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成長編
合コン ②
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「―― そろそろお時間ですので……」
3時間コースだった1次会の終わりは、店員さんの一声で幕を閉じた。
「あぁ俺は先に帰るから、この後は頼んだぞー」
順番に靴を履いている時に、池田さんが男性チームのリーダーらしい武東くんに声を掛けた。
「あー、じゃ私もお先させて貰おっかな。明日の1限、現国の小テストだから」
と、女子チームの1人も池田さんの後を追うように慌てて出て行った。
おそらく、この後あの2人はホテルへ直行だろう。
その頃私は ――――
中座した時の記憶と、少し先を歩く誰かの背中を頼りに、店内を進んでいく。
結構凝った造りになっている店内は、個性的な雰囲気満点で気分はいいけれど……アルコールが入ったほろ酔い加減では迷ってしまいそうで。
「……あや、こっちこっち」
曲がろうと思っていた方とは逆の通路で、柾也が手招き。
う~ん……こういうお店って苦手だよ。
私の方向音痴が顕著に表れる。
つま先の向きを180度変えて、柾也のいる通路に足を踏み入れた。
「何か用?」
「さっきはなんで助けてくれなかったんだよ」
柾也はトイレから戻った茉莉花から、かなり積極的なモーションをかけられていた。
それを私は面白いからと、見て見ぬフリをしていたので柾也は膨れているのだ。
「助ける? 誰が誰を、どうして?」
「しーっ。見つかっちゃうよ。もっと静かに」
柾也の端正な顔が信じらんないくらい至近距離にあって。
呼吸に混ざったアルコールのような香りもする。
「でも、皆なうちらの事、探してるかもよ? ううん、絶対探してる」
何とかこの場から逃れようとする私。
「だからー?」
「だから、合コンの後、2人して行方不明になったりしたら2人でフケたのバレバレやん」
「んじゃ、その通りにしたらええ」
「はぁっ??」
驚く私に柾也はフッと微笑んだ。
「シーッ。気付かれるで」
『まさやぁー? 先に行っちゃうぞー?』
『やだぁ、ダサあやもいないわー』
『あぁ、なら心配ないか』
『何言ってんの、大アリじゃない』
『あの2人、多分一緒だよ。子供じゃないだから心配ない』
『そうそう ―― ささ、まなちゃんも京子ちゃんも
そんな顔してないで、カラオケ行きましょう!』
一行はガヤガヤと出入り口の方へ移動して行った。
その後私は普通に柾也に寮まで送って貰った。
帰りの、道すがら柾也に、
『茉莉花からあんたの携番とメアド、GETしてって頼まれてるんやけどー』と言ったら、
『教えたらコロス』と真顔で凄まれた。
けど、週明け彼女と学校で顔合わせたら何って説明すりゃいいのよ。
3時間コースだった1次会の終わりは、店員さんの一声で幕を閉じた。
「あぁ俺は先に帰るから、この後は頼んだぞー」
順番に靴を履いている時に、池田さんが男性チームのリーダーらしい武東くんに声を掛けた。
「あー、じゃ私もお先させて貰おっかな。明日の1限、現国の小テストだから」
と、女子チームの1人も池田さんの後を追うように慌てて出て行った。
おそらく、この後あの2人はホテルへ直行だろう。
その頃私は ――――
中座した時の記憶と、少し先を歩く誰かの背中を頼りに、店内を進んでいく。
結構凝った造りになっている店内は、個性的な雰囲気満点で気分はいいけれど……アルコールが入ったほろ酔い加減では迷ってしまいそうで。
「……あや、こっちこっち」
曲がろうと思っていた方とは逆の通路で、柾也が手招き。
う~ん……こういうお店って苦手だよ。
私の方向音痴が顕著に表れる。
つま先の向きを180度変えて、柾也のいる通路に足を踏み入れた。
「何か用?」
「さっきはなんで助けてくれなかったんだよ」
柾也はトイレから戻った茉莉花から、かなり積極的なモーションをかけられていた。
それを私は面白いからと、見て見ぬフリをしていたので柾也は膨れているのだ。
「助ける? 誰が誰を、どうして?」
「しーっ。見つかっちゃうよ。もっと静かに」
柾也の端正な顔が信じらんないくらい至近距離にあって。
呼吸に混ざったアルコールのような香りもする。
「でも、皆なうちらの事、探してるかもよ? ううん、絶対探してる」
何とかこの場から逃れようとする私。
「だからー?」
「だから、合コンの後、2人して行方不明になったりしたら2人でフケたのバレバレやん」
「んじゃ、その通りにしたらええ」
「はぁっ??」
驚く私に柾也はフッと微笑んだ。
「シーッ。気付かれるで」
『まさやぁー? 先に行っちゃうぞー?』
『やだぁ、ダサあやもいないわー』
『あぁ、なら心配ないか』
『何言ってんの、大アリじゃない』
『あの2人、多分一緒だよ。子供じゃないだから心配ない』
『そうそう ―― ささ、まなちゃんも京子ちゃんも
そんな顔してないで、カラオケ行きましょう!』
一行はガヤガヤと出入り口の方へ移動して行った。
その後私は普通に柾也に寮まで送って貰った。
帰りの、道すがら柾也に、
『茉莉花からあんたの携番とメアド、GETしてって頼まれてるんやけどー』と言ったら、
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けど、週明け彼女と学校で顔合わせたら何って説明すりゃいいのよ。
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