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第2章 東京編
追憶
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マンションの自室へ戻ると和巴はベッド脇の床へ
直にペタンと座り込んだ。
ベラはLDKにも1階の共有ルームにもいなかった
ところをみると、まだ外出先から 帰ってはいない
ようだ。
今彼女と顔を合わせたらきっとみっともない醜態を
晒してしまいそうだったので、
居てくれなくて助かった。
和巴は自分1人だけの部屋でしばらく放心したよう
ぼんやりとして、ふと、自分の机の下に押し込んで
ある 段ボール箱に目を止めた。
それを引っ張り出してきて蓋を開けた。
大した物も、量も入ってはいない。
ふるびたアルバム1冊とブリキで出来たオモチャが
2~3コ、そして、バンダナサイズのハンカチが
1枚。
☓☓☓ ☓☓☓ ☓☓☓
「ほ、ほんとはよー、もっとすげぇやつプレゼント
しようと思ってたんだぜ。けど、高価なアクセも
洋服もお前にゃ何となく似合わない、ような
気がしてさ……」
「ううん、私すっごく嬉しい! ずっと大切にするね、
ありがと匡煌さん」
と、”同棲記念”にって匡煌から貰った
真新しいハンカチを握りしめ
嬉しそうに涙ぐむ和巴。
「ハンカチよか、バスタオルの方が
良かったかな」
「えっ、どーして?」
「マジ、和巴ってば泣き虫なんだもんよ。
ハンカチ程度じゃお前の涙拭くには足らないじゃん」
「もうっ ―― 私はそんな泣き虫じゃないもん」
☓☓☓ ☓☓☓ ☓☓☓
遠い昔を懐かしむよう思い出し、
薄く微笑む和巴の瞳に涙が潤む。
その時、ガチャ――、玄関先でドアが開く音、
ベラが帰ってきた。
和巴は素早く涙を拭い、
段ボール箱を閉じてまた机の下へ戻し。
『お帰り、ベラ』とLDKへ出て行った。
直にペタンと座り込んだ。
ベラはLDKにも1階の共有ルームにもいなかった
ところをみると、まだ外出先から 帰ってはいない
ようだ。
今彼女と顔を合わせたらきっとみっともない醜態を
晒してしまいそうだったので、
居てくれなくて助かった。
和巴は自分1人だけの部屋でしばらく放心したよう
ぼんやりとして、ふと、自分の机の下に押し込んで
ある 段ボール箱に目を止めた。
それを引っ張り出してきて蓋を開けた。
大した物も、量も入ってはいない。
ふるびたアルバム1冊とブリキで出来たオモチャが
2~3コ、そして、バンダナサイズのハンカチが
1枚。
☓☓☓ ☓☓☓ ☓☓☓
「ほ、ほんとはよー、もっとすげぇやつプレゼント
しようと思ってたんだぜ。けど、高価なアクセも
洋服もお前にゃ何となく似合わない、ような
気がしてさ……」
「ううん、私すっごく嬉しい! ずっと大切にするね、
ありがと匡煌さん」
と、”同棲記念”にって匡煌から貰った
真新しいハンカチを握りしめ
嬉しそうに涙ぐむ和巴。
「ハンカチよか、バスタオルの方が
良かったかな」
「えっ、どーして?」
「マジ、和巴ってば泣き虫なんだもんよ。
ハンカチ程度じゃお前の涙拭くには足らないじゃん」
「もうっ ―― 私はそんな泣き虫じゃないもん」
☓☓☓ ☓☓☓ ☓☓☓
遠い昔を懐かしむよう思い出し、
薄く微笑む和巴の瞳に涙が潤む。
その時、ガチャ――、玄関先でドアが開く音、
ベラが帰ってきた。
和巴は素早く涙を拭い、
段ボール箱を閉じてまた机の下へ戻し。
『お帰り、ベラ』とLDKへ出て行った。
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