オヤジが生まれ変わって?系救世主

無謀突撃娘

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オヤジは死にました

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 自分のあだ名は『オヤジ』

 まあどこにでもいる平凡かつ見栄えのない45歳の親父です。職業、学者なのですが図書館の臨時館長やっとりまして本を読むのが好きなだけです。

 ただの親父です、それだけが取り柄の男です。

 実は何とかの武道の師範代とかをやっておりましてそれなりに強かったと思います、あと思い立ったが吉日とばかりに世界を放浪したりしました。最近落ち着いてまあ今に至ります。

流派は実戦本位の何たらかんたらがモットーで本身の武器を振るって戦うことも。あとは料理などは自分で作ってたぐらい。

 今日死にました、理由は心臓麻痺だとか。

 なにせ図書館に一人しかいない時におきたので発見が遅れてそのままご臨終いたしました。家族とかほとんどいなかったので身内での葬儀でさっさと終わりました。葬儀は道場のやら図書館の知り合いがしてくれました。

 後悔がなかったわけではない、どうせなら美人の奥さんが欲しいとかすこし裕福な生活がしたかったとか、そんな感じくらい。どうせ無駄に本を読むか稽古しかなかった自分はそんなに優れているとは思ってなかったから。

 幽霊のように自分の葬儀を眺めていた。そのうち冥府からの使いとかがくるのかと思っていたがぜんぜんこないし。のほほんとしてたら鬼らしい? のが現れて冥府に来いと脅された。

 空に旅立ち冥界にはいり三途の川を渡り閻魔王とかいう人物に合わされた、閻魔は閻魔らしい人物像だった。

「オヤジよ」

「なんですか? 転生させるとかそういうのだったらさっさとしてくれませんか? 別に地獄で修行して来いとかでもいいですけど、あんま興味ないんですよね」

 閻魔王に向かって平然と言える自分が面白かった。一応自分には名前があったのだがここでもオヤジと言われてしまう。鬼たちが棍棒を振ろうとするの閻魔王が抑えて。
「残念ながらそなたは極楽にも地獄にも行かぬ、行くのは異世界じゃよ」

 はぁ? ぽかんとするのを見て閻魔王が。

「実はのうそなたはこちらの間違いで死んでしまったのじゃよ」

「どういうこと?」
「そなたは本来ならあと六十年先で死ぬことになっておったのじゃ、本来ならその間の功績によって極楽に行く予定だったのだが突然の事態が起こり死因の心臓麻痺は助かって終わるはずだったのだが手配が遅れての、そのまま死んでしまったのじゃ。
 寿命を全うせずに死んでしまったのですぐに転生してもらうのだがこちらの不手際があるのである程度自由に転生できる条件を用意した、何か希望があればきくが異世界に転生するということだけは変えられぬ。どうじゃ?」

 ふむ、異世界か。それにしてもあと60年も生きるとは長生きだなと思いながら本の中で見るような世界もあるんだろうか? もしいけるとしたらこんな世界がいいだろうと思い聞いてみることにした。

「剣と魔法のファンタジーな世界にいきたい、ある程度裕福な家に生まれて多少の才能があればいいかなぁ~」

「ずいぶんと平凡な条件じゃの、もっと、こう突出した才能だとか財産だとかに興味はないのか?」
「人ってものはあまりに突出しすぎてるとおかしくなるもんなんだよ。う~ん、そうだなぁ現実世界の記憶や知識を持ったまま転生することって出来るの?」

「それは可能じゃがどうしてだ?」

 閻魔王が興味深げにたずねてくる。特に興味がなかったが気がかりなことがあったからだ。

「気にするほどでもなかったけど昔からよく女の人を相手にしなかったから悲しんだ人もいるだろうからその償いをしたい」

 いろいろ誘われたが古風だったためすべて断ってきた、たぶんそのことが捨て切れなかったのだ。

「ふむ、わかった。ではリア・ヴァルダナーダという異世界にいってもらおう」
これが才能表だといって本を渡された。この本にチェックを入れることで先天的な才能を選べということらしい。

「転生するまでの時間はこの冥府で10日じゃ、それまでゆっくりして才能を選んでおくがよい」

 配下の鬼に命じて別の部屋に移動するように促される、数分歩くと部屋の一室に案内され「ゆっくりとなさってください」といわれる。部屋にはベットと机と椅子しかない簡素なもので飾り一つない。

 とりあえず渡された本を机に置き椅子に座って見ると才能表には『最上級』から始まり『最下位』とまで書かれた才能が書かれていてこれが先天的な素質になるのだろう、とりあえずバーツと名前だけ流し見てみて目に止まったものを詳しく見ることにした。

 上のほうから確認すると『カリスマ』や『大軍統率』や『湧き出る知恵』などがありこれは実際に生きた世界では英雄などに該当する才能に当たるのだろう、それ以外にも『精霊の加護』や『天運』などもあった。

 それから見始めて『鍛冶師』『工芸師』『錬金術』『調理師』などもあった、異世界でのポピュラーな職業なのだろう、それ以外にも『経験値増加』や『スキル効果上昇』などなどがあり、それからは先はごくごく当たり前の『計算知識』『道徳』など一般社会における法の知識などなど。

 才能っていっても結構な数がありどれか一つだけではないのだと思った、ごく当たり前のものでもほかの世界からみれば立派な才能なのだと考えてみる。

 などと考えてみるとけっこう大変なんだと思いつつ一日目を本を読むことだけに費やしたのだった。
 
 2日目は才能の効果について詳しく見てみることに使った。実際の才能を効率よく使うためにはほかの才能による補完が必要であると思ったからだ。 

 実際に武器や防具を作っても商才がなければ売れないし指揮官系の才能などもほかの才能による補助がなければうまく軍を動かすことが出来ないだろう。そう考えると何か中核的な才能を選び穴をほかの才能で埋めるのが効率的だと思ったが疑問が生まれてた。

(才能や職業に選択できる制限はあるのだろうか?)

 よく考えると選択できるのに制限があるのが当たり前である、いろんなことを何でも万能に出来るほど人は強くも賢くもない、職を決めてその道を歩んでいくことで得られることもあるのだから。

 なもんで閻魔王にそのことを聞きに行くことにした、閻魔王は冥府にやってくる魂たちを忙しそうに裁いていた。自分がやってきたことに気が付いた閻魔王は「しばし待たれよ」と、いったのでしばらく待つことにした。

 やがてやってくる魂の流れがひと段落したしたので閻魔王がこちらにちかづくように促す。
「おお、オヤジどの、どうじゃな冥府は。本来ならそれなりにもてなすのだがそなたは特例の転生待ちなので出来る限り不自由しないようにしているのだがどうじゃな?」

 ニコリと笑う閻魔王。どうもオヤジとしか呼ばれないことに違和感があるけど。

「じつは転生するにあたってお聞きしたいことがあるのですが?」

 自分はそこで転生先の職業や才能の位置付けや効果、選択肢がどれくらいに及ぶかなどを質問した。
「・・・・・・ふむぅ、そのことか」

 閻魔が髭をなでながらうなづく。

「そのことについては現実世界のゲームのようなものじゃな、そなたはしたことはないのか?」
「まったく」

 目が悪くなるとか、頭がボケるなどの理由からそういった関連の知識がない。
「それなら才能を選んだときにぼんやりとだが出来ることが頭に浮かんでくるぞ、あとそなたには転生に際してかなりの優遇が取られているのでかなりの才能が選べるはずじゃ。まぁ、あの本だけでもとてつもない数の才能があるので選びきれぬかと思うが。あと複数の才能を選ぶと上位才能と呼ばれるものが現れることがある、特別な組み合わせのものもあるし別の道の才能と組み合わせて使うものもある、鍛冶師と拵え師と商人を組み合わせると『武具製造商人』になるとかじゃな、その才能をさらに組み合わせてまったく新しい才能にすることも出来るぞ。才能は先天的なものじゃけどあとから覚えることも出来るものもあるし出来ないものもある。気がねせず思う存分選んでもらいたい!」

「そうですか、わかりました」

 急がしいところをありがとうございました、そういって部屋にもどる。その日はどんな才能を組み合わせればどんな才能に変化するのかをワクワクしながら考えることにした
 
 3日目は実際に考えたものが実際に使えるのかどうかを確かめる。才能の選択に試しにチェックを入れてみて実際になるのかどうか試してみた
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
 時間を忘れて没頭してその日が終わった、その結果は7割くらいの才能がOKで残りはボツという結果だった。

 才能の変化は閻魔王が言ったとうりで複数の才能の組み合わせでより効果の高い才能が現れさらにその才能を組み合わせるとさらに上位の才能に変化することも確認できた。また、才能によってはどちらに進むかなども現れてどちらに進むかの選択も出てきたどちらにも有利な面があり悩ませる問題だった。

 かなり奇抜な組み合わせもあり効果が高い反面デメリットも生まれる才能も存在しそれをどう補うのか考えるのが楽しくて仕方なかった。

 これだけいろいろ選べるなら思いっきりすごい才能を創ってみようと思い眠りについた。
 
 4日目は才能の選択数がどれくらいに出来るのかを確認することにした。ゲームで言うところによるポイントの振り分けである。

 選択の自由が広いといっていたがどれだけ選べるのかなかったので限界までチェックを入れてみることにした、とりあえず上のほうからチェックを入れてみてどれだけ選べるのか試してみることにした
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
 結果は組み合わせにかかわらず315までだった、普通に2つか3つだけでもかなりの天才になるがここまでとは思わなかった。どうやら本来の寿命の3倍数が最大であるらしい。そこに前日試した組み合わせを足してみて計算するとその才能は特別な枠に含まれるらしく数が減ることはなかった、むしろ才能の組み合わせで新しい才能を増やせとまで言わんばかりであった。

 制限らしい制限がほとんどないので片っ端から入れてもよかったけどやり直しがきかないので思いっきり贅沢をしてみようと思った。

 なので反則だと思いながらもありったけ詰め込める組み合わせを考えながら眠りについた。
 
 5日目は才能の重要度を一つ一つ検証してみることにした。才能の中には『長寿命』や『強種族』や『健康体』など体の基本的な強さに関するものがあったのでそれらを入れてみることにした。

 やっぱり健康かつ寿命が長いのはいいことだよね、うん。

 やはりというか『精力絶倫』だとか『誘惑的な体』などもありそれらもなんとなく入れてみる。

 生前健康だったが妻を娶らず子供がいなかったので家族はたくさん欲しいと思ったからだ、どうやらこれらの才能は子供にも影響を与える才能らしく優秀な子孫に恵まれるようになるらしい。

 子供はやはり優秀かつ多いほうがほうがいいのでそれらをどう入れていくのか考えつつ眠りについた
 
 6日目はそれらの重要性を考えながら才能の選別および上位才能への昇華を狙った組み合わせを考える。どの才能も上下に分かれるが手当たり次第では効果は薄くなることがわかったからである。

 複数の才能を組み合わせて変化した才能は効果が高くなることが確認できたからだった。そこにペナルティともいえる才能を組み合わせてみることにした。『虎穴にいらずんば虎子を得ず』のことわざもあるので試してみたところ才能に何らかの制限および副作用が加わったがすべてに高い効果や特別な効果をつけることが出来た。
・・・・・まぁ、あまりにも危険すぎるものは除いたが結果に満足して寝ることにした。
 
 7日目は自分が生まれたからどんな道を歩むのか考えてみる。これだけの才能があれば無敵かといわれればそうではない。生まれてすぐ殺されてはどうしようもないからだ。なのでまた閻魔王に話を聞きにいくことにした。

 閻魔王は仕事がないのかゆったりとしていてお茶を飲みながらくつろいでいた。コレは好機だと思い近づく。

「すみません、またお聞きしたいことがあるのですが?」

「なんじゃな?」

 ここで転生先の時代などがどうなっているのかを入念に聞くことにした。
そこに暮らす種族や大まかな区分、国家の姿や人を襲うモンスターなどの話を聞くことが出来た、人間以外に戦う相手やそれを生み出す存在がいるらしく治安はそれほど良くはないとのことだった。

 王や貴族といった中世的な身分や物語に出てくる怪物のような存在がたしかにそこにいるのだといっていた。

 お礼を言って部屋に戻るとすぐさま自分の持ちうる経験をどのように才能に変えるのかに没頭した、記憶や経験などをその世界に持ち込めてもそれがすべて受け入れられるわけではない。

 何かしらの力がなくては成人も迎えられないこともあり、無能な権力者もいるのだ。それを考えると生まれてからどのような才能が必要なのかを深く考える。

 生前はいろんな武器を扱ったのだから戦士がいいだろう。でも、それだけではだめだ。頭が固い武人は使い勝手が悪くいつかは淘汰される。武の才能は必須だがそれをサポートする才能も必要だろう。大軍を組織して育て手足のように動かすだけでなくそれ以外のことにも目を光らせなければいけない。

 魔法による才能も必須といえるものだった、転生後の世界では武弱魔強の傾向が強く強力な魔法で敵を駆逐していく戦闘術が強いみたいだ。だけど自分は生前武の道に邁進したので武器による戦いを中心に組み立てようと思ったがその力を存分に振るうには魔法の才能も必要だった。結果として生み出された戦闘スタイルはサポートなしで暴れまわる魔法戦士になってしまっていた。

 そういったことを確信じみて眠りについた
 
 8日目と9日目は自分が思い描いた人物になりうるにはどうすればよいのかを考える時間につかった。そのための才能の厳選と選択をトライ&エラーを繰り返し完成図に近づける最後の作業を行う。入れたチェックをすべて消して新たに才能のチェックを入れていく。

 大体の想像図は出来ていたが最後の詰めを抜くわけにも行かず気合をこめる。そこでまだ空きがあるのを利用してサポート関連の才能を選ぶ。
武器や防具の作成や冒険に役立つ道具を作り出す才能と統治者になったときに国を豊かに出来る才能などを入れ込んでいくとそれらに共通性があったのか予想より少ない数で完成したのでさらにそこに自身を強くできる才能を片っ端から入れていく。

 何度となく気に入るまで何度でも繰り返す。放棄しさえしなければ結果は必ず手に入る、そう信じて可能性の限りを尽くして考える

 正直頭が痛くなりそうな作業だったが手は抜けないところだと思い繰り返す、何十、何百、何千と繰り返して才能図を完成させ最後に転生先の種族に『人間族』と性別のところに『男』といれて眠りについた。
 
 10日目はついに異世界へと転生するときが来た、閻魔王の前に連れて行かれる。

「どうじゃったかなこの10日間は? いろいろ考えに考えた結果は用意できたのかな?」

閻魔王が問う。

「はい、できました」

 満面の笑みで答える。

「では、その本に先天的な才能を生まれ変わった先のそなたに反映させるので一応確認として見させてもらってもよいかな」

 本を渡すと、どれどれと閻魔王が見る。
 
転生名  [オヤジ?]
 
《先天才能》
 
『?????』
 
《ジョブ》《スキル》《アーツ》

『?????』から創造されます。
 
《ステータス》

『?????』から計算されます

種族

人間族

性別


 
あれ? かなりの数になるが『?????』としか出ていない?どうなってるんだ?

「ふむ、これでよいのか? 勇者や英雄の類いにしてもこんなのは初めてだが?」

「ええと、ちょっと待ってもらえますか」

何度確認しても内容がわからない、どうなってるんだ?

「本人にもどうなっているのかわからぬのか? これでは苦労するぞ」

 閻魔王が心底心配そうな顔で尋ねてくる。だけど自分も混乱している。・・・まぁいいか、どうとでもなるだろう。

「苦労が多いのは幸せなことでもあります、と師匠から教わりました。人生は準備不足の連続なのだから苦労することはありがたいことだと。何の苦労もなく育てばボンクラになるのですから」

 落とし穴にずっぽり嵌りましたと付け加える、あらゆる可能性を考えた末にこの才能になったのだ。自分は欲深いと思ってしまう。でも一つ気になるのはあれだけ考えた才能でほぼすべてが見えなくなっているのが気になったけど。

「ここまでやったのなら文句はあるまい? さぁ、異世界への入り口を開くからその円の中にはいるがよい」

 その声で広間の中央にあった円の中に入る。閻魔王が何かを唱えると全身が浮遊感に包まれていき、やがて意識が途切れると同時にその場から消えてなくなった。
 
 しばらくして。

「ふぅ、まったくあのお方は突然現れるから肝を冷やしたわい」

「それどういうことなのです?」

「あのお方は異世界でとてつもないお力をもつお方でのぅ、正直言ってほかの神や仏がおらんで助かったわ」

 閻魔王はどっと冷や汗を大量に掻いていた。するとそこにこの世界では見慣れぬ服装をした女らしい人物が現れた。

「閻魔王様、私たちの世界の問題を解決するためにわざわざ転生を待っていただきありがとうございます。まさか私どもの世界のために彼の御方が名乗りを上げていただくとは思ってもいなかったことなので」

 その人物が頭を下げる。閻魔王は。

「まだ転生したばかりなのだからいろいろとあるだろうからの、それからのことはそちらが受け持つのじゃぞ。あの者だからそう簡単に死ぬとは思えぬが気を配ってやって欲しい」

「承知いたしております。では、これにて」

 そういって消えてしまう。

「あの者はどういった存在なのです?」

 そばにいた鬼が尋ねてくる。

「才能の欄の中に見えないものがあったじゃろう、あれがあのお方の本当の名じゃが人間に転生したときに封じられたはずなのじゃが、無意識に選んだのなら恐ろしいことじゃ。
彼の者はすべてを飛び越えているのにまだ貪欲に己の外と中にあるものを欲すかと思うと落ち着いてはおれん」

 鬼が首をかしげる。それほどの人物であろうかと。

 閻魔王は「もう会いたくないのだがやっぱりどこかで会うことになるんじゃろうな」とぼやきながらいつものように冥府に来た魂の審査を続けることにした。
 
 かくして2度目の人生を? スタートさせることになった。
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