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プロローグ
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ここは新宿歌舞伎町・区役所通り近くの一角 ――
昼キャバの勤務明けらしい女と男の2人連れが信号待ちを
している。
さしずめ女はキャバ嬢、男はその店の黒服と言った
ところだろう。
女は睡眠不足で先程から大欠伸の連発で ――
「ふぁぁぁ~~っ……流石、この歳になると二部明けは
かなりしんどいなぁ……」
すると、男の方が
「何言ってんの ”歌舞伎町の歴史を塗り替えた”
って伝説の嬢王様が」
「ハハハ ――!! 伝説の嬢王、かぁ ―― そんな事
言われた時代もあったっけねぇ……キャバ嬢の華は
せいぜい20(はたち)までよ。それを過ぎたら、誰も
ただのオバちゃん」
「アハハハ ―― オバちゃんはキツイな」
信号が青に変わって2人は歩を進める。
「これから朝飯でも一緒にどーよ?」
「いいけど、奢らないよ」
「チェッ ――! 相変わらず堅いな咲夜は。オレなんか
の数倍は稼いでる癖にっ」
「何とでも言いなさい。私がおミズで働くのは、ぜ~んぶ
妹の為なんだから」
すると ”咲夜”と呼ばれてた女の上着のポケットで
スマホが短く振動した。
メールの着信のようだ。
女はスマホを取り出し、そのメールを一瞥すると ――
「まーくんごめん。用事できちゃったぁ。朝ごはんは
また今度ねー」
「あーっ! 今のメールだろ? 男か?」
「フフフフ ―― ご想像にお任せしまーす」
「ぜってぇー男だ。先約のオレよか、後約の男
取るのかよぉ~」
「じゃあね~。お疲れ様でした」
2人は信号を渡り切った所で二手に別れた。
男は女の後ろ姿に向かって叫ぶように、
「次は奢れよ~! お疲れさん」
昼キャバの勤務明けらしい女と男の2人連れが信号待ちを
している。
さしずめ女はキャバ嬢、男はその店の黒服と言った
ところだろう。
女は睡眠不足で先程から大欠伸の連発で ――
「ふぁぁぁ~~っ……流石、この歳になると二部明けは
かなりしんどいなぁ……」
すると、男の方が
「何言ってんの ”歌舞伎町の歴史を塗り替えた”
って伝説の嬢王様が」
「ハハハ ――!! 伝説の嬢王、かぁ ―― そんな事
言われた時代もあったっけねぇ……キャバ嬢の華は
せいぜい20(はたち)までよ。それを過ぎたら、誰も
ただのオバちゃん」
「アハハハ ―― オバちゃんはキツイな」
信号が青に変わって2人は歩を進める。
「これから朝飯でも一緒にどーよ?」
「いいけど、奢らないよ」
「チェッ ――! 相変わらず堅いな咲夜は。オレなんか
の数倍は稼いでる癖にっ」
「何とでも言いなさい。私がおミズで働くのは、ぜ~んぶ
妹の為なんだから」
すると ”咲夜”と呼ばれてた女の上着のポケットで
スマホが短く振動した。
メールの着信のようだ。
女はスマホを取り出し、そのメールを一瞥すると ――
「まーくんごめん。用事できちゃったぁ。朝ごはんは
また今度ねー」
「あーっ! 今のメールだろ? 男か?」
「フフフフ ―― ご想像にお任せしまーす」
「ぜってぇー男だ。先約のオレよか、後約の男
取るのかよぉ~」
「じゃあね~。お疲れ様でした」
2人は信号を渡り切った所で二手に別れた。
男は女の後ろ姿に向かって叫ぶように、
「次は奢れよ~! お疲れさん」
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