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第6話 元の世界への帰還
フローラ王女に案内されたどり着いた儀式の部屋は、僕たちがこの世界に召喚された4年前のあの日から何一つ変わっていなかった。
あの日から待ち望んでいた元の世界への帰還がついに叶えられる時が来たのだ。
(家族のお墓とかどうなってるのかな?……そもそも4年も行方不明になってる僕も死亡扱いになってるかな?)
元の世界への帰還が目前に迫ってきたことで、これからのことを考えてしまい胸に不安がよぎる。中卒でも働ける場所を探さないといけないし、そもそも僕の帰る家があるのかもわからない。
「勇者の皆様、準備ができましたので、こちらの陣の上にいらしてください」
そんなことを考えているうちに儀式の最終準備ができたようでフローラ王女が声をかけてくる。
「……これで俺たちが会えるのも最後になるんだな」
部屋の中央に描かれている魔法陣の上に移動している最中に赤井さんが感慨深そうにつぶやく。
実は僕たちは5人とも地球の日本から召喚されているのだが、歴史や時事などに細かい違いがあった。そのことから僕たちはいわゆるパラレルワールドの日本からそれぞれ召喚されたのであろうという結論に落ち着いた。
なので皆が帰る世界もバラバラとなり、一緒にいられるものこれが最後になるというわけである。
「そうですね~。みなさんとは折角仲良くなれたのに、お別れになるのは寂しいですね~」
「4年間一緒に苦労を分け合った仲だからな、生涯の友になれたといっても過言ではなかったな」
「本当に残念だわ。元の世界の高校でもこんなに仲良くなれた友達は少なかったのに。……優人だけでも同じ世界に連れていけないかしら?」
「僕も皆さんと会えなくなってしまうのは残念です」
赤井さんの言葉に感化されたのか他の皆も口々に別れを惜しむような言葉を告げる。……橋本さんだけ最後に不穏なことをつぶやいた気がするが聞かなかったことにしておく。何年も一緒に旅をしていたことで出来上がった皆の絆は固いようだ。
僕も皆のことをかけがえのない友人だと思っているが、1年近くしか一緒に過ごすことができなかった。そのため皆と同じ空気感を出してよいのか悩んでいたが、気が付けば自分の本心を告げていた。
やはり僕も皆と一緒にこの世界で魔王討伐の旅をしたかった。そういう思いがあったことを今更ながらに自覚する。師匠と過ごした日々も楽しい毎日であったが、欲を言えば異世界を皆で見て回ってみたかった。
「勇者の皆様、準備はよろしいですか?」
「「「「「はい」」」」」
「それでは儀式を始めさせていただきます」
フローラ王女は僕たち5人の返事を聞くと、魔法陣の前で膝をつき胸の前で両の手を組み祈り始める。少し時間が経つと魔法陣が光を放ち始め、光が僕たちを包み込んでいく。
この世界に来た時と同じであればもうすぐ転移が始まる。転移をする前にこの世界でお世話になったもう1人に感謝を述べる。
「ニナ師匠、長い間大変お世話になりました。これからもお肉だけでなく野菜をバランスよく食べてくださいね。それに面倒臭がらないで寝る前にはしっかり歯を磨いて下さい。あとは……」
「あ~よいよい、オヌシはワシの母親か。そんなに心配せずとも大丈夫じゃから安心せい」
確かに色々と余計な気遣いをしすぎたかもしれない。周りのみんなも苦笑している。でも師匠は大雑把なところがあるから心配してしまうのも仕方がないというものだ。
「すいません師匠。……それでは、これからもお元気で」
「オヌシも、……いや、ユウトもあちらの世界で達者での」
そう告げた師匠の少し寂しげな笑顔を最後に僕の視界は白い光に包まれた。
自分をまとっていた光が消え、気が付くと僕は白い空間にいた。見覚えのない空間にあたりを見渡していると目の前に白いドレスをまとった金髪の女性が突如現れた。
「初めまして、異世界の勇者よ。私はあなたたちをイシュタルの地へと転移させた女神です」
なんと目の前に現れた女性は、僕たちに加護を与えて異世界に転移させた神様であるようだ。
いきなり神様と2人の空間に連れてこられ、緊張して身構えている僕に女神様は微笑みを浮かべながら声をかけてくる。
「まずは私の世界の者たちに代わり、魔王討伐を成していただき感謝いたします。少しお話をしたいだけですので、そんなに身構えないでください」
「……僕は魔王討伐に関しては何もできていませんけども」
「ですが他の方はあなたを含む5人全員の成果だと仰っていました」
どうやら僕以外の4人とはお話をしたあとのようであり、皆は僕のことも仲間と思ってくれていたようで少しほっとする。
「では気を取り直して……。あなた方には魔王討伐の報酬としてできる範囲で願いを叶えましょう」
願いと聞いて一番に思いついたのは元の世界にいた家族の存在である。できる範囲というものが気にはなるがダメもとで言ってみるのもいいだろう。
「……僕の願いは4年前に亡くなってしまった家族を生き返らせることです」
「申し訳ないけれど、私の力ではあなたの世界で亡くなった人の生命をどうにかすることはできません」
「そうですか……。そうなると他ですぐに思いつくものはないですね」
「まだ時間はありますのでゆっくり考えてくださって結構です」
想定はしていたが、やはり家族を生き返らせることはできないようだ。女神さまの返答を聞いたときに思った以上にショックを受けなかったのは、4年という月日で家族の死について心の整理ができていたのであろう。
そう考えると召喚された直後に元の世界に帰れなかったのは逆に良かったのかもしれない。あの時の僕は少し自棄になっていたので、元の世界に帰ったところで何をしていたのかわからない。そのようなことを考えていると女神さまが意外な事実を明らかにしてきた。
「あなたがすぐに元の世界に帰れなかったのは、第1王女が召喚陣に組み込んだ呪いが原因です。本来ならばあの場ですぐに帰還することはできました」
「呪い?なぜそのようなものを第1王女が使ったんですか?」
「そもそも元の世界に帰すつもりはなかったのでしょう。それでも第2王女が呪いを解析・解呪したからその計画も無駄になってしまったようです」
女神様が教えてくれた新事実に動揺が隠せない。しかし皆で晩餐会を抜け出した直後に王様や第1王女側の人間が僕たちを探しに来なかったのは、そもそも帰還ができないと高を括っていたと考えると辻褄があう。どうりでフローラ王女の部屋で何時間もゆったりとお茶ができたわけだ。
そのフローラ王女も僕たちにかけられた呪いの解析を1人でひっそりと行っていたようである。もっとしっかりとお礼を言っておくべきであった。
「それなら私が伝えておいてあげましょう。これは願いとは別でサービスにしてあげますね」
「ありがとうございます。とても感謝しているとお伝えください」
当然のように僕の考えを読んでいることはこの際無視して、神様を使いっ走りにするのに少し抵抗があるが、僕にはほかに取れる手段がないのでお願いしてしまおう。
そう話をしているうちに考えがまとまったので、女神さまに願いを告げる。
「女神様、僕の願いは僕を召喚された当時、4年前の召喚された時間に戻してもらうことです」
「召喚された4年前に帰還する。願いはこれでよろしいですね?」
「はい、それでお願いします」
せめて家族を自分の手で供養をしようと考え、あの当時に戻ることを願いとする。これで本当の意味で家族の死を受け入れられるような気がする。
「わかりました。それでは転送をします」
女神様の手が振られると僕の体が淡い光に包まれる。これは転送が始まる前兆なのだろうと思い目を閉じる。
「元の世界に帰った後、そこまで苦労しないように少しサービスをしておきますね」
最後に女神さまの声が聞こえた気がしたが、その言葉の意味を理解する前に僕は意識を手放した。
あの日から待ち望んでいた元の世界への帰還がついに叶えられる時が来たのだ。
(家族のお墓とかどうなってるのかな?……そもそも4年も行方不明になってる僕も死亡扱いになってるかな?)
元の世界への帰還が目前に迫ってきたことで、これからのことを考えてしまい胸に不安がよぎる。中卒でも働ける場所を探さないといけないし、そもそも僕の帰る家があるのかもわからない。
「勇者の皆様、準備ができましたので、こちらの陣の上にいらしてください」
そんなことを考えているうちに儀式の最終準備ができたようでフローラ王女が声をかけてくる。
「……これで俺たちが会えるのも最後になるんだな」
部屋の中央に描かれている魔法陣の上に移動している最中に赤井さんが感慨深そうにつぶやく。
実は僕たちは5人とも地球の日本から召喚されているのだが、歴史や時事などに細かい違いがあった。そのことから僕たちはいわゆるパラレルワールドの日本からそれぞれ召喚されたのであろうという結論に落ち着いた。
なので皆が帰る世界もバラバラとなり、一緒にいられるものこれが最後になるというわけである。
「そうですね~。みなさんとは折角仲良くなれたのに、お別れになるのは寂しいですね~」
「4年間一緒に苦労を分け合った仲だからな、生涯の友になれたといっても過言ではなかったな」
「本当に残念だわ。元の世界の高校でもこんなに仲良くなれた友達は少なかったのに。……優人だけでも同じ世界に連れていけないかしら?」
「僕も皆さんと会えなくなってしまうのは残念です」
赤井さんの言葉に感化されたのか他の皆も口々に別れを惜しむような言葉を告げる。……橋本さんだけ最後に不穏なことをつぶやいた気がするが聞かなかったことにしておく。何年も一緒に旅をしていたことで出来上がった皆の絆は固いようだ。
僕も皆のことをかけがえのない友人だと思っているが、1年近くしか一緒に過ごすことができなかった。そのため皆と同じ空気感を出してよいのか悩んでいたが、気が付けば自分の本心を告げていた。
やはり僕も皆と一緒にこの世界で魔王討伐の旅をしたかった。そういう思いがあったことを今更ながらに自覚する。師匠と過ごした日々も楽しい毎日であったが、欲を言えば異世界を皆で見て回ってみたかった。
「勇者の皆様、準備はよろしいですか?」
「「「「「はい」」」」」
「それでは儀式を始めさせていただきます」
フローラ王女は僕たち5人の返事を聞くと、魔法陣の前で膝をつき胸の前で両の手を組み祈り始める。少し時間が経つと魔法陣が光を放ち始め、光が僕たちを包み込んでいく。
この世界に来た時と同じであればもうすぐ転移が始まる。転移をする前にこの世界でお世話になったもう1人に感謝を述べる。
「ニナ師匠、長い間大変お世話になりました。これからもお肉だけでなく野菜をバランスよく食べてくださいね。それに面倒臭がらないで寝る前にはしっかり歯を磨いて下さい。あとは……」
「あ~よいよい、オヌシはワシの母親か。そんなに心配せずとも大丈夫じゃから安心せい」
確かに色々と余計な気遣いをしすぎたかもしれない。周りのみんなも苦笑している。でも師匠は大雑把なところがあるから心配してしまうのも仕方がないというものだ。
「すいません師匠。……それでは、これからもお元気で」
「オヌシも、……いや、ユウトもあちらの世界で達者での」
そう告げた師匠の少し寂しげな笑顔を最後に僕の視界は白い光に包まれた。
自分をまとっていた光が消え、気が付くと僕は白い空間にいた。見覚えのない空間にあたりを見渡していると目の前に白いドレスをまとった金髪の女性が突如現れた。
「初めまして、異世界の勇者よ。私はあなたたちをイシュタルの地へと転移させた女神です」
なんと目の前に現れた女性は、僕たちに加護を与えて異世界に転移させた神様であるようだ。
いきなり神様と2人の空間に連れてこられ、緊張して身構えている僕に女神様は微笑みを浮かべながら声をかけてくる。
「まずは私の世界の者たちに代わり、魔王討伐を成していただき感謝いたします。少しお話をしたいだけですので、そんなに身構えないでください」
「……僕は魔王討伐に関しては何もできていませんけども」
「ですが他の方はあなたを含む5人全員の成果だと仰っていました」
どうやら僕以外の4人とはお話をしたあとのようであり、皆は僕のことも仲間と思ってくれていたようで少しほっとする。
「では気を取り直して……。あなた方には魔王討伐の報酬としてできる範囲で願いを叶えましょう」
願いと聞いて一番に思いついたのは元の世界にいた家族の存在である。できる範囲というものが気にはなるがダメもとで言ってみるのもいいだろう。
「……僕の願いは4年前に亡くなってしまった家族を生き返らせることです」
「申し訳ないけれど、私の力ではあなたの世界で亡くなった人の生命をどうにかすることはできません」
「そうですか……。そうなると他ですぐに思いつくものはないですね」
「まだ時間はありますのでゆっくり考えてくださって結構です」
想定はしていたが、やはり家族を生き返らせることはできないようだ。女神さまの返答を聞いたときに思った以上にショックを受けなかったのは、4年という月日で家族の死について心の整理ができていたのであろう。
そう考えると召喚された直後に元の世界に帰れなかったのは逆に良かったのかもしれない。あの時の僕は少し自棄になっていたので、元の世界に帰ったところで何をしていたのかわからない。そのようなことを考えていると女神さまが意外な事実を明らかにしてきた。
「あなたがすぐに元の世界に帰れなかったのは、第1王女が召喚陣に組み込んだ呪いが原因です。本来ならばあの場ですぐに帰還することはできました」
「呪い?なぜそのようなものを第1王女が使ったんですか?」
「そもそも元の世界に帰すつもりはなかったのでしょう。それでも第2王女が呪いを解析・解呪したからその計画も無駄になってしまったようです」
女神様が教えてくれた新事実に動揺が隠せない。しかし皆で晩餐会を抜け出した直後に王様や第1王女側の人間が僕たちを探しに来なかったのは、そもそも帰還ができないと高を括っていたと考えると辻褄があう。どうりでフローラ王女の部屋で何時間もゆったりとお茶ができたわけだ。
そのフローラ王女も僕たちにかけられた呪いの解析を1人でひっそりと行っていたようである。もっとしっかりとお礼を言っておくべきであった。
「それなら私が伝えておいてあげましょう。これは願いとは別でサービスにしてあげますね」
「ありがとうございます。とても感謝しているとお伝えください」
当然のように僕の考えを読んでいることはこの際無視して、神様を使いっ走りにするのに少し抵抗があるが、僕にはほかに取れる手段がないのでお願いしてしまおう。
そう話をしているうちに考えがまとまったので、女神さまに願いを告げる。
「女神様、僕の願いは僕を召喚された当時、4年前の召喚された時間に戻してもらうことです」
「召喚された4年前に帰還する。願いはこれでよろしいですね?」
「はい、それでお願いします」
せめて家族を自分の手で供養をしようと考え、あの当時に戻ることを願いとする。これで本当の意味で家族の死を受け入れられるような気がする。
「わかりました。それでは転送をします」
女神様の手が振られると僕の体が淡い光に包まれる。これは転送が始まる前兆なのだろうと思い目を閉じる。
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