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第2章 東京編
揺れる想い
しおりを挟む「── なんで……」
広いシティーホテルのエントランス。
夜も深まりつつある時間帯に人の姿はまばらだ。
その中で、エレベーターを降りた和巴を
少し離れた柱の陰で迎えた人物は、
耳に当てていた携帯電話をそこから離すと
感情の読めない面立ちで和巴を見つめた。
「よぉ」
何故、ここにいるのだ。
いちゃいけない人なのに……
こんな所を万が一あの広嗣に見られでも
したら……彼も、同じパーティーに出席しているのだ
途中で抜けた匡煌を探しに来るかも知れない
そんな不安を抱きつつも和巴は匡煌の声を聞くと
弾かれたようにそこへ駈けだした。
「匡煌さんっ ――」
「まさか降りてくるとは思わなかった。
抜け出して良いのか?」
「それは、別に。でも、どうして……」
「色っぽい和巴のドレスすがた見てたら、
無性にヤりたくなった」
目の前に立った、眩しいまでに恵まれた体型の男。
日本人離れした雰囲気と容貌を纏うその男は、
ポーカーフェイスで平然と告げた。
「そう、ですか……」
「終わるまで待つ。何時になる?」
匡煌の誘いに乗ればこの先に待っているのは
どこかのベッド。
そこで行われるのはただひとつで、
そしてそれこそが今の2人の焦燥を少しでも和らげる
唯一の行為。
断ってしまえば、それまでだ。
自分達の仲を何とかして引き裂こうとしてる兄に
勘付かれるかも知れない危険を冒してまで匡煌は
来てくれた。
そこに何かを期待していたのかもしれない。
「わたし……」
「無理はしなくていい
「私は今からでも大丈夫。帰る挨拶だけして、
それで……」
「ほんとにいいのか。俺は遅くなっても構わないぞ」
「ううん。わ ―― 私も匡煌さんと……」
「……そうか。駐車場で待ってる。終わったら連絡しろ」
「うん」
「いくらでも待っててやる」
「……じゃあ、行ってきます」
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