ママ友と……

足利直建

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第12話 イキ地獄の中で

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「あーっ。またイク、イクぅー」
 一度絶頂に達したあとも、ナオミさんの指と唇による卓越した技巧で私の体は苛まれ続け、数えきれないほど絶息した。

「やめて。許して」と、泣き喚いていくら懇願しても責めは止まらない。
 意識は遠のき自分がどんな状態になっているかもわからなくなってくる。

「沙也加のこのいやらしいところがカラカラになって、スケベ汁が一滴も出なくなるまでやめないから」
 そう言ってナオミさんは楽しそうに私の体を弄び続ける。

「うっ、うっ、もう死んじゃう。ああー、またイク、イク~。う~、う~っ」
 弓なりになって何十回目かの頂上に上りつめる。

「そう。死ぬほどいいのね。そんなにいいのなら、もっともっとよくしてあげる」
 ドロドロに溶けきった膣の中をナオミさんの指がかき混ぜた。

「いっ、い、イクぅー。……。ハッ、ハッ、胸が苦しいの。うっ、うっ、息ができない。これ以上されたら本当に死んじゃう。もうやめて。指を抜いてー」
 私は泣き叫んだ。

「もうここは飽きたっていうことかしら」
 指が中から出ていく。
 やっと終わったと思って、ホッと息をついた。
 だが、私の考えは甘かった。

「じゃあー、ここならどう?」
 包皮から顔を出しているクリトリスの頭をナオミさんの舌がノックする。

「それダメぇー。イク、イクー」
 全身を痙攣させてまたも絶頂してしまう。

「うふふ。もうこうなったら沙也加はダメね。呼ばれればいつでも飛んでくる肉奴隷になると誓いなさい」
 固く膨らんだ両方の乳首をナオミさんの指が弾いた。

「あああー」
 また、あっけなく昇天してしまう。

 私は俗に言うイキっぱなしの状態になっている。
 ちょっと体を刺激されただけで達してしまう。
 なにをされても気持ちがいい。

 私が上り詰めてしまうナオミさんは罵るように言う。

 たて続けに数えくれないぐらいの性の高みを味合わされて声も涙も枯れ、体は疲れ果て小刻みに震えることしかできなくなっていた。

「完全にグロッキーっていう感じね。少し休むとするかな」
 ようやくナオミさんが体を離してくれた。

 ここにいては、またオモチャにされてしまう。
 もう帰らなくちゃ。
 起きあがろうとする意思に反して、瞼が勝手に閉じていき、いつの間にか眠ってしまった。

 目が覚めたとき、ナオミさんはベッドにいなかった。
 今のうちに帰ろうとするが、腰から下が鉛のように重くて動けない。
 しばらく微睡んでいると、ナオミさんが部屋に入ってきた。

「あら、ようやくお目覚め」
 ナオミさんは私の横に寝転び、体を抱きしめてきて顎を掴みキスをしてくる。
 もうすっかり抵抗する気力がなくなった私はなすがまま。
 入ってきた舌の動きに応えるように自分のものを動かす。

「いま、何時?」
 満足したように舌が離れるとナオミさんに何気なく聞いた。

「6時よ」
 ナオミさんが枕元にあるナイトテーブルの時計を見て言った。

「6時?」
 私は飛び起きた。
 一瞬にして、女から母に戻った。

 莉緒が学校から帰ってきている時間を過ぎている。
 鍵を持たせていないから家には入られない。
 ドアの前で泣いている姿が目に浮かぶ。

「どうしたの? そんなに慌てて」
 ナオミさんがのんきそうに笑う。

「莉緒に鍵をを持たせていないから、きっと泣いている。早く帰らないと」
 重い体を無理やり起こして、ベッドの上に散らかっている服や下着をかき集めた。

「大丈夫。真央が面倒を見てくれてるはずだから」

「真央が。どうして」
 真央はフウちゃんのママで、私の中学のときの同級生。

 同じクラスになったことは一度もがなかったので、顔は知っていたが、しゃべったことは一度もなかった。

 莉緒の入学式のときに真央のほうから話しかけてくれた。
 中学のときの先生やお互いに知っている同級生のことで盛り上がり、それから親しくなった。

 真央は父親が病院を経営していて、そこて薬剤師をしている。
 いかにもお嬢様という風貌をしていておっとりとした感じ。
 話し方もすごく優しく喋りやすかった。

 真央は一番初めにできたママ友。
 ママ友の中では、もっとも仲がいい。

「真央はわたしのセフレ。エリと莉緒ちゃんの面倒をみてくれるように頼んどいたから」
 ナオミさんは私を押し倒した。

 ナオミさんのセフレ?
 そんな話は真央から聞いていない。
 麻央には家族への不満や愚痴など何でも話せた。
 夫とセックスレスだという話も。

 真央も姑に気を使って大変だとか単身赴任している夫に愛人がいるということなどお互い人には話せないようなことも話せる仲だと思っていた。
 それなのに……。

 真央とナオミさんとの関係に全く気付かなかった。
 ナオミさんを含めて仲のいいママ友が集まったときもそんな風には見えなかった。

 いつの間にそんな関係になったのだろう。
 真央もナオミさんの毒牙にかかってしまったということか。

「さあ、続きをするわよ」
 ナオミさんは胸をまさぐってくる。

「もうダメ。莉緒が寂しがるから帰らせて」
 ナオミさんの手を押さえた。
 まだやろうというのか。
 ナオミさんの底なしの性欲に舌を巻いてしまう。

「そんなに心配しなくていいって。今日はわたしの仕事の手伝いをしてもらうから、帰られないかもしれないって言ってもらってるから」

「でも、一人でお泊りなんかしたことないから泣いてるかもしれない」
 私や夫の実家に行くときぐらいしか、人の家に泊まったことがない。

 今年になって、莉緒はやっと一人で寝られるようになったが、去年までは私と夫の間に寝ていた。
 友だちが一緒とはいえ、まったくの他人の家に泊まることができるか心配だ。

「心配性ね。だったら、真央に確かめてみたら」
 ナオミさんの顔が半笑いになる。

 私の上に乗ったまま手を伸ばしてナイトテーブルの上に置いてあった私のバッグから許可なしに携帯電話を取り出して渡してきた。

 ナオミさんに組み敷かれたまま電話帳を出して、真央にかけた。
 彼女の推しである韓国系ダンスグループの曲が流れてくる。

「はあい」
 のんびりとした声が聞こえてきた。

「真央。莉緒はそっちに行っている?」

「来てるわよ」

「泣いてない?」

「大丈夫。いま、2階で楓花《ふうか》たちと遊んでるから心配しないで」
 私は少し安心した。

「でも、着替えとか持っていないでしょ」

「ナオミさんがエリちゃんの分といっしょに持ってきてくれた」

「そうなの。……。アッ。いやっ。ちょっとやめて」
 ナオミさんが私の胸を揉みだしだ。

「気にいるかどうかわからないけど、買って持って行ってる」
 ナオミさんが乳首を舐めながら言う。
 電話の声が聞こえているのだろう。

「うっ。もう邪魔しないで。ウ~ン。莉緒はお泊りのこと知っているの?」
 話の邪魔をするナオミさんを睨んだ。

「あら、まだお楽しみ中のようね。話したよ。莉緒ちゃん、楓花たちとお泊まりできるのを喜んでたから大丈夫。安心して。沙也加もゆっくり楽しんできて」
 含み笑いをしているような声で真央が言った。

「そうじゃない。真央、違うの。でも、……。ぐうー。あ、明日の用意が。うっ、うっ」
 ナオミさんの手が股間をまさぐる。
 私は手で口を押さえて出そうになる声を押さえた。

「学校へ行くまでに明日の道具を持ってきてくれたらいいよ。あんまりオジャマしても悪いから切るね」

「ちょっ、待って」
 私の声も虚しく電話は切れてしまった。

「だから、大丈夫だって言ったでしょ。また、たっぷり可愛がってあげる」
 胸を揉んでいたナオミさんのが股間に伸びてくる。

「許してえー。しないで。ほんとうにもうムリ」
 私はナオミさんの手を払いのけた。
 まだ体が重い。

「さっき、休ませてあげたでしょ」
 ナオミさんが不満そうな声を上げた。

「もう壊れちゃう」
 女同士のHがエンドレスということを知って、セックスレスだった私はどんな感じなんだろうと興味を持ったこともあった。
 だが、実際に経験するとこんなに大変なものだったとは。

 少し眠っただけでは疲れが取れない。
 体は鉛のように重く、頭の中はまだ夢の中にいるみたいにボーっとしている。

「仕方ないわね。汗もかいたことだし、一度シャワーでも浴びるか。沙也加のいやらしいところもドロドロだし」
 ナオミさんの目は股間を凝視している。

「いやあー。見ないで」
 ナオミさんの目から隠そうと、力がほとんど入らない開いたままの足をなんとか動かして閉じて、手を当てて股間を隠した。

「いまさらそんなことをしても遅いわよ。さっきまでさんざん見られてるんだから」
 ナオミさんが着ているものを全部脱ぎ捨てた。
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