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【クリストフ】(王妃ルート)
5 パンドラの箱の中身
しおりを挟む私はとうとう自覚してしまった。
自分の思いを。
王宮に来てからずっと蓋をしていた思い。
自分の感情に見て見ぬフリをして必死に耐えていた。
だが、もう蓋をすることは出来なかった。
ヴァイオリンを弾きたい。
ヴァイオリンの音色を誰かに届けたい・・・。
気が付けば、私は目から大粒の涙を流していた。
「ベルナデット様・・・。」
心配して、近づこうとしたローベルを男性が手を横に出して止めた。
そして男性はハンカチを出すと、私に差し出した。
私は男性からハンカチを受け取ると、男性の顔を見た。
すると、男性が優しく微笑んだ。
「泣く場所は大切ですよ?
ベルナデット様・・。」
その言葉を聞いて。私の目からはさらに涙が溢れてきた。
いつの間にか私は声を上げて泣いていた。
男性はずっと、優しく私の背中をさすってくれていた。
一度自覚したら、止まらなかった。
ヴァイオリンを弾きたい
ヴァイオリンが聴きたい。
ヴァイオリンと共に歩みたいと。
・・・例え王妃になろうとも。
(そうだ・・。例え王妃になっても私はヴァイオリンと共に歩もう。)
私はようやく蓋をしていた感情を受け入れ、決意した。
私は今、とても恥かしい状況だった。
なぜなら、侍女に用意してもらった、冷えた布を目の上に乗せ、にこにことした男性と、殺意漂うローベルと共にソファーに座っていた。
(どうしてこんなことに~~~!!!)
私は大きく息を吐くと、目の上に乗せていた布を侍女に渡した。
「もうよろしいのですか?」
ローベルが心配そうに聞いてきたので、「大丈夫です。」と答えた。
そして、私は正面に座っている男性を見た。
「先程は大変お見苦しい姿をお見せしてしまってすみません。」
「いえいえ、あなたの涙はどんな宝石よりも美しかった。」
「はぁ。」
すると、男性が美しく笑った。
「私はリトア公爵家の次男、ルーカスと申します。」
私はその名前を聞いて驚いた。
(リトア公爵家のルーカス様!!この方が・・。)
以前、実父であるトリスタン様が、『凄く頭が良くて革新的な人物がいるんだけど会ってみるかい?ベルとは話が合いそうだと思うけど。』と言っていたことを思い出した。
なぜだか、兄にそれはそれは全力で、力の限り止められて会うことはなかったが、実父がそこまでいうのならお会いしてみたいと思っていた人物だった。
兄のあの必死で阻止しようとする剣幕に逆らうことはできなかったが・・。
するとルーカス様が私の手を取ると、唇を私の手の甲に滑らせた。
そして、指先をすっと舐めた。
(ひっ!!)
初めてされた大人バージョンのあいさつのキスに驚いていると、ルーカス様が妖艶な顔で笑った。
「ベルナデット様。私と共に全ての者を夢へと誘う劇場を作りましょう。
きっとあなたとなら最高の物を作りあげることができるでしょう。
どうですか?」
「は、はいいっ!!喜んで!!」
私は思わず大きな声で返事をしてしまったのだった。
【サミュエル】(学院発展ルート) ROUTE OPEN ♪
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