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影の仕事
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「クソッ!なんなんだこいつらは!」
暗殺団の一人がぼやく。普段は盗賊として活動しているが本業は殺し屋集団『ポイズンスネーク』として依頼を受けていた。今回受けた依頼はアカツキ家の領地の住人などの暗殺だ。さきに他の連中に病気を蔓延させてそこに神官らを送り込んで恩を売り逆らうようなら殺すという簡単な依頼のはずだった。
「ギャァ~!」
また一人仲間が始末される。町に乗り込むと全ての住人が休んでいて先に乗り込んだ神官らの姿が見えなかった。だが、いようがいまいが『皆殺しにしろ』と命令されていたので闇から闇に隠れて始末すればいいだけだ。病気の影響で満足に動けない相手なので簡単に始末できる・・・はずだった。
ところが毒塗りの刃を持って近づこうとした一人がどこからともなく刃で心臓を串刺しにされた。暗殺術に長けた自分らでも気配が分からずどこから刃が突き出たかさえ分からなかった。しかもそれは一度だけではなく散らばった仲間が次々と何も出来ずに始末されていく。
あっという間に50人以上の仲間が始末されその死体も闇の中に取り込まれて消えていき住民たちも気が付かないまま処理される。これは間違いなく自分たち以外の暗殺者が入り込んでいると思ったがその相手がわからない。
仲間たちとともに連携を組んで警戒するがそれすらも無意味だった。
ある一人は四方八方からの刃で串刺しにされ、ある一人はいきなり首を跳ね飛ばされ、ある一人は闇の中に引きずり込まれていった。
「相手は闇属性を使っている!光属性で打ち消せ!」
すぐさま周囲を照らし出すが人の姿はなくあったのは町並みと自分たちだけだ。
「どうなってるんだ?」
すると魔法を使った仲間の一人が突然飛来した飛び道具で始末される。何本もの刃で串刺しにされたその刃は水晶よりも透明で出来ておりこれでは見えるはずがない。それがそこらじゅうから数え切れないほど飛んできて仲間達がなすすべもなく殺されていく。
闇属性を使うから光属性で打ち消したのにそれですらも発見できない殺しの業。完全に格上の殺し屋の技だ。もはや勝ち目がないと判断した。殺し屋家業では引き際を間違えば死ぬだけだ。退路などは確保していてそれに全員乗るが、
「何だこれは!身動きができねぇ!」
突然体が非常に重くなり身動きが出来なくなる。出来るのは這い蹲って動くことだけだ。そこに先ほどの見えない刃を無数に投げ込まれてなすすべなく殺されていく。自分を含む頭目ら数人は何とかそれを掻い潜り出口まで辿り着くが、
「初めましてこんばんわ」
そこには完全に場違いな美少女がいた。深い闇に溶け込むような黒い髪に青と黒の斬新な服装、可憐で愛らしい声、まるで理想の中から出てきたような存在。それが逆に恐ろしかった。
「わたしの殺し屋たちの力と技術、楽しんでもらえましたか?」
この言葉でハッキリと分かってしまった。自分らはとんでもない相手に噛み付いたのだと。
「ここまで辿り着いたのは良いのですが他に生存者がいませんね。まぁ、その方が都合がいいのですけど」
ニコリと笑顔。
「とりあえず知っている情報を洗いざらい喋ってもらいましょうか。心配する必要はありませんよ、実に楽しい状態になりますしその後の事も心配要りませんから」
「俺たち殺し屋が依頼主のことなど話すと思うのか?」
その答えにほんの少し考え込む美少女。
「人間って捕まえてしまえば色々出来ますよ。物で懐柔も出来ますしダメならちょ~っと危険なお薬などを使うことになりますが。まぁ、死ぬことはないので安心してください」
仲間の一人を立ち上がらせて何か瓶の中身を無理矢理飲ませられる。
「なんだこれは?」
「これはですね『痛みを無くす薬』です。効果はすごいですよ、こんなことをしたって平気なぐらいですから」
するとどこからともなく剣を取り出し両足を膝より下のあたりで一振りで切断する。両腕も肘より下のあたりで切り落とす。
「あ、あれ?」
「痛くないでしょう?ちなみに人間は血液の4分の1を失えば気絶して3分の1以下になると出血死します。目の前でそれを確認してもらいましょうか。ちなみに死ぬまで意識を保つように魔法で手助けしてあります。あ、こんなことをしても意識が保ったままですよ」
刃を腹などに突き刺すがそれでもなお平然としていられる異常な状態、内臓が飛び出てもなお痛みを感じず死ねないという残酷さ。
「や、やだ!助けてくれ!」
このまま死ぬまで放置するらしい。傷を塞ごうにも魔法で拘束され両手両足がないので何も出来ない。そいつを放置してこちらに向き直る。
「知っている情報を洗いざらい話すならここでは殺さないことにします。どうしますか?」
「ここでは?」
「残念ですが依頼主に事情を説明するためにはある程度の人数は生かしておかないといけないのです。そちらの方に処理をお願いも出来ますが中々生きた人間を実験台にするのは難しいので。わたしにはそんな密かな楽しみがあるのです」
「ぜんぜん密かじゃないだろ!」
反論するがただ口を動かすことさえキツい。
「ここであなたたちを殺しても追加が来そうにないですね。あと2人だけ実験台にして我慢しますか」
どこからともなく何本もの瓶を取り出すが非常に怪しい色をしていた。
「アップ系やダウン系だけでなくパニック系やポイズン系など色々あります。さて、どんな風に変貌してくれるのか実に楽しみです」
自分の発言が危険なのは承知していて多少高揚している。あんまりこういうことはやりたくないのだがこうでもしなければ病気に感染した人たちの不幸とは釣り合いが取れないのだと自分に言い聞かせる。彼らはそうして新薬や拷問の実験材料になってしまった二人の目撃者兼証人になった。二人の犠牲者は狂気を起こしたようなほどに変貌してしまいもはやまともには生きていけないだろう。次々と飲まされる薬のたびに奇怪な行動をする姿を間近に見て自殺したほうがマシだと生き残った全員が思った。
暗殺団の一人がぼやく。普段は盗賊として活動しているが本業は殺し屋集団『ポイズンスネーク』として依頼を受けていた。今回受けた依頼はアカツキ家の領地の住人などの暗殺だ。さきに他の連中に病気を蔓延させてそこに神官らを送り込んで恩を売り逆らうようなら殺すという簡単な依頼のはずだった。
「ギャァ~!」
また一人仲間が始末される。町に乗り込むと全ての住人が休んでいて先に乗り込んだ神官らの姿が見えなかった。だが、いようがいまいが『皆殺しにしろ』と命令されていたので闇から闇に隠れて始末すればいいだけだ。病気の影響で満足に動けない相手なので簡単に始末できる・・・はずだった。
ところが毒塗りの刃を持って近づこうとした一人がどこからともなく刃で心臓を串刺しにされた。暗殺術に長けた自分らでも気配が分からずどこから刃が突き出たかさえ分からなかった。しかもそれは一度だけではなく散らばった仲間が次々と何も出来ずに始末されていく。
あっという間に50人以上の仲間が始末されその死体も闇の中に取り込まれて消えていき住民たちも気が付かないまま処理される。これは間違いなく自分たち以外の暗殺者が入り込んでいると思ったがその相手がわからない。
仲間たちとともに連携を組んで警戒するがそれすらも無意味だった。
ある一人は四方八方からの刃で串刺しにされ、ある一人はいきなり首を跳ね飛ばされ、ある一人は闇の中に引きずり込まれていった。
「相手は闇属性を使っている!光属性で打ち消せ!」
すぐさま周囲を照らし出すが人の姿はなくあったのは町並みと自分たちだけだ。
「どうなってるんだ?」
すると魔法を使った仲間の一人が突然飛来した飛び道具で始末される。何本もの刃で串刺しにされたその刃は水晶よりも透明で出来ておりこれでは見えるはずがない。それがそこらじゅうから数え切れないほど飛んできて仲間達がなすすべもなく殺されていく。
闇属性を使うから光属性で打ち消したのにそれですらも発見できない殺しの業。完全に格上の殺し屋の技だ。もはや勝ち目がないと判断した。殺し屋家業では引き際を間違えば死ぬだけだ。退路などは確保していてそれに全員乗るが、
「何だこれは!身動きができねぇ!」
突然体が非常に重くなり身動きが出来なくなる。出来るのは這い蹲って動くことだけだ。そこに先ほどの見えない刃を無数に投げ込まれてなすすべなく殺されていく。自分を含む頭目ら数人は何とかそれを掻い潜り出口まで辿り着くが、
「初めましてこんばんわ」
そこには完全に場違いな美少女がいた。深い闇に溶け込むような黒い髪に青と黒の斬新な服装、可憐で愛らしい声、まるで理想の中から出てきたような存在。それが逆に恐ろしかった。
「わたしの殺し屋たちの力と技術、楽しんでもらえましたか?」
この言葉でハッキリと分かってしまった。自分らはとんでもない相手に噛み付いたのだと。
「ここまで辿り着いたのは良いのですが他に生存者がいませんね。まぁ、その方が都合がいいのですけど」
ニコリと笑顔。
「とりあえず知っている情報を洗いざらい喋ってもらいましょうか。心配する必要はありませんよ、実に楽しい状態になりますしその後の事も心配要りませんから」
「俺たち殺し屋が依頼主のことなど話すと思うのか?」
その答えにほんの少し考え込む美少女。
「人間って捕まえてしまえば色々出来ますよ。物で懐柔も出来ますしダメならちょ~っと危険なお薬などを使うことになりますが。まぁ、死ぬことはないので安心してください」
仲間の一人を立ち上がらせて何か瓶の中身を無理矢理飲ませられる。
「なんだこれは?」
「これはですね『痛みを無くす薬』です。効果はすごいですよ、こんなことをしたって平気なぐらいですから」
するとどこからともなく剣を取り出し両足を膝より下のあたりで一振りで切断する。両腕も肘より下のあたりで切り落とす。
「あ、あれ?」
「痛くないでしょう?ちなみに人間は血液の4分の1を失えば気絶して3分の1以下になると出血死します。目の前でそれを確認してもらいましょうか。ちなみに死ぬまで意識を保つように魔法で手助けしてあります。あ、こんなことをしても意識が保ったままですよ」
刃を腹などに突き刺すがそれでもなお平然としていられる異常な状態、内臓が飛び出てもなお痛みを感じず死ねないという残酷さ。
「や、やだ!助けてくれ!」
このまま死ぬまで放置するらしい。傷を塞ごうにも魔法で拘束され両手両足がないので何も出来ない。そいつを放置してこちらに向き直る。
「知っている情報を洗いざらい話すならここでは殺さないことにします。どうしますか?」
「ここでは?」
「残念ですが依頼主に事情を説明するためにはある程度の人数は生かしておかないといけないのです。そちらの方に処理をお願いも出来ますが中々生きた人間を実験台にするのは難しいので。わたしにはそんな密かな楽しみがあるのです」
「ぜんぜん密かじゃないだろ!」
反論するがただ口を動かすことさえキツい。
「ここであなたたちを殺しても追加が来そうにないですね。あと2人だけ実験台にして我慢しますか」
どこからともなく何本もの瓶を取り出すが非常に怪しい色をしていた。
「アップ系やダウン系だけでなくパニック系やポイズン系など色々あります。さて、どんな風に変貌してくれるのか実に楽しみです」
自分の発言が危険なのは承知していて多少高揚している。あんまりこういうことはやりたくないのだがこうでもしなければ病気に感染した人たちの不幸とは釣り合いが取れないのだと自分に言い聞かせる。彼らはそうして新薬や拷問の実験材料になってしまった二人の目撃者兼証人になった。二人の犠牲者は狂気を起こしたようなほどに変貌してしまいもはやまともには生きていけないだろう。次々と飲まされる薬のたびに奇怪な行動をする姿を間近に見て自殺したほうがマシだと生き残った全員が思った。
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