続・7年目の本気~岐路

NADIA 川上

文字の大きさ
10 / 26

嵐の後は ――

しおりを挟む
 カーテンの隙間から覗く朝の陽射しに
 ふと私は瞼を開いた。


 (うち……?)


 パジャマを着ていない自分を不思議に
 思い体を起こすと、隣には昨夜の合コンで
 久しぶりに会った木村皇紀が……。


「へ……」


 わ・た・し……。
 自分と同じく素っ裸の木村が眠っている
 って事は、昨夜私……
  

「う、うそでしょっ!!」


 ばっとベットから転がり落ち
 めちゃくちゃに脱ぎ捨てられた
 二人分の衣服の中から自分の物を選別。
 胸元に抱きかかえたまましばしフリーズ

 ど、どうしよ ―― 
 私ともあろう者が昨夜の記憶、
 まるでない……。

 合コンでしこたま飲んで、酔い潰れ。
 
 帰りは木村にタクシーで送って貰い ――

 それからどうしたんだっけ……?

 記憶はないが、
 理性はかなり吹っ飛んでいたような
 気がする。

 なんか、凄い事はしてないよね。

 何よりも、
 かれこれ2年ぶりに再会した同僚と
 こんな事になった自分が信じられなかった。

 私ってばこの男相手に……
 一体何を……。


「んン ……」


 思考がまとまりきらない内に
 木村も目を覚ました。


「あ……きむ……」

「あ ―― ん? あ、あぁ、昨夜は和巴んち
 泊まったんだな」

「あ、う、うん。おはよう、ございます……」

「あ ―― たまいてえ……」


 そう。
 昨夜は彼もしこたま飲んでいて……
 お……覚えているだろうか?

 最早忘れてしまってくれてた方が有難い


「なぁ」

「あ、はい!」

「みず、くれる?」

「はい、今すぐ!」


 バタバタととりあえず
 ローブだけ羽織ってキッチンで
 水を入れ寝室に戻る。
 木村さんはベットに素っ裸のまま座り
 痛そうに後頭部を摩っていた。


「ハイ、お水」

「おう、サンキュ」


 まだ寝ぼけているのか?
 自分が素っ裸なのに何の反応も見せない
 コップ一杯の水を飲み干すとグラスを
 私に渡し大きく伸びをした。


「いってぇ……」

「あ ―― 頭痛、やっぱひどいよね? 
 クスリ飲んでおく?」


 あれだけ飲んだのだ、
 そりゃそうだろう……
 と思ったのに ――

 抱えたままの衣服へ半ば顔を埋める
 ようにして、
 恥ずかしがる意外に乙女な私を見て
 木村さんはちょっとしたイタズラ心を
 起こす。


 ”昨夜はこの天然小悪魔に
  煽られっ放しで、
  とうとう一睡も出来んかったんねや
  から、
  このぐらいのおイタは許容範囲
  だよな~”


 わざと私の耳元へ口を寄せてきて、
 甘い声で囁く。


「しかしよぉ、
 昨夜は俺ほんと驚いちゃったよ。
 お前って意外と大胆なんやねぇ。
 久しぶりに腰ガタガタ」


 それを聞いた私は一気に顔の色を失い
 茫然自失の体で
 「シャワーしてくる」と、
 出て行った。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

処理中です...