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夜玖 弥生

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笑顔

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 いつからか、彼が自分にだけ、笑顔を見せなくなった。常に笑顔だった彼が。それから、会話が減り、冷たくあしらわれることも増え、すれ違うこともなくなった。
 避けられるようになったのだ。
 なんで? なんでなの……?
 いつしか彼を目で追うことが多くなり、いつの間にか毎日が彼でいっぱいになった。彼の声が、彼の優しさが、彼の笑顔が好きで。
 ……もう手遅れだった。
 彼女は、彼に思いを告げたいと願う。ただ、好きだと純粋な気持ちを伝えたい。でも、それは叶わない願いだった。
 ……ほらね? 今だって、後ろに立っている陰に気づいてる。誰がいるかなんてわかってるんだ。でも、シャルムはそれに気づかないふりをした。その人の手に持つものが怖くても……。
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