄賂といえば聞こえは悪く感じるけど身分の高い人と会うために身なりなどを揃えるのだから決して悪銭ではない。この領地には他種族の仕立師や針り子が多くいるし上等な生地や布地があるからそれで服など作ってもらって。でも、一つだけ注文を付けるね。あまり華美な服や装飾品などは却下」
「ありがとうございます!誠心誠意仕事に励みます!」
次の人がいるから部屋から出て欲しいといわれる。
「まず、報告しないといけない人がいますね」
最初に王妃様で次に実家の父と兄弟たちで身に付けている細工品を売ってくれた店の人などを考えながら手紙などを書く私は今までになく幸せでした。翌日からユーフォリア様の従者として正式に仕事が与えられます、主に領地内に来る人たちとの接待や世話役です。服装は辺境伯様からいただいたお金で服装を整えたのでそれなりに立派な姿となりました。
かなり多くの人が来るし貴族の方々も多いので緊張する毎日ですが『まだ若いことは気にせずに働け、そして経験と勉強を積んで立派に主を補佐しろ』と辺境伯様は信頼してくれますので試行錯誤の日々が続きますが給金もそれに見合う物です。今日も主のために奮闘します。
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(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
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