ママ友と……

足利直建

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第13話 本性を暴きだされて

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 初めて見るナオミさんの裸は均整のとれた見事な筋肉質。
 その上、胸の膨らみや腰のくびれもしっかりある。
 まるで美術館に飾られている彫像のようだ。

「そんなにじろじろ見られたら、恥ずかしいでしょ。ほら、立って」
 ナオミさんがベッドから立たそうとして私の手を引っ張った。
 気だるい体をなんとか起こす。

 床に足をついてなんとか立ちあがろうとしたが、腰から下の力がまったく入らない。
 すぐにお尻を床にぺたんとつけて座り込んでしまった。

「腰が抜けたの? これぐらいで情けないわね。仕方ない」
 ナオミさんは私の首の後ろに左の腕を回し、右腕を両膝の裏側に差し入れて軽々と持ち上げた。

 いわゆるお姫様抱っこ。
 夫にもこんな風に抱かれたことは一度もなかった。
 ナオミさんが何かのはずみに手を滑らせ、落とされたら怖いのでナオミさんの首に腕を巻きつけた。

「思ったより軽いわね」
 私を抱きかかえたままフラつくこともなくナオミさんは歩きだした。
 私は小柄だが、大人だからそれなりの体重はある。
 座り仕事である作家のナオミさんはジムにでも行って、鍛えているのだろう。

 密着するナオミさんの裸体からは汗の匂いがする。
 それは不快なものではなかった。
 深く吸い込むたびに気分が昂揚してくる。

 メスを惹きつけるための濃厚なフェロモン。
 こんなフェロモンが出るなんてナオミさんは、やはり生まれながらのレズビアンなんだろう。
 もっとよく嗅ぎたくなって、ナオミさんの胸に顔を埋めた。

 ナオミさんは浴室に入ると、洗い場にそっと私を横たわらせた。
「たっぷり楽しませてあげたんだから、今度は私の番ね」
 そう言うと、後ろ向きに私の顔を跨いで腰を下ろしてくる。

 愛液が滴り落ちるブロンドの飾り毛で覆われた股間が目の前に迫ってくる。
「いやっ」
 私は小さく叫んで、横を向こうとするが、ナオミさんの両足に顔が挟まれていて動かすことができない。
 ナオミさんが私の顔の上に腰を下ろした。

「ほら、舐めなさい」
 私の顔の上でモゾモゾとナオミさんの臀部が動いた。
 口だけではなく鼻まですっかり塞がれてしまう。

「うっー。うーー」
 息ができない。
 苦しさで口が勝手に開いてくる。
 ナオミさんのヒップを手で押しのけようとしたが、びくともしない。

「ほら、早くしなさい」
 イラつくような怒声とともに、パチン、パチンと開きっぱなしになっている私の股間に平手打ちが落ちてくる。

 痛みと屈辱感で涙が頬を伝う。
 もう逃げることはできない。
 フェラチオという行為は知識としては知っているが、今までしたことがない。
 男性の性器なら咥えればいいのかなと思うが、女性のモノに対してはどうすればいいか想像できない。

 とりあえず、ナオミさんがしたことを真似てみる。
 舌を出して陰部の上にイキリ勃っている小豆大になった蕾や膣口を舐めていると、ナオミさんの体液が溢れてきて口に入ってきた。

「ああー、いいー。上手じゃない。もっと舐めて」
 ナオミさんが股間を顔にグリグリッと押し付けてくる。
 次から次へと噴き出してくる生臭さいものが口の中がいっぱいになった。

 人の出したものを飲むなんて抵抗がある。
 吐き出したいが、口が塞がれているのでできない。
 苦しくなってきた。
 飲み込むしかない。

 覚悟を決め、呼吸を止めて飲み下した。
 喉から胃まで女の生臭い液体が通っていく。
 吐き気がしてくる。

 私のものもきっと同じなんだろう。
 ナオミさんはそれを苦もなく飲んでいた。
 こんなにまずいものを平気で飲めるなんてとても信じられない。

 しかし、嫌々ながらも喉の奥に流し込んでいるうちにその不快感が徐々に消えていく。
 ナオミさんの体液が私の感覚を蝕みだしているみたいだ。

 生臭いだけだったはずの液体がまるで媚薬にでもなったかのように、埋み火として残っていた情欲の炎を燃え上がらせていく。
 気がつけば、まるでビールでも飲むようにゴクゴクと喉を鳴らして夢中に飲み干していた。

 しばらくすると、ナオミさんの白い太ももが唐突に震えだした。
「あっ」という声がしたかと思うと、私の足のほうへと上体がゆっくりと倒れていった。

「すごく気持ちよかった。お返ししてあげる」
 ナオミさんは荒い呼吸をしながらそう言うと、ちょうど顔の位置にあった私の股間に舌を這わせた。

「そんなことしてくれなくていいです。もうやめて。私は家に帰りたいだけです」
 もう数えられないぐらい性の極致を味わされた。
 今までの人生で経験した回数を軽く超えている。
 これ以上続けられたら、体も心も完全に壊れてしまいそうだ。

「まだ、ダメ。もっともっと一緒に楽しみましょう」
 ナオミさんが無慈悲に言い放つ。
 舌先が私の蕾をツンツンとノックする。
 それだけで体が痺れてきた。

「アーン。ナオミさん、もう満足したんでしょ。もう許して。うーーん。そこダメえーン」
 甘い声が口から迸ってしまう。
 拒絶の言葉を吐いているが、体は正直だ。
 ナオミさんのテクニックに溺れそうになってくる。

「一度ぐらいで満足できるわけないでしょ。全然足りない。沙也加もまだまだ足りないんでしょ。ほら、またいやらしいモノが溢れてきてるじゃない」
 知り尽くした指が入ってきて、私の弱いところばかりを的確に責めてくる。

「あなたー、助けて。もう堪えられない。私、ダメになるかもしれない」
 同じホテルの別の部屋にいるはずの夫に助けを求めた。
 ナオミさんの卓越したテクニックでこのままイカされ続けたら、もう夫では満足できなくなりそうだ。

 私は夫を愛している。
 夫も浮気をしていてるが、まだ私を愛してくれていると信じている。
 莉緒のことも愛しているはずだ。
 浮気は一時の気の迷いに違いない。
 向き合って話し合えばきっと元のように戻れる。

 でも、ナオミさんから与えられる快楽に溺れてしまったら、夫への愛情を無くしてしまう。
 そんな予感がする。
 そうなる前に、夫に救って欲しい。

「本当に可愛いわね。旦那は来てくれないわよ。今ごろ志保とベッドの中で仲良くやってるわよ。沙也加の体にはもう興味がないのよ」
 ナオミさんは馬鹿にするように言った。

「そんなことない。夫を愛しているの。夫も……。だから、もうやめて」
 私はイヤイヤをするように、首を激しく振って迫り来るものに抵抗しようとした。

「ふふふふ。そんな強がりがいつまで言えるかしら」
 ナオミさんの唇と舌の攻撃に私はすぐに頂上へと上りそうになる。

 この快楽地獄から逃れるには、私がイキ果てる前にナオミさんを満足させるしかない。
 だが、経験豊富なナオミさんに勝てるはずがなかった。
 ナオミさんが満足するまでに10度以上も気をやらされ、完全にのびてしまった。

 ナオミさんはのびている私を優しく抱き起こし、支えるように後ろに座って体や髪を丁寧に洗ってくれる。
 その間も「可愛かったわよ」とか「沙也加、大好きよ」とか耳元で囁きながら、抱きしめてキスをしてくる。

 浴室から出た後も、私の髪をドライヤーで丁寧にブラッシングしながら乾かしてくれる。
 その間も「髪がキレイね」とか優しい言葉をずっと投げかけ続けてくれた。

 夫はコトが終わったらさっさと寝てしまう。
 優しい言葉なんかかけられたことがない。
 男と女は違うということは頭では分かっている。
 でも、比べるとどっちがいいかは明らかだ。

「こんなに素敵な沙也加をほったらかしにして、浮気をするなんてひどい旦那ね。わたしなら、ほったらかしなんかしない」
 ナオミさんが微笑んだ。

 私を裏切り浮気をして可愛がってもくれない夫とこんなにも体を愛でてくれるナオミさんのどちらを取るかは比べるまでもない。
 頭の中から旦那のことは完全に消え失せた。

 ベッドに寝からせられると、自分からナオミさんに口づけをした。
 舌を絡ませて吸い上げる。
 唇を離すと、驚いたような顔をしているナオミさんの顔が目に入ってきた。

「あら、ずいぶん積極的ね」
 ナオミさんが驚いたような顔をする。

「私をめちゃくちゃにしてください。私をナオミさんのものにして」
 私はナオミさんに縋りついた。

「いいわ。お望みどおり旦那さんのもう二度と思い出せないぐらいむちゃくちゃにしてあげる」
 ナオミさんの指と舌が何度も味わされた悦びの極地へと私を導いていく。

「ハーン。いいー。ナオミさんのこと愛してる」
 心の底からの声が出る。
 もっともっとナオミさんに愛されたい。

「旦那とどっちがいいの」
 ナオミさんが右足を掴んで肩に担ぎ上げるようにした。
 お互いの性器と性器を引っ付けてくる。


「アーン。ナオミさんのほうほうがいい」
 私はもう我慢することをやめた。
 快感の大波に身をゆだねる。

「わたしが言ったとおりでしょ。沙也加は男とでも女とでもできる淫乱女だって。素直になりなさい」
 沙也加さんが腰を激しくうねらせる。
 お互いの小さな突起物が擦れる。

「ごめんなさい。沙也加は男も女にも抱かれて喜ぶいやらしい女です。これからは素直にナオミさんに抱かれます」
 硬度を増した小さな突起物が絡み合い、重なった二人の下半身の唇の隙間から互いのよだれが混ざり合って滴り落ちていく。

「呼んだらすぐに飛んでくるのよ」
 ナオミさんの指がカチカチになった乳首を摘んだ。

「あ~っ。行きます。行きますから。もうダメえ~。ダメなのー」
 顔を真っ赤にして腰を振り続けるナオミさんに甘えるような鼻にかかった声で訴えた。

「まだ駄目。もうちょっとなの。一緒にイクの。我慢して」
 ハアー、ハアーというナオミさんの熱くて甘く荒い息が私の顔にかかってくる。

「イジワルゥー。もう我慢できないの~。早く。早くぅー」
 ナオミさんを少しでも早く追い込もうと激しく腰を動かす。
 目の奥がチカチカと光る。
 歯がカタカタとなった。
 もう我慢できない。

「あー、はあーん、ダメえー。イク、イクぅー」
 ナオミさんの震えが、足から体全体に伝わってくる。
 その声が聞こえた瞬間、私の腰から脊髄を脳髄へと電流が走った。

「あーー」
 私が頂上に到達した直後にナオミさんが倒れた。

 ナオミさんは荒い呼吸して、しばらく突っ伏してからゆっくり起き上がった。
 ワインセラーからワインを取り出してグラスに入れると飲んだ。

 ワインとグラスをナイトテーブルまで持ってきて、一口飲むとキスしてきた。
 液体が流れ込んでくる。
 喉が渇いていたので、なんの躊躇いもなくゴクゴク喉を鳴らして飲んだ。

「もっと欲しい?」
 私はコクリと頷いた。
 何度も口移しで飲ましてくれた。
 体がまた熱くなってくる。

「好きなだけ抱いて。私をナオミさんのモノにして」
 自分から下半身を押しつけ、口づけをしながら舌を絡ませていく。
 ナオミさんは私の望みどおりしてくれた。
 毛一本も動かせなくなるまで楽しませてもらい、いつしか意識が遠のいていた。
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