CircuS

夜玖 弥生

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“シャルム”

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 攫われる子には、共通点があった。
 それは、居場所のない子だけを攫うということ。ツィルクスは、そんな子供達を集めて、サーカス団を作ったんだ。
 その数人の子の中に、美しき彼女はいた。ブロンドの長い髪に、伏せ目がちな瞳。あどけなさが少し残った顔立ち。陶器のように白い肌は、彼女をより可憐に魅せる。儚いという言葉をよくあらわした美少女だった。
 美しさ、魅惑という意を込め、彼は彼女に“シャルム”という新しい名を与え、綱渡りという役職を告げた。繊細で技の美しさも問われるような演目は、彼女にぴったりだ。
 役職を告げられたことが、ここにいていいという合図。
彼女は……シャルムは、人懐っこくすぐにサーカス団の子供たちに馴染んだ。みんなの姉として慕われるようになり、団員は家族のように仲良く笑い合う。時間を忘れて過ごした。ここでの時間はあっという間で、毎日が楽しく、気が付けば攫われた時から十年もの月日が経っていた。
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