2 / 5
“シャルム”
しおりを挟む
攫われる子には、共通点があった。
それは、居場所のない子だけを攫うということ。ツィルクスは、そんな子供達を集めて、サーカス団を作ったんだ。
その数人の子の中に、美しき彼女はいた。ブロンドの長い髪に、伏せ目がちな瞳。あどけなさが少し残った顔立ち。陶器のように白い肌は、彼女をより可憐に魅せる。儚いという言葉をよくあらわした美少女だった。
美しさ、魅惑という意を込め、彼は彼女に“シャルム”という新しい名を与え、綱渡りという役職を告げた。繊細で技の美しさも問われるような演目は、彼女にぴったりだ。
役職を告げられたことが、ここにいていいという合図。
彼女は……シャルムは、人懐っこくすぐにサーカス団の子供たちに馴染んだ。みんなの姉として慕われるようになり、団員は家族のように仲良く笑い合う。時間を忘れて過ごした。ここでの時間はあっという間で、毎日が楽しく、気が付けば攫われた時から十年もの月日が経っていた。
それは、居場所のない子だけを攫うということ。ツィルクスは、そんな子供達を集めて、サーカス団を作ったんだ。
その数人の子の中に、美しき彼女はいた。ブロンドの長い髪に、伏せ目がちな瞳。あどけなさが少し残った顔立ち。陶器のように白い肌は、彼女をより可憐に魅せる。儚いという言葉をよくあらわした美少女だった。
美しさ、魅惑という意を込め、彼は彼女に“シャルム”という新しい名を与え、綱渡りという役職を告げた。繊細で技の美しさも問われるような演目は、彼女にぴったりだ。
役職を告げられたことが、ここにいていいという合図。
彼女は……シャルムは、人懐っこくすぐにサーカス団の子供たちに馴染んだ。みんなの姉として慕われるようになり、団員は家族のように仲良く笑い合う。時間を忘れて過ごした。ここでの時間はあっという間で、毎日が楽しく、気が付けば攫われた時から十年もの月日が経っていた。
0
あなたにおすすめの小説
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
予言姫は最後に微笑む
あんど もあ
ファンタジー
ラズロ伯爵家の娘リリアは、幼い頃に伯爵家の危機を次々と予言し『ラズロの予言姫』と呼ばれているが、実は一度殺されて死に戻りをしていた。
二度目の人生では無事に家の危機を避けて、リリアも16歳。今宵はデビュタントなのだが、そこには……。
繰り返しのその先は
みなせ
ファンタジー
婚約者がある女性をそばに置くようになってから、
私は悪女と呼ばれるようになった。
私が声を上げると、彼女は涙を流す。
そのたびに私の居場所はなくなっていく。
そして、とうとう命を落とした。
そう、死んでしまったはずだった。
なのに死んだと思ったのに、目を覚ます。
婚約が決まったあの日の朝に。
使い捨て聖女の反乱
あんど もあ
ファンタジー
聖女のアネットは、王子の婚約者となり、瘴気の浄化に忙しい日々だ。 やっと浄化を終えると、案の定アネットは聖女の地位をはく奪されて王都から出ていくよう命じられるが…。 ※タイトルが大げさですがコメディです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる