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第2章 東京編
東京見物
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7月**日 快晴
現在の時刻、8時半を少し回ったところ。
いつもなら今頃は、そろそろ部内ミーティングを
始めている頃だけど、今日はお休み。
スマホのアラームが鳴る前にフッと目が覚め、
”あぁ、今日は休みだった……”と、2度寝して、
さっきやっと起き出してきたとこ。
「あ、おはよー」
シャワーから出ると、いつものようにベラが
朝ごはんを作ってくれていた。
「あ、おはよー。今日も蒸し暑くなりそうだねぇ」
「だねー、けど、こういいお天気だと家にこもって
ばかりいるの勿体無くない?
今日は1日東京観光なんてどーお?」
「いいねぇ、じゃ、お向かいの2人も誘お?」
―― って事で、今日は東京観光へ行く事になった。
ちゃっちゃと朝ごはんを食べ、準備をしていると、
”ピンポ~ン ――”
お向かいに住む親子、ディーノとジュニが来た。
ディーノとジュニ ―― 特にジュニとはかなり
仲良くなれたけど、私の仕事が不規則な為
あまり遊んであげられず。
たまにこうして一緒に出かけると、
執拗なくらい私へまとわりついてくる。
年の離れた弟が出来たようで、可愛くて、
ついつい甘やかし、抱きかかえて始めの目的地・
東京タワーへと向かう。
正式名称は日本電波塔。
1958年12月23日竣工。
東京のシンボル・観光名所として知られる。
高さ:333㍍、海抜:351㍍、塔脚の間隔は88.0㍍。
総工費:約30億円、1年半(1,974,015時間/543日間)
と延べ、219,335人の人員を要して完成した。
メインデッキ:地上125m(海抜約150m)と
トップデッキ:223.55m(海抜約250m)に
展望台を有したトラス構造の電波塔である。
双方の展望台から壮大な眺望を心ゆくまで堪能し、
次の目的地へ ――
(尚、東京タワーについての各データはウィキペディアより
引用させて頂きました)
***** ***** *****
電車に乗っている間も、
何かを感じている風なベラがチラチラと私の顔を
見ていたけど、気付かないふりをして
ジュニと日本の手遊びなんかしながら移動時間を
過ごす。
浜松町から秋葉経由で総武線に乗り換え
揺られること数分 ―― 御茶ノ水に到着。
日本ハリストス正教会 東京復活大聖堂
(ニコライ堂 首座主教座教会)が
車窓に見えてきた。
「う、わぁ、壮観……」
私の感嘆の声にベラは満足そうに微笑んだ。
「でしょ~?」
電車を降りて大聖堂へと向かう。
建物が近付けば近付くほど、
その大きさに圧倒される。
築126年の歴史ある教会です。
初代の建築は1891年に完成したものの、
1923年の関東大震災で鐘楼の上部が倒壊。
さらに類焼に見舞われ、
1929年に修復され現在の姿になった。
煉瓦壁と土台は創建当初のままで、
国の重要文化財にも指定されている。
日本最大級のビザンチン建築という事もあり、
西洋建築物愛好家らしいツーリストが
あちこちにいる。
記念撮影で忙しい人々の間を縫うようにして進み、
やっと内部へ入る事が出来た。
内部は外の喧騒などウソのように、ひっそり静かだ。
パイプオルガンの音が流れ始めた。
今日は運が良かったみたい!
信者達が賛美歌を歌い始めた。
天井の明かり取りの窓から射し込む
柔らかな外光に照らされて
聖堂内を暖かに包み込む。
荘厳な雰囲気、美しい歌声……。
もし ”神”が存在するなら、
私の犯した罪は許してくれるだろうか?
匡煌さんを裏切って、彼の気持ちを踏みにじり、
結婚するように仕向けた私を ……
許してくれるだろうか?
私はジュニを抱きかかえたまま、
キレイな歌声に耳を傾けていた。
やがて、歌も終わり堂内がざわつき始め、
前方の席で座って祈りを捧げていた ――
(今日分かったがベラは敬虔なクリスチャンだ)
ディーノとベラがこちらへ向かって来た。
彼らは何故か私の顔を見て、怪訝そうにしている。
どうした、のかな……?
「……カズ、どうして泣いてるの?」
え? 誰が泣いてるって?
ジュニに言われ、自分の頬に手を当てて見て、
私は自分が泣いてる事に気が付いた。
「カズ ――」
ベラとディーノも心配そうに私を見る。
「ご、ごめ、先出る……」
ジュニをディーノに任せ私は足早に外へ出た。
現在の時刻、8時半を少し回ったところ。
いつもなら今頃は、そろそろ部内ミーティングを
始めている頃だけど、今日はお休み。
スマホのアラームが鳴る前にフッと目が覚め、
”あぁ、今日は休みだった……”と、2度寝して、
さっきやっと起き出してきたとこ。
「あ、おはよー」
シャワーから出ると、いつものようにベラが
朝ごはんを作ってくれていた。
「あ、おはよー。今日も蒸し暑くなりそうだねぇ」
「だねー、けど、こういいお天気だと家にこもって
ばかりいるの勿体無くない?
今日は1日東京観光なんてどーお?」
「いいねぇ、じゃ、お向かいの2人も誘お?」
―― って事で、今日は東京観光へ行く事になった。
ちゃっちゃと朝ごはんを食べ、準備をしていると、
”ピンポ~ン ――”
お向かいに住む親子、ディーノとジュニが来た。
ディーノとジュニ ―― 特にジュニとはかなり
仲良くなれたけど、私の仕事が不規則な為
あまり遊んであげられず。
たまにこうして一緒に出かけると、
執拗なくらい私へまとわりついてくる。
年の離れた弟が出来たようで、可愛くて、
ついつい甘やかし、抱きかかえて始めの目的地・
東京タワーへと向かう。
正式名称は日本電波塔。
1958年12月23日竣工。
東京のシンボル・観光名所として知られる。
高さ:333㍍、海抜:351㍍、塔脚の間隔は88.0㍍。
総工費:約30億円、1年半(1,974,015時間/543日間)
と延べ、219,335人の人員を要して完成した。
メインデッキ:地上125m(海抜約150m)と
トップデッキ:223.55m(海抜約250m)に
展望台を有したトラス構造の電波塔である。
双方の展望台から壮大な眺望を心ゆくまで堪能し、
次の目的地へ ――
(尚、東京タワーについての各データはウィキペディアより
引用させて頂きました)
***** ***** *****
電車に乗っている間も、
何かを感じている風なベラがチラチラと私の顔を
見ていたけど、気付かないふりをして
ジュニと日本の手遊びなんかしながら移動時間を
過ごす。
浜松町から秋葉経由で総武線に乗り換え
揺られること数分 ―― 御茶ノ水に到着。
日本ハリストス正教会 東京復活大聖堂
(ニコライ堂 首座主教座教会)が
車窓に見えてきた。
「う、わぁ、壮観……」
私の感嘆の声にベラは満足そうに微笑んだ。
「でしょ~?」
電車を降りて大聖堂へと向かう。
建物が近付けば近付くほど、
その大きさに圧倒される。
築126年の歴史ある教会です。
初代の建築は1891年に完成したものの、
1923年の関東大震災で鐘楼の上部が倒壊。
さらに類焼に見舞われ、
1929年に修復され現在の姿になった。
煉瓦壁と土台は創建当初のままで、
国の重要文化財にも指定されている。
日本最大級のビザンチン建築という事もあり、
西洋建築物愛好家らしいツーリストが
あちこちにいる。
記念撮影で忙しい人々の間を縫うようにして進み、
やっと内部へ入る事が出来た。
内部は外の喧騒などウソのように、ひっそり静かだ。
パイプオルガンの音が流れ始めた。
今日は運が良かったみたい!
信者達が賛美歌を歌い始めた。
天井の明かり取りの窓から射し込む
柔らかな外光に照らされて
聖堂内を暖かに包み込む。
荘厳な雰囲気、美しい歌声……。
もし ”神”が存在するなら、
私の犯した罪は許してくれるだろうか?
匡煌さんを裏切って、彼の気持ちを踏みにじり、
結婚するように仕向けた私を ……
許してくれるだろうか?
私はジュニを抱きかかえたまま、
キレイな歌声に耳を傾けていた。
やがて、歌も終わり堂内がざわつき始め、
前方の席で座って祈りを捧げていた ――
(今日分かったがベラは敬虔なクリスチャンだ)
ディーノとベラがこちらへ向かって来た。
彼らは何故か私の顔を見て、怪訝そうにしている。
どうした、のかな……?
「……カズ、どうして泣いてるの?」
え? 誰が泣いてるって?
ジュニに言われ、自分の頬に手を当てて見て、
私は自分が泣いてる事に気が付いた。
「カズ ――」
ベラとディーノも心配そうに私を見る。
「ご、ごめ、先出る……」
ジュニをディーノに任せ私は足早に外へ出た。
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