最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO

無謀突撃娘

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ゲーム開始時編

ゲームとの出会い3

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「こんにちわ~」

「あら~、カオルくんじゃない」

あれから定期的にリリアンヌさんのところに顔を出していた。用件は手に入れた素材などを変化させて買い取ってもらうためだ。

「今日は何を売りにきたの」

「森の奥で麻に近い素材が手に入ったのでそれを変化させて一枚の布にして帯状にしました」

あれから3体のスキルや出来ることを試していた。まずは現実世界に近い布や生地を作ることを試したのだ。ロール状にするほどの長さにするには消費が激しいが完成品が出来た。

「へぇ」

「もう一つは青銅ですね」

現時点では鉄程度しか出回ってないが実はその素材ふが大量に入手できる場所を見つけた。現実世界で情報を調べて青銅を作ったのだ。さすがに2種類を混ぜ合わせる配分に少し苦労したが売っても問題ない量を持ってきた。

「もうそんなものまで作り出しちゃったのね」

「モンスターたちのおかげです」

自分では絶対不可能だっただろう。なので3体には十分な食事を与えた。

「あとは上級薬草などですね」

「見せてもらっていいかしら」

「どうぞ」

すぐさま鑑定される。

「うん、上等ね。全部買い取るわ」

「ありがとうございます」

「それと今まで提供した素材分の代金を支払うわ」

「いいのですか」

「装備の売り上げで儲けに儲けたからね」

トレードの画面が出てくる。その金額は、

「250万!」

あまりの金額に驚いた。

「多すぎませんか」

「あなたは初心者だからそう感じるかもしれないけど極めて妥当な金額よ」

反論せずに受け取っておけと。

「今後とも頼ることが多くなるでしょうから。経費として計算もしてるし」

「?」

「あなたが出した素材を使って作った装備や道具のおかげで2番目の町へのルートが開けたのよ。攻略組でも中々突破できなかったけど素材を提供してくれたおかげで攻略が出来た」

つまりゲームが進むのに貢献したということだ。

「それはよかったですね」

「でも、悪い話も出てきたのよ」

「え?」

「私たちの作った装備のことよ。本当だったら途轍もない量を【錬金】などを上げて作れる上等な素材を大量に供給したプレイヤーを探し始めたわ」

「ええ、私たちはその提供者のことは隠しましたが」

「自分らのところにも紹介しろと言ってきたぞ」

「迷惑な話ですよね。一部の人は生産者に対する評価が低いですから」

あまりいい話ではないようだ。

「だからこちらが呼ぶことは多くなるだろうけどつけられないようにしてね」

そうして分かれることにしたのだがすぐに来てくれと連絡があった。

「どうかしたのですか」

「ちょっと急ぎの商談なの」

「急ぎですか」

別室に呼ばれる。

「実はあなたが持ってきた布と青銅などを他のプレイヤーに見られちゃってね。それの仕入れ先を教えて欲しいと言ってきたのよ」

迂闊だったと。硬い表情をしている

「それだけなら問題はないと思うのですけど」

「ところがそうはいかないのよ。今最前線に行ってるのは圧倒的多数が戦闘スキルでガチガチに固めた猛者だけ。採掘や採集などを専門としている生産職はまだ行ってる人がいないのよ」

このゲームではどんなにスキルなどを上げても先の町に行くにはルート上に必ず現れる固定ボスを倒さないといけないらしい。生産者に戦闘能力など無いも同然なので先にボスを倒した冒険者を雇ったり何組ものPTを組んで人海戦術で押し通るのが一般的であるそうだ。

まだどの生産者ですら入手していない材料などをもう手に入れているのには何か理由があると言ってきたそうだ。

「どんな人たちですか」

「色々ね。β版からの古参からまだまだ未熟者の新人まで」

「僕はオンラインゲームのことはまったく知りません」

画面越しで顔をあわせても良いのか悪いのかまるで分からない。

「安心して。私たちはβ版では腕利きの生産者として名を売っていたわ」

商品の売買を通じて知己となった人数も多いらしい。その縁で凄腕プレイヤーを呼んだそうだ。

「そろそろ来る頃ね」

しばらくして誰かが入ってきた。

「オッス。リリアンヌ、相変わらずだな」

「タケミカズチも相変わらず元気そうね」

赤い髪をロングにして金属で補強された鎧と長い槍を持っていた。姉御という言葉がしっくり来る。

「紹介するわね。彼女はタケミカズチ、少し前に第2の町へのルートを攻略していた人よ」

「始めましてカオルです」

軽く挨拶する。

「んでよ、あたしらの装備の材料を大半出したって相手はどこよ」

相手は僕をお客さんだと思っているらしい。

「この子がそうよ」

「はぁ!」

とても驚いていた。

「嘘はよせよ。あんな上等な材料は最前線で戦ってたあたしでもドロップしたことはまったく無いぜ」

「じゃあ、嘘か真か目の前で確認させましょうか」

僕にモンスターを呼び出せと目配せする。ヒマワリを呼び出す。

「こりゃモンスターか?だとすると調教師か、そんな趣味職が何が出来るってんだ」

「僕の手元には銅とスズがあります。それを目の前で青銅にします」

あれやこれや話をしても意味がなさそうなので目の前で証明することにした。銅とスズをヒマワリ飲み込ませて青銅に変化させお姉さんに渡した。

「・・・まいったぜ。まさか最初の町にいる普通の初心者にこんなことが出来るとはな」

少し驚いていたが目の前で起きたことを受け入れるだけの器をもっていた。

「改めて自己紹介するな。あたしの名前はタケミカズチ。ミカって呼んでくれ」

そうして握手を交わす。

「あたしらのパーティは前線での攻略と平行してギルド設立のための人材や資材などを集めているんだ。装備から料理まで確保したい人材はいくらでも声をかけてるんだ」

「以前から彼女のパーティは優れた装備を欲していたの。良質な素材が手に入らないから性能が頭打ちになってて困っていたところにカオルからの素材が手にはいってすぐさま装備を提供したのよ」

そのおかげ手ごわかった敵の攻略が進んだそうだ。

「んで、こっからが本題になるんだけどさ」

スキルの構成を見せて欲しいそうだ。本来であると見えないのだが本人の許可をもらえば見れるようになっている。だけどどのプレイヤーも独自の強さを求めている上に他人に情報を公開などしたりしない。

「いきなりで不躾だが頼む」

感覚的には姉に似て頼りになりそうだしリリアンヌさんが認めているのならば良いとしてスキルを見せた。

「どれどれ・・・」

数分後。

「こいつはなんてパーティに貢献できるスキルばかり持ってるんだ!モンスターといいスキルといい最高だぜ!」

ガッツポーズまでとられる。

「早速で悪いんだが付いてきてくれないか。マラソンしてるんだが当たりが低い相手がいるんだ」

「マラソン?」

ゲーム用語ではランダムドロップを求めて何度も同じことを繰り返す行為のようだ。

「僕でよければ」

「やったぜ!」

そうして移動することになった。

「姉さん、話のほうはどうなりやしたか」

ごつい装備に身を固めた男女らの下まで連れて行かれる。40人ぐらいか。

「ああ、それについては予定のままだが別口で大当たりをひいた」

僕のことを紹介される。

「こいつはカオルだ。見た目は完全に初心者だが中身は最高だ。ティマーだがな【天運】などパーティにいるだけで最大の恩恵を与えてくれるんだからなぁ」

声高に宣言すると大歓声が上がる。

「(あの、どういうことなのでしょうか?)」

「(お前さんは知らないだろうから教えといてやるよ)」

スキルは基本的に所有している本人、自分自身にしか効果が無いが例外が存在する。ヒールなどの回復術とステータスを向上させるバフ系などが大半だがアイテムなどのドロップ率を左右する【幸運】などだ。

これはパーティ全体に効果が及び一人いるだけで効果がある、ボスなど挑戦できる回数が限られている敵はどうしても入手確立を上げるため大人数で挑むがこれに【幸運】のスキル持ちが一人いればドロップ率が飛躍的に高まるのだ。

だけどもβの時ではまったく効果が無く完全に死んでいたスキルだそうだが正式サービスでは完全に別物となってしまい超優秀スキルに変わってしまった。

僕が持っているスキル【天運】は本来ならばノーマルドロップの確率が高いのをレアドロップに変化させ入手不可能に近いハイレア以上まで高い入手確率を出すスキル。さらに【ドロップアイテム枠・超】【入手アイテム数・超】などで最大数まで引き上げられるのだ。マラソンを行うようなパーティにとって喉から手が出るほど欲しかったそうだ。

「その人を入れるんで」

「ああ、ギルドに入るかどうかまでは分からんがこれで実入りを大きく増やせる。いくぞ!」

そうして屈強な人たちとともにマラソンに入ることになった。

「姉御、戦闘準備整いやした」

「早速始めるぞ」

遠めに見える巨体を揺らす猪が相手らしい。

「(お前さんのモンスターの馬鹿げた強さは分かってるがそれを見せると欲を出す連中もいる。出来る限り後方で待機してろ)」

とにかく何もするなと。

戦闘が始まるが僕が何かをすると邪魔になりそうなので熟練者の戦闘を観察すると割り切ったほうがよさそうだ。

「(上手いな)」

さすが熟練者の戦闘は迫力が違い動きも違う。防御から攻撃までの流れが凄くスムーズだった。10分ほどで戦闘はそのまま優勢で終わる。

「各自ドロップを確認」

すると全員大喜びの声を上げる、一応僕もPTにいるのでドロップは大量に入るが今のところ有能かどうか判断が付かない。

「どれくらいの時間付き合えるんだ」

どれぐらいの時間PTにいられるのかミカさんが聞いてくる。

「2時間ぐらいなら」

「それだけあれば結構狩れるな」

次に行くぞ、と。

「【リポップ】でまた呼び出してくれ」

「分かりました。【リポップ】!」

するとまた目の前に同じ敵が現れた。

そうして2時間ずっと敵を呼び出し戦闘を観察するだけで終わった。消費したMPはポーションを飲んで回復させる。

「今日の狩りは終わりだ」

2時間も殆ど休み無しで戦い続けていたので全員に疲れが見えるがそれ以上に喜びの声が多かった。

「すまねぇな。いきなりつき合わせて。おかげで全員に満足の行く結果が出たぜ」

ドロップの割合は全員レア以上でハイレアが出た人も殆ど、今までデータ上にだけ出ていたユニークドロップも見つかったそうだ。すると全員がフレンド登録を申し出てきたが、

「残念だが今フレンド登録できるのはあたしだけだ。他に知られると不味いことが多すぎるんでな」

ミカさんだけフレンド登録をする。

「(多くが将来あたしの立ち上げるギルドに入ることが決定してるが外部の人間も少なからずいる。間違いなくすぐに殺到してくるだろうが全て断りな。大声で叫んでおいてなんだがすぐに噂になるだろうね)」

「(はぁ)」

「(お前さんのスキルはあまりにも利益が大きすぎる。それを知る人間は限られた方がいい)」

恐喝を間違いなくしてくるぞ、そう警告される。

「(強引な手段を繰り出してきたらあたしらに相談しな。タケミカヅチの身内だといえば大抵は無言で引き下がる)」

相当な有名人みたいだ。

「(PTならともかく単独で競り負けたことは片手ほどさ、次の町に行きたいなら護衛も引き受けるよ)」

そこまで強いとは、かなりの美人だが。

「(リリアーヌらとはβ版からの付き合いで色々協力関係にある、あたしらも装備などの提供では世話になってるしな。身内にも生産者はいるが採集にしろドロップにしろ運系スキルとかがここまで効果が高いとは思わなかったよ)」

これらのスキルはゴミも同じと判断されている上にSPが高すぎて手を出す人はいなかったそうだ。同じ敵を呼び出す【リポップ】も死にスキルでまったくの無意味だと思われていたそうだが今回のことから非常に重要なスキルだと再確認された。

「(今回の結果からあんたとは長い付き合いになりそうだから先に恩を売っておくよ)」

ミカさんはそのまま町まで付いて来てくれた。そこで別れを言って他の場所に行くことにした。
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