アンフェア

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続きの続き(長文失礼)

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「あ、え、えっと ―― これはどうゆう事なんで」


  ”しょうか?”と続くはずだった実桜の言葉は
  羽柴の情熱的な口付けで呆気なく遮られて
  しまった。


「ん ―― ふ、ぁ……あ、ン……そこばっか……」


  自身の蜜だけでも十分濡れそぼったソコへ
  潤滑ジェルを丹念に塗り込められ、
  長くしなやかな指でゆっくりと内部を解され、
  実桜は堪え切れない喘ぎを漏らした。


「おい。ガキだと思って手加減してやりゃあ随分と
 好き勝手な事してくれたな」

「だ、だってあれは……」

「この俺を煽った責任はきっちりそのカラダでとって
 貰うからな」

「…………」


  まだ酔いの残った羽柴はその唇に吸いついた。
  舌を絡めて強く吸い上げる。


「あ……んんっ」


  見た目冷静そうな羽柴の激しいキスに戸惑う実桜。

  首筋に吸いつかれゾクッとした。

  唇は下に降りて来て半勃ちの乳首に吸いつく。


「あ ―― はぁ」


  2人の荒い吐息が寝室に響く。


「あ……」


  羽柴の口が固く尖った実桜の蕾の突起をすっぽりと
  包みこんだ。

  時に唇で扱き舌で舐めあげられ余裕がなくなり、
  実桜は自ら名乗り出た"処理係"である事を
  すっかり忘れていた。


「あぁンっ ―― はぁ はぁ いい……」


  淡白そうなのに意外に処理の愛撫は念入りで
  ねちっこくそして丁寧だった。


「は、ぁ……んあ……っ」


  (今まで色んな人に抱かれたけど、
   こんなに気持ち良かった事ってなかった……)


「あん、それ、や……」


  足の指先まで口に含み舐め回されて、
  実桜はビクンッと体を震わせる。

  たまらずに自ら蕾を手で弄んでみる。


「あ ―― あン」


  それを見て羽柴が実桜を四つん這いにし、
  そして双丘を開くとそこに息づく蕾を舌で丁寧に
  舐めあげはじめた。


「んんっ ―― はしば、さん。もう……」


  ハァハァ―― と荒い息をしながら股の間を
  覗き込むとそこにさっきより格段大きくなった
  羽柴の分身。


  (え? なにアレ……一種の詐欺じゃん。
   さっきのふにゃふにゃは何だったワケ?!)


「すご……おっき、すぎ……」

「そいつぁどーも」


  そう言って唾液で濡らした指を1本ずつ挿れてくる。


「あぅっ……」


  (へ? 何コレ……指、だよね? 指だけなのに、
   どして……あぁン ―― どしてこんなに気持ち
   いいの……?)


  指で入口付近を擦りあげられる。

  ビクンッ


「ひぇっ ―― ちょ、ソコあかん……」


  ビクンビクンッ


「うん、ココがいいんだな」

「良くな ――ンんっ。おねが……止め ――
 あああっ」


  (い……イク)


  その場所を重点的に攻められ、
  羽柴の指でイかされた実桜。

  かぁぁぁと顔が赤くなる。

  ―― と間髪をいれず蕾に固いモノがあたった。

  これぞ実桜の待っていたモノだ。
  でも、その圧倒的な質量に恐怖さえ感じる。


「あ ―― やっ、そんなおっきいの、やっぱ ――」

「無理、とか今更なしだぞ」


  ちょっと前まではごく普通のリーマンにしか
  見えなかった羽柴の瞳の奥に獰猛な野獣のような
  光が宿ったように見えた。


  (こ、この人、隠れどS ――??)


  目の奥がチカチカと火花を散らす。

  次の瞬間、圧倒的な重圧が実桜のナカを一杯にし、
  思わず声にならない喘ぎをあげ、
  背中をしならせた。


「悪い。痛かったか?」

「な ―― なんのこれしき……」


  完全な強がりだった。

  痛くはなかったが、実桜にとって羽柴のソレは
  許容範囲超えのデカブツで、こんな化物みたいな
  デカ*ラを受け入れられた自分を褒めてやりたい
  くらいだった。


「そっか。良かった……じゃ、動くぞ」

「え ――っ、それはちょっ、ま ――」


  実桜の制止は間に合わず、ここから羽柴の猛攻が
  始まった。


「ど、ぅっ、うわ、ぁ―― ひゃン……」


  ある意味 ”本当に詐欺だ” と、実桜は思った。

  こんな ”子作り以外のセックスは全て不純だ”
  とでも言い出しそうな、道徳教師か坊さんみたいな
  真面目な顔して、下手すりゃパートナーを
  抱き殺さんばかりの超激しいセックスをする
  なんて……。


「お……おねが ―― ちょっと、きゅうけい……」

「ん ―― まだ1回だけだぞ……しかし、意外に
 保った方だ」


  普段の実桜のセックスなら、
  軽く3ラウンドに到達している時間だ。

  遅漏にも程がある。

  1回がこんなに長く、
  イかされまくりなんて拷問に近い。

  苦しい程に気持ちが良いイカレたセックスを、
  実桜はした事がなかった。
  


「……何気にむかつく」


  良い様に弄ばれただけの実桜が、
  悔しくてそう文句を垂れる。

  そしたら、見下ろしていた羽柴に軽く腰を
  押されて、実桜はベッドに横向きに倒れる。


「それはこっちの台詞だ。もっと長く遊んで
 ぐちゃぐちゃにしてやるつもりだったのに、
 予定が崩れた」

「あー、さいざんすか、申し訳ありませんでしたね」


  冗談じゃない。悪魔だ、この男……。

  シーツと睨めっこから、
  ようやく視界が開けて見えた羽柴は、
  手慣れた動作で半分ほどに萎えたモノから白濁の
  溜まったコンドームを抜いて、後処理をする。


「あ ――」

「……なんだ?」

「一応、ゴムは付けてくれてたんだ。
 全然分かんなかった」


  そう。そこまで初めての羽柴とのセックスに
  のめり込んでいた。


「これくらい常識だろ。そりゃ、ナマで出した方が
 快感は数倍違うがお互い病気も怖いし、何より
 ナカ出しすれば後処理が面倒だ」


  四十路が近い男は、普段はしっかり撫でつけている
  であろう髪が乱れて、前髪が垂れている。

  眼鏡のないその男の顔は、
  出逢った時に見た不敵な似非インテリ男ではなく、
  情事の余韻を残して物凄く色気のある男の表情を
  している。

  あぁ、やだ!
  伊達に顔の好みがばっちりだから、
  うっかりこんな男に見惚れてしまう自分が
  情けない。

  表裏のギャップがこんなにも違う男は珍しい。

  じっと相手の顔を観察していたら、
  羽柴が背を向けた。
  ゴミを捨てる彼の広い背中に、
  炎を背負った厳めしい顔の不動明王が
  どどんと鎮座していた。

  色もしっかり入った消えない身体の絵画……、
  しかし、一部端っこの方の色が薄れ、その近くの
  辺りが火傷をしたような疵になっている所も
  ある。

  それはおそらく、墨をレーザーで焼ききり消して
  いる途中だと言うこと。


「……なんで墨、消してるの?」

「挿れたのは若気の至りだ。そのこと自体に
 後悔はしてないが、やっぱ堅気の仕事をやる上
 では何かと邪魔になってな」

「じゃ、いずれは全部消しちゃうんだ」

「あぁ、そうならんと困る」


  実桜はその背中へ愛おしそうに頬ずり、
  時には唇を這わせながら羽柴の前へも手を回し
  羽柴のモノを掴んだ。


「ね、次はナマでやって?」



  昨夜はこっちが休む間もないくらい
  求めてきたくせに ――

  翌朝羽柴が目覚めた頃には、羽柴の億ションから
  実桜の姿は忽然と消えていた。

  しかし、意外な場面で再会する……

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