オヤジが生まれ変わって?系救世主

無謀突撃娘

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ダンジョンと関わることにする5

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「【隠蔽】でいつまで隠れているの強盗さん?」

 突然のことに少し混乱する。今は夕暮れで少し暗くなり始めている。周囲には誰もいないが、

「王国のほうから雇われたのか南部から来たのか分からないけどここではそういう無法は許さないから」

 すると突然何本もの矢が飛んでくる。

「【防壁の風】」

 リダラさんがすぐさま魔法で防いでくれるが男たちが数人がかりで押さえつける。

「リダラさん!」

「おっと、動くなよぉ。動くとこの女がどうなるか保障しないぞ」

「・・・」

リダラさんは動こうとしないのがおかしい?あれだけの実力があれば簡単に振りほどけるはずなのに?

「へへっ、美人さんよぉ、えらく理解が早いな」

「・・・どうしてランダムに脱出場所を設定しておいたのにあなた達の様な輩が現れるか理解できましたから」

 そう言うと男の懐から何か人形のような物が出される。

「【サーチトークン】って言うレアマジックアイテムさ。これさえあれば印をつけた人間がどこにいるのかすぐに分かる優れ物さ!この女らが最近稼いでるから印を付けておいたのが正解だったぜ」

 そうして私達にアイテムを全て渡すように脅迫してくる。

「嫌です!あなた達の様な奴らに渡すものなど一つもありません!」

「そう邪険にするなよぉ、こうすればいいかなぁ」

 そうしてリダラさんの胸元をナイフで引き裂く。

「キャッ!」

「ヘヘッ、こんな女が付いてくるとは非常に役得だ、アジトに帰ったら楽しませてやるよ!」

 下卑た男達に屈服する直前、

「【アイテムロスト】サーチトークンを実行」

 男が握っていた人形が跡形も無く砕け散る。

「な、なんだ!どうなってる!」

 突然のことにうろたえはじめる男達。

「この世界における同アイテムおよび類似品は全てロストした、もう二度と使用不可能にしたし再生する知識も技術も抹消されたから安心して」

満面の笑み。

「この女、何てことをして、グワッ!」

 すぐさま体を拘束していた全員を纏めて振りほどく。

「わたしは幻想そのものにして主たる者【幻想魔法】!」

 すると一面に花びらがいくらでも降り注ぎ甘い香りがしてくる。男らはその香りを嗅ぐと放心状態になり、

「さてと、こいつらの始末は王国に任せるかな」

 そうして男達は全員警備隊の場所まで行くことになる。彼らは今までの悪事を全て白状した後正気に戻ると全員牢屋にいたということになった。

「ごめんね、こんな面倒なことになって」

「そ、それはよろしいのですが、その、あの」

 服の胸元がほぼ完全にあらわなのはどうなのかと。

「あぁ、そっか」

 ちょっと胸元を触ると元通りになっていました、どういう素材なのだろうか?

「説明すると長くなるから先にアイテムなどを換金してしまおうか」

 そうして換金して翌日、

「聞きたいことがあるのでしょう」
 
 そうして強盗団をほぼ全て捕縛して説明がされる。

「もうすでに感づいてうと思うけどわたしの本当の名前はリーヴリルだよ、騙しててごめんね」

「い、いえ、とんでもない!こちらこそ色々お世話になり感謝しています!」

 話を聞くと王国ギルド本部から冒険者の中に盗賊や強盗などが出入りし始め恐喝行為などが問題とならないように監視して欲しいとの依頼内容だった。ランクは依頼をこなしていないので最低だがエクリプス辺境伯様の能力評価は非常に高い。なので身分を隠して冒険者らと交流して問題の迅速な処理を極秘裏に任されているそうだ。あまりに有名で外観も完全にばれているので魔法で姿を誤魔化してダンジョンを見て回っていた時に出会ったのだ。

「幸か不幸か完全に初心者だったからちょっと手を貸してあげたの」

 下手に知識や経験を持っているよりは扱いやすいと判断したそうだ。

「このことは秘密だから魔法でロックを掛けておくね、これで他人からどうされても言えないから」

 特に変化は無かったが。

「まいったなぁ、せっかく交流し始めたのにこれじゃどうしようもない。まだまだ一人で頑張るしかないのかぁ」

 どうやら殆ど一人でやっているので手が回らないらしい。

「別に問題などありませんよ、今後とも私達のパーティにいれば良いだけなのですから」

 本当は男性だが別に嫌う理由にはならないし辺境伯様の能力や性格なら手放す方がおかしいだろう。そうしてリダラの姿のままで私達のパーティに正式に入る。

「わたしの能力ではどんなダンジョンでも敵無しかも思うかもしれないけど基本的にダンジョンにいる間はダンジョンマスターが設定したルールに従っているから、戦闘経験も積めるし」

 例外は認めないそうだ。そうして依頼をこなしてダンジョンに潜る日々が続いていく。

「鍵付きの宝箱だ。まかせるね」

 今日もせっせと真面目にダンジョンに潜っている。あれからダンジョンと毎日格闘している。敵は格段に私達の上だがダンジョンにいる間は格上の相手とも戦闘訓練が積めるので非常に助かるが自力は出てしまうと元に戻るのでエクリプス辺境伯様の訓練所で訓練する日々とを繰り返す。

「ふぅ」

 3人とも汗だくになるほど訓練をこなした。

「「「お風呂だお風呂だ~」」」

 全員一致で大浴場の風呂に入る、ここでは24時間いつでも風呂に入れる場所がある。そうして汗と疲れを流し終わってから、

「「「「この子らは誰なの?」」」」

 ユーフォリア様とリースリット様とシャナ様とステラ様が全員一致で聞いてきた。どうやら私達という女がいながらほかに手を出したことが許せないらしい。女の嫉妬は地獄まで一直線だ。

「何か勘違いしてるようだけど彼女らは冒険者として活動しているときの仲間だよ、まだ婚約すら確約してないのにどうして激しく怒るの?別に肉体関係があるわけでもないのに?わたしがいつあなた達に横暴な行動や発言をしたわけでもないのに?わたしはいつでも言ってるはずだよ『男として誰よりも大きなことを考え成す』と、これもその一部、切ろうと思えば切れるのだから不満なんて言われる筋合いがないはずだけど」

 彼女らの反論を力ずくで押さえ込みます。

「そ、それは」

「そのとうりだけど」

「しかしこれは」

「どうしたものなのか」

 全員しどろもどろです。

「「「「私達という女がいれば十分なはずですが!」」」

「ようするに男として不切実だと言いたいのね、じゃあ、関係を完全に断ち切るから別れて」

 問答無用で断言する。彼女らは莫大な恩恵を受けているので発言力が非常に強いがそれもエクリプス辺境伯様の将来の伴侶という肩書きがあればなのだ。

「「「「そんなことは絶対にできません!仲良くしますから追い出さないでください!!」」」」

 完全に彼女達を手の中に納めているのでどのようにしようと思うがままなのでしょう。彼女たちの方が折れて今後はこの都市を拠点に活動できるように取り計らってくれるそうです。

「わたしは男尊女卑を押し付けてるわけじゃないし入ってこようが出て行こうが別に気にしないし無法者や愚か者にはきちんと罰を与えているし利益供与もきちんとしている。それは今後誰が現れようと変化しないし先に出会った分だけ信頼し優遇してるし援助もしている。それをたかが女が数人近づいただけで疑うなんてわたしはそんなに優柔不断な評価なの?甘い言葉や条件なんていくらでも出てきてるのに跳ね付けてるしそもそも・・・」

 口うるさく説教を続ける辺境伯様、彼女らは全員正座状態です。王国にも領地の民にも南部にも莫大な利益を与えているので逆らうことなどできないし王妃様らも彼に実権を早く握って欲しいのでしょう。多少不満が出てもアッサリ覆せる自信があるのだから女らがどう騒ごうと問題ではない。当面は冒険者仲間だが秘密を知っているので今後どうなるか期待することにします。
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