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リーヴリル、西部に行く2
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「エッ?もう交渉が纏まったのですか」
結局最後まで言い争いをしている王国側に西部の使者は愛想を尽かしてエクリプス家の当主であるわたしとだけ話を進めてしまったのだ。
「ふざけるな!王国を何だと思っているのだ!」
王国の貴族たちは蚊帳の外の置かれた状態のまま話が終了したことに腹を立てていたが、
「それならば西部と戦争状態になりますがよろしいのですか?ハッキリ言ってそちらだけが不利になりますよ」
これ以上揉める様ならば致し方ない決断だ。
「それは・・・」
残念ながらそんなことは出来ない。西部とはそれなりに商業で交流がありそれが止められると大打撃だからだ。満足に自給自足できない王国にとって安く大量に物資が手に入る西部は手放せないお得意様だ。もちろん軍事力でも違いがありすぎてどう考えても勝ち目がない。
さらに言うと王国の貴族家には西部との繋がりが者たちもいるし商人などにも西部から来た人達が多い。戦争状態になれば彼らから大反発が待っている。
そうなればあっという間に統治体制は崩壊して内乱になる。西部は労せずして王国とその利権であるダンジョンが手に入るのだ。
「そんなことをすればエクリプス辺境伯が黙っていないぞ!」
王らはこちらに話を振る。わたしを盾に自分たちの都合を押し付けようと考えているのだろうがそうはいかない。
「残念ですけどわたしは使者とともに西部に向かい問題点を解決しようと思います。すでに話は完全に決定されていて王らがなんと言おうと聞く耳は持ちません」
無情だが切り捨てる。現実が見えていないし私利私欲しかない人たちなどに手を貸す気は完全に無い。
「そのような判断は許さない!領地を取り上げて未来永劫罪人といて指名手配するぞ!」
「やれるものならやってみてください。そうなったら王国を更地に変えてあげますから」
王国の派閥は王らと貴族と王妃らとその戦士たちの2つだ。王らと貴族はわたしの力で支配領域を拡大したいようだが王妃たちと戦士はある程度王国が発展して自立できればそれでよいと考えている。
わたしは王妃たちの考えの方がそれなりに好きだし支配者なんてこの世でもっとも面倒なのだ。手の中に納まるうちはよいがそうならなかったときにはひたすらに面倒なだけだ。経済破綻、反乱、貧困、外交の悪化などなど上げればきりがない。この人達はそれが分かっていない。支配していいのは自分の中だけで十分で外にそれを向ければ醜い争いだけしかない。
「お前は王国の貴族だろう!」
「確かにそう呼ばれていますが民を愛し平和を手に入れ臣民を守り財産を保護する、それが貴族であり統治者でしょう」
「そのとおりですね、民を守るものが他人に責任を任せるのであってはいけません」
西部の使者たちが賛同してくれる。
「子供たちを追い払いやがって!」
「あれは害悪だから切り捨てただけです。腐った果実を放置すればどうなるか分かるでしょう」
「まったく持ってその通りです。どうして貴族とは無駄に欲が深いのでしょうか」
さらに援護射撃が飛んでくる。
「南部の利権を独占しやがって!」
「あれはわたしがすべて自分で判断したことです。文句があるならば参加すればよかったのに」
「聞いた話では王国側が勝手に責任問題にして領地などを取り上げようとしたとか。辺境伯の責任の意味が分かっているのですか」
軍事での行動で主君の言葉を待っていたら滅ぼされる危険性があるからこそ辺境伯には軍事での大きな権限が与えられているのだ。
「他に何か言いたいことがありますか?」
「・・・・・・」
彼らには言いたい事が沢山あるのだろうが西部の使者がいるので無闇な言動は出来ない、ここで自分たちが問題を起こしたら逃げ場がないからだ。ここでわたしを敵に回せばせっかく王国の発展が始まりだしたというのにそれが失われてしまう。それどころか王国滅亡の導火線が一気になくなり爆発して何もかもがなくなるだろう。
王国の全戦力を投じたとしてもわたし一人にすら勝てないのだから。王国の立場は非常に危うい、わたしがいなければ今すぐ滅んでもおかしくない。言いたいことややりたいことをしたければもっと力を持て。
「それでは王国側から派遣する使者の選別に移りたいのですが」
王妃たちに話を振る。
「そうですね。すみませんが3日後に結論を出します」
とりあえず話は纏まったので後は人選だ。さすがにわたし一人だけでは人手が足りないのでどうしても何人かは来て貰わないといけない。
そうして話をしてわたしを含めて11人で行くことになった。派閥を半々で分けているのが非常に気になるがとりあえずこれで行くことにした。
「そういうわけだから統治のほうはお願いします」
「何とかがんばります」
ユーフォリア達に連絡して西部に行くことを説明する。大規模な工事や仕事などは全て終わっているし後は細々とした雑務処理だから何とかなるだろう。仕事の経験値を出来るだけ早めに稼いでもらわないとわたしが過労死してしまう。
さらに何人かの他種族の人達にも付き添いとして来て貰う、これも円滑に交渉を進めるためだ。
それに護衛の件もあるのだ。どちらにとっても大きな話になるわけだからそれなりの人物が代表でなくてはいけないのだがユラ王妃が手を上げたのだ。
「今回の交渉は王国の興亡を左右するものになるでしょうから」
行動派だとは思っていたがまさか直々に行くことになるとは思っても見なかった。そうして話が終わったがユラ王妃がコッソリと自分の部屋に来るように促すので付いて行くことにした。
「苦労ばかりかけて申し訳ありません。崖っぷちの王国の貴族が無能ばかりで。正直滅んでもおかしくないのにこれが現実なのですよ」
部屋に入るとわたしを労わる言葉を投げかけられる。
「別にかまいませんよ。もう気にしてませんから。それよりも西部の国々とはどんなものなのですか」
先に聞くべきことを聞いておくことにした。
「西部は広大な領地と温暖な気候に加え豊かな恵み溢れた国で他種族も貴族として含まれていてそれなりに交流はあります。ですが近年は災害が相次いで起こり満足な政策を打ち出せず国力が落ち始めていると聞いています。
温和な人柄が多く戦争なども無いためやや平和ボケの感じがしますが近年は使者などは来ず交流も途絶えていました。それを向こうからいきなり使者を送ってきたということはこの国の評価を改めたということでしょう。
もっともそれはあなた一人だけですけどね。おそらく何かしらの協力を要請されることになることは確実。すみませんがその強大な力で王国の評価を上げてもらいますよ」
王国の評価、ねぇ。わたし個人の評価の間違いじゃないのかな?
「考えていることは分かりますよ。『どうせわたし一人だけで全ての問題を解決させるのだから』と」
「やっぱりわかるのですか」
「一応私もそれなりに賢いと思ってますよ。それを否定はしません。多分他の貴族はお飾りでしょうからね。問題を起こさなければそれでいいのです。今回の目的はあなたという存在を強烈に内外に示すことが本命ですからね」
「その結果引き抜こうとしたら?」
何かしらの条件で釣り上げようとするかもしれない。
「そうなると打つ手が何もないですね。まぁ、あなたは領地の他種族ごと亡命すればいいだけですがこちらとしてもそれを指をくわえて見ているだけなんてしませんが。話し合いの中でそういう雰囲気になったらなんとしてでも引き止めますから」
後は西部の貴族や有力者からあなたの妻候補を何人か見つけないといけませんね、などと。
「どうしてもやらないとダメ?」
「当然です。あなたは貴族というものが少しばかり知識が足りませんね。血縁関係は重要ですし派閥の繋がりも強いのです。特にあなたは一代でいきなり辺境伯になりましたから西部との関係を深めるためにこちらの主導で伴侶を見つけなくてはアッサリと力関係が変わってしまいます」
それよりも早く娘たちに手を出して関係を深め合えと念押しされる。まだ10歳なのにどうしろ言うのだろうか?彼女達にはそれなりに愛を与えているがそれでも足りないと言われてしまう、貴族というものがあまりよく分かっていないわたしだった。
結局最後まで言い争いをしている王国側に西部の使者は愛想を尽かしてエクリプス家の当主であるわたしとだけ話を進めてしまったのだ。
「ふざけるな!王国を何だと思っているのだ!」
王国の貴族たちは蚊帳の外の置かれた状態のまま話が終了したことに腹を立てていたが、
「それならば西部と戦争状態になりますがよろしいのですか?ハッキリ言ってそちらだけが不利になりますよ」
これ以上揉める様ならば致し方ない決断だ。
「それは・・・」
残念ながらそんなことは出来ない。西部とはそれなりに商業で交流がありそれが止められると大打撃だからだ。満足に自給自足できない王国にとって安く大量に物資が手に入る西部は手放せないお得意様だ。もちろん軍事力でも違いがありすぎてどう考えても勝ち目がない。
さらに言うと王国の貴族家には西部との繋がりが者たちもいるし商人などにも西部から来た人達が多い。戦争状態になれば彼らから大反発が待っている。
そうなればあっという間に統治体制は崩壊して内乱になる。西部は労せずして王国とその利権であるダンジョンが手に入るのだ。
「そんなことをすればエクリプス辺境伯が黙っていないぞ!」
王らはこちらに話を振る。わたしを盾に自分たちの都合を押し付けようと考えているのだろうがそうはいかない。
「残念ですけどわたしは使者とともに西部に向かい問題点を解決しようと思います。すでに話は完全に決定されていて王らがなんと言おうと聞く耳は持ちません」
無情だが切り捨てる。現実が見えていないし私利私欲しかない人たちなどに手を貸す気は完全に無い。
「そのような判断は許さない!領地を取り上げて未来永劫罪人といて指名手配するぞ!」
「やれるものならやってみてください。そうなったら王国を更地に変えてあげますから」
王国の派閥は王らと貴族と王妃らとその戦士たちの2つだ。王らと貴族はわたしの力で支配領域を拡大したいようだが王妃たちと戦士はある程度王国が発展して自立できればそれでよいと考えている。
わたしは王妃たちの考えの方がそれなりに好きだし支配者なんてこの世でもっとも面倒なのだ。手の中に納まるうちはよいがそうならなかったときにはひたすらに面倒なだけだ。経済破綻、反乱、貧困、外交の悪化などなど上げればきりがない。この人達はそれが分かっていない。支配していいのは自分の中だけで十分で外にそれを向ければ醜い争いだけしかない。
「お前は王国の貴族だろう!」
「確かにそう呼ばれていますが民を愛し平和を手に入れ臣民を守り財産を保護する、それが貴族であり統治者でしょう」
「そのとおりですね、民を守るものが他人に責任を任せるのであってはいけません」
西部の使者たちが賛同してくれる。
「子供たちを追い払いやがって!」
「あれは害悪だから切り捨てただけです。腐った果実を放置すればどうなるか分かるでしょう」
「まったく持ってその通りです。どうして貴族とは無駄に欲が深いのでしょうか」
さらに援護射撃が飛んでくる。
「南部の利権を独占しやがって!」
「あれはわたしがすべて自分で判断したことです。文句があるならば参加すればよかったのに」
「聞いた話では王国側が勝手に責任問題にして領地などを取り上げようとしたとか。辺境伯の責任の意味が分かっているのですか」
軍事での行動で主君の言葉を待っていたら滅ぼされる危険性があるからこそ辺境伯には軍事での大きな権限が与えられているのだ。
「他に何か言いたいことがありますか?」
「・・・・・・」
彼らには言いたい事が沢山あるのだろうが西部の使者がいるので無闇な言動は出来ない、ここで自分たちが問題を起こしたら逃げ場がないからだ。ここでわたしを敵に回せばせっかく王国の発展が始まりだしたというのにそれが失われてしまう。それどころか王国滅亡の導火線が一気になくなり爆発して何もかもがなくなるだろう。
王国の全戦力を投じたとしてもわたし一人にすら勝てないのだから。王国の立場は非常に危うい、わたしがいなければ今すぐ滅んでもおかしくない。言いたいことややりたいことをしたければもっと力を持て。
「それでは王国側から派遣する使者の選別に移りたいのですが」
王妃たちに話を振る。
「そうですね。すみませんが3日後に結論を出します」
とりあえず話は纏まったので後は人選だ。さすがにわたし一人だけでは人手が足りないのでどうしても何人かは来て貰わないといけない。
そうして話をしてわたしを含めて11人で行くことになった。派閥を半々で分けているのが非常に気になるがとりあえずこれで行くことにした。
「そういうわけだから統治のほうはお願いします」
「何とかがんばります」
ユーフォリア達に連絡して西部に行くことを説明する。大規模な工事や仕事などは全て終わっているし後は細々とした雑務処理だから何とかなるだろう。仕事の経験値を出来るだけ早めに稼いでもらわないとわたしが過労死してしまう。
さらに何人かの他種族の人達にも付き添いとして来て貰う、これも円滑に交渉を進めるためだ。
それに護衛の件もあるのだ。どちらにとっても大きな話になるわけだからそれなりの人物が代表でなくてはいけないのだがユラ王妃が手を上げたのだ。
「今回の交渉は王国の興亡を左右するものになるでしょうから」
行動派だとは思っていたがまさか直々に行くことになるとは思っても見なかった。そうして話が終わったがユラ王妃がコッソリと自分の部屋に来るように促すので付いて行くことにした。
「苦労ばかりかけて申し訳ありません。崖っぷちの王国の貴族が無能ばかりで。正直滅んでもおかしくないのにこれが現実なのですよ」
部屋に入るとわたしを労わる言葉を投げかけられる。
「別にかまいませんよ。もう気にしてませんから。それよりも西部の国々とはどんなものなのですか」
先に聞くべきことを聞いておくことにした。
「西部は広大な領地と温暖な気候に加え豊かな恵み溢れた国で他種族も貴族として含まれていてそれなりに交流はあります。ですが近年は災害が相次いで起こり満足な政策を打ち出せず国力が落ち始めていると聞いています。
温和な人柄が多く戦争なども無いためやや平和ボケの感じがしますが近年は使者などは来ず交流も途絶えていました。それを向こうからいきなり使者を送ってきたということはこの国の評価を改めたということでしょう。
もっともそれはあなた一人だけですけどね。おそらく何かしらの協力を要請されることになることは確実。すみませんがその強大な力で王国の評価を上げてもらいますよ」
王国の評価、ねぇ。わたし個人の評価の間違いじゃないのかな?
「考えていることは分かりますよ。『どうせわたし一人だけで全ての問題を解決させるのだから』と」
「やっぱりわかるのですか」
「一応私もそれなりに賢いと思ってますよ。それを否定はしません。多分他の貴族はお飾りでしょうからね。問題を起こさなければそれでいいのです。今回の目的はあなたという存在を強烈に内外に示すことが本命ですからね」
「その結果引き抜こうとしたら?」
何かしらの条件で釣り上げようとするかもしれない。
「そうなると打つ手が何もないですね。まぁ、あなたは領地の他種族ごと亡命すればいいだけですがこちらとしてもそれを指をくわえて見ているだけなんてしませんが。話し合いの中でそういう雰囲気になったらなんとしてでも引き止めますから」
後は西部の貴族や有力者からあなたの妻候補を何人か見つけないといけませんね、などと。
「どうしてもやらないとダメ?」
「当然です。あなたは貴族というものが少しばかり知識が足りませんね。血縁関係は重要ですし派閥の繋がりも強いのです。特にあなたは一代でいきなり辺境伯になりましたから西部との関係を深めるためにこちらの主導で伴侶を見つけなくてはアッサリと力関係が変わってしまいます」
それよりも早く娘たちに手を出して関係を深め合えと念押しされる。まだ10歳なのにどうしろ言うのだろうか?彼女達にはそれなりに愛を与えているがそれでも足りないと言われてしまう、貴族というものがあまりよく分かっていないわたしだった。
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(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
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