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温室育ちのお嬢様、覚悟の暴走
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絢音は僕の手を引いて意気揚々と
ホテルの中に入る。
(どうしよう……耐えられるか? 僕……
いや!耐えなければいけない!
部屋を見学して話をするだけだ!
そう! 絶対何もしないんだ!)
ロビーで、部屋の写真を見る絢音に、
「どの部屋にするの?」
「あ、青の部屋がある! これ!」
嬉しそうに僕を見て笑う。
青は、僕が一番好きな色……
「了解しました」
笑いながら写真横のボタンを押した。
部屋に入ると、
「素敵ぃぃ! 可愛いぃぃ!」
青と白の壁紙に、『青』を連想させる地球や海。
天井には青空と夜空が描いてある。
インテリアはまるで王侯貴族の宮殿のようだ。
絢音は嬉しそうに部屋の中を探検している。
「ねぇ、来て! 大地」
初めて会った時は恥ずかしそうに”大地くん”って
呼んでいたのに、いつの間にやら呼び捨てだ、と
内心苦笑い。
「はいはい」
バスルームに向かうと、
「大きなお風呂! 2人で浸かったらさぞや気持ち
いいでしょうねぇ。一緒に入って確認してみる?」
絢音が喜々として僕を見る。
「あぁ、面白い冗談だこと、座布団1枚」
「ただのジョークよ。そんなに怒らないで?」
楽しそうに笑いながら、
バスタブの中に湯を入れ始めた。
あ、あのぉ……言っている事とやってる事、
違ってませんか?
「1人、1人交代で入るなら構わないでしょ。いつもの
倍は歩いたから汗ばんで気持ち悪いの」
ああ、そうっすか……
なんか、もう、強引に耐久マラソンやらされて・
そのすぐ後に物凄く世話の焼ける子供のお守り
やらされてる気分だよ……。
次に絢音は、部屋に置いてある物の物色を始め、
「うわぁ……制服がいっぱい! これは?」
クローゼットの中を見て僕に聞いてくる。
だからぁ、いちいち僕に聞いてくんなって。
「多分、コスプレ用だな」
「コスプレ? へぇ―― セーラー服とか
ナース服がある! 先生、往診の時間です!」
楽しそうに制服を当てて僕に見せながら言う。
う”っ ヤバい……絢音のナース姿チョー似合う!
「楽しい?」
「うん! すごいのねぇ! 私は時代について行って
ないわ」
絢音はナース服をクローゼットに戻しながら笑う。
「何か飲むだろ?」
「飲めるの?」
「ルームサービスがあるから」
「へぇ! やっぱり大地は何でも詳しいのね」
「パンフに書いてあるの!」
僕がメニューを見始めると、
絢音も隣に座って密着して一緒に見始めた!
「……顔、近くない?」
「だって、メニューはひとつしかないでしょ?」
僕の至近距離で微笑む。
もぉぉう! 頼むからこれ以上挑発しないで!
何か企んでいないか?
フロントに電話をして飲み物を注文すると、
「頼まなくても良かったんじゃない?」
「ん? 何で?」
「自販機があるじゃない! ほら」
あぁ! それは ――
絢音は自販機へと向かう。
「これ、なぁに……??」
アダルトグッズ、大人の玩具専用自販機だよ
あや……
僕は今日まで”無知”という事がこれ程までに
破壊力抜群だとは、思っていなかった。
見るからに清廉潔白な乙女の絢音が、
むき出しの好奇心を大人の玩具にぶつける
様(さま)は、下賤な男の欲情を”コレでもか”
と言わんばかりに刺激してくれる。
「何? この形? え? これは何に使うの?」
驚いた顔で僕を見返す。
「アダルトグッズだよ」
「ふ~ん ―― 例えばどうやって使うの?」
「それは……知らなくて良い」
「教えてよ。知ってるんでしょ?」
絢音は少し口をとがらせて拗ねたよう僕を見る。
「これで……その、色々なプレイをするんだよ」
そう、親父とジェイクのバカップルがハマっている
グッズ達 ――
実物なんて、今更珍しくもないが……そう言えば、
あいつらはこんなのを使ってエッチしたんだよなぁ
男同士なら挿れる場所はひとつだけだが……
入るのか?
「プレイ、って、例えばどんな?」
「そ、それは……」
絢音が僕を見てる。
あ、僕の腕を触ってきた!
絶対に何か企んでる!
その手には乗らないぞ!
大きく息を吐いて気持ちを切り替え、
絢音の肩を抱いて戸口へ向かった。
「中は見たし、もう、気は済んだろ。出よう」
「……大地? 怒った? 私がとんでもなくわがまま
ばかり言うもんだから、怒った?」
「いいや、全然」
「うそ」
「怒ってない。僕も結構楽しかったし。でもラブホは
十分だ。2度と入らないからな?」
「はい……」
すっかり意気消沈してしまった彼女を慰めようと、
キスしようとした時、インターホンが鳴った。
あー! ルームサービス頼んでたのすっかり
忘れてた。
「出るのはお茶してからね」
「…………」
ホテルの中に入る。
(どうしよう……耐えられるか? 僕……
いや!耐えなければいけない!
部屋を見学して話をするだけだ!
そう! 絶対何もしないんだ!)
ロビーで、部屋の写真を見る絢音に、
「どの部屋にするの?」
「あ、青の部屋がある! これ!」
嬉しそうに僕を見て笑う。
青は、僕が一番好きな色……
「了解しました」
笑いながら写真横のボタンを押した。
部屋に入ると、
「素敵ぃぃ! 可愛いぃぃ!」
青と白の壁紙に、『青』を連想させる地球や海。
天井には青空と夜空が描いてある。
インテリアはまるで王侯貴族の宮殿のようだ。
絢音は嬉しそうに部屋の中を探検している。
「ねぇ、来て! 大地」
初めて会った時は恥ずかしそうに”大地くん”って
呼んでいたのに、いつの間にやら呼び捨てだ、と
内心苦笑い。
「はいはい」
バスルームに向かうと、
「大きなお風呂! 2人で浸かったらさぞや気持ち
いいでしょうねぇ。一緒に入って確認してみる?」
絢音が喜々として僕を見る。
「あぁ、面白い冗談だこと、座布団1枚」
「ただのジョークよ。そんなに怒らないで?」
楽しそうに笑いながら、
バスタブの中に湯を入れ始めた。
あ、あのぉ……言っている事とやってる事、
違ってませんか?
「1人、1人交代で入るなら構わないでしょ。いつもの
倍は歩いたから汗ばんで気持ち悪いの」
ああ、そうっすか……
なんか、もう、強引に耐久マラソンやらされて・
そのすぐ後に物凄く世話の焼ける子供のお守り
やらされてる気分だよ……。
次に絢音は、部屋に置いてある物の物色を始め、
「うわぁ……制服がいっぱい! これは?」
クローゼットの中を見て僕に聞いてくる。
だからぁ、いちいち僕に聞いてくんなって。
「多分、コスプレ用だな」
「コスプレ? へぇ―― セーラー服とか
ナース服がある! 先生、往診の時間です!」
楽しそうに制服を当てて僕に見せながら言う。
う”っ ヤバい……絢音のナース姿チョー似合う!
「楽しい?」
「うん! すごいのねぇ! 私は時代について行って
ないわ」
絢音はナース服をクローゼットに戻しながら笑う。
「何か飲むだろ?」
「飲めるの?」
「ルームサービスがあるから」
「へぇ! やっぱり大地は何でも詳しいのね」
「パンフに書いてあるの!」
僕がメニューを見始めると、
絢音も隣に座って密着して一緒に見始めた!
「……顔、近くない?」
「だって、メニューはひとつしかないでしょ?」
僕の至近距離で微笑む。
もぉぉう! 頼むからこれ以上挑発しないで!
何か企んでいないか?
フロントに電話をして飲み物を注文すると、
「頼まなくても良かったんじゃない?」
「ん? 何で?」
「自販機があるじゃない! ほら」
あぁ! それは ――
絢音は自販機へと向かう。
「これ、なぁに……??」
アダルトグッズ、大人の玩具専用自販機だよ
あや……
僕は今日まで”無知”という事がこれ程までに
破壊力抜群だとは、思っていなかった。
見るからに清廉潔白な乙女の絢音が、
むき出しの好奇心を大人の玩具にぶつける
様(さま)は、下賤な男の欲情を”コレでもか”
と言わんばかりに刺激してくれる。
「何? この形? え? これは何に使うの?」
驚いた顔で僕を見返す。
「アダルトグッズだよ」
「ふ~ん ―― 例えばどうやって使うの?」
「それは……知らなくて良い」
「教えてよ。知ってるんでしょ?」
絢音は少し口をとがらせて拗ねたよう僕を見る。
「これで……その、色々なプレイをするんだよ」
そう、親父とジェイクのバカップルがハマっている
グッズ達 ――
実物なんて、今更珍しくもないが……そう言えば、
あいつらはこんなのを使ってエッチしたんだよなぁ
男同士なら挿れる場所はひとつだけだが……
入るのか?
「プレイ、って、例えばどんな?」
「そ、それは……」
絢音が僕を見てる。
あ、僕の腕を触ってきた!
絶対に何か企んでる!
その手には乗らないぞ!
大きく息を吐いて気持ちを切り替え、
絢音の肩を抱いて戸口へ向かった。
「中は見たし、もう、気は済んだろ。出よう」
「……大地? 怒った? 私がとんでもなくわがまま
ばかり言うもんだから、怒った?」
「いいや、全然」
「うそ」
「怒ってない。僕も結構楽しかったし。でもラブホは
十分だ。2度と入らないからな?」
「はい……」
すっかり意気消沈してしまった彼女を慰めようと、
キスしようとした時、インターホンが鳴った。
あー! ルームサービス頼んでたのすっかり
忘れてた。
「出るのはお茶してからね」
「…………」
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