夜の記録

ドルドレオン

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二人は、静かな風の中で互いに目を合わせた。彼女の目にも、主人公の目にも、これまでには感じたことのない深い何かが宿っているのがわかる。その瞬間、彼女の胸のあたりがふわりと光り、その光がゆっくりと広がっていくのを、主人公は見逃さなかった。まるで花が開くように、柔らかな光の波が彼女の心の奥から溢れ出てきた。

彼女は一瞬、驚いたように目を見開く。しかし、すぐにその光を受け入れ、温かく微笑んだ。主人公はその光景に言葉を失い、ただ静かに見守ることしかできなかった。

「あなたの中にも花が咲いています。」主人公は静かに、でも確信を持って言った。

彼女はゆっくりと頷きながら、ふわりとその光に包まれるように立ち上がった。「本当に、不思議なことがあるのね。」彼女の声はどこか柔らかく、優しさに満ちていた。

二人は、心の花が開く瞬間を共に感じていた。まるでこの瞬間に二人の心がひとつになったような、そんな不思議な感覚が二人を包み込む。それは言葉で表現できるようなものではなく、ただ感じるものだった。

しばらくして、妖精が静かに彼らの前に現れた。彼女の光のような姿が、さらに強く、温かいものに感じられる。妖精は静かに微笑みながら、二人を見つめていた。

「ありがとう。」主人公はその小さな声を、妖精に向けて言った。感謝の気持ちが溢れ出すように、その言葉が自然に出てきた。

妖精は優しく頷き、そして二人に言った。「心の花は、あなたたちが思い、感じることのすべてから生まれます。それは決して無駄ではなく、決して消え去ることはありません。あなたたちが心を開くことで、花は咲き続け、愛が広がり続けるのです。」

その言葉を聞き、主人公は胸の奥で何かが軽くなるのを感じた。彼の中にあった不安や迷いが、少しずつ消えていくようだった。彼はただ、今この瞬間を大切に感じ、心の中で深く感謝の気持ちを抱えていた。

「ありがとう。」彼女も、小さな声で言った。

二人は妖精にお礼を伝えると、静かにその場を離れることにした。歩きながら、二人は互いに微笑み合い、ただその時を楽しんでいた。心の花が咲き、彼らの間に温かな絆が深まっていくのを感じながら。

どこか遠くから、妖精の声が柔らかく響いてきた。「愛の花は、永遠に咲き続ける。あなたたちの心の中で、ずっと。」

その言葉を胸に、二人はゆっくりと歩き出した。前方に広がる道はまだ長いけれど、今はその道を歩むことが楽しみになっていた。そして、心の花はこれからも、二人の間で咲き続けるだろうという確信を持って、彼らは歩みを進めた。



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