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第5章 緋色の龍宮(饗宴)
5-7.サラ・シアター
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リーの秘書フランクが図面を操作し、最下層の構造を詳述し始める。
この「プレミアム・ダイブ」の前に、ゲストには義務付けられたプロセスがある。
それが、個室の大型モニターで鑑賞する『SARAH THEATER』だ。
「龍宮の最下層には、世界で唯一の聖域『SARAH THEATER』を設置します。そこでは、あなたが秘蔵している3つの聖典を上映したいのです」
リーが熱望したのは、黒崎が自らの支配の証として保管している、今やネット上からも消えた幻の映像群だった。
1. 『THE ABYSS PEARL : The Evolution SARAH』(60分):
ストリーミングも廃止され、今や伝説となった幻の処女作
2. 『VANTABLACK(ヴァンタブラック)アーカイブ』(31分):
黒崎が支配者として記録し、決して表に出さなかったある1日の生々しい記録
3. 『「深淵の奇跡」― 最後の14分間』(14分):
安藤との死闘において、2台の水中ドローンが捉えた驚愕の記録
特に3本目は、黒崎がヘンリーに依頼して、警察に押収される前に安藤の船のコンピュータから強奪した「禁断の記録」だ。安藤は、サラが白目を剥き、大股を開いて沈んでいく姿を見て彼女の死を確信し、歓喜の中で逮捕された。
だが、ドローンはその後も追い続けていたのだ。水深90メートルの暗黒でサラが突如として目を開き、反転して水面を目指す14分間の神話。
ヘンリーはここでも、完璧すぎる仕事をしてくれた。
「死の淵から戻った神に、1時間だけ触れることができる。それも全裸で。……彼らにとっては安い買い物だと思いませんか?」
リーが続ける。
「このダイブに仰々しい加圧カプセルや装置は不要です。必要なのは、覚悟と欲望だけ」
リーは黒崎を見つめ、組んだ脚の指先で赤いハイヒールを遊ばせながら解説を続けた。
密室の構造
ゲストがドアを開けて入る部屋は、そのほとんどが「水」で占められている。
地形を利用し、直径10メートル、水深50メートルという、巨大な円柱の海水プールだ。
床は5~50mの範囲での可動式だ。
入り口のそばには、着替えのためのわずか一畳ほどの狭いスペースしかない。
全裸の契約
ゲストはその狭いスペースで、持てるすべての権威と服を脱ぎ捨て、完全に全裸になる。
備え付けられているのは、1本の酸素ボンベとマスクのみ。
これを使用するか、あるいはサラ様の口移しを求めて生身で挑むかは、ゲストの自由だ。
サラ様の出現
ゲストが意を決して水に飛び込むと、そこにはまだ誰もいない。
数秒後、推進5メートルのプールの壁から出てきたサラが、一筋の気泡とともに水面へと浮上してくる。
禁断のルール
このダイブにおいて、ゲストはサラの肢体に何をしても許される。
愛撫し、舐め回し、欲望の限りを尽くしてもいい。
ただし、「挿入」だけは厳格に禁じられている。
「黒崎さん、あなたのプライドも守らなくてはなりませんから」
とリーは微笑む。
自分の女を他人に抱かせるという黒崎の屈辱を最小限に抑えるための、リーが提示した唯一の、そして絶対の境界線。
それが守られているかどうかは、ヘンリーのシステムが張り巡らせた高感度カメラによって監視されるのだ。
この「プレミアム・ダイブ」の前に、ゲストには義務付けられたプロセスがある。
それが、個室の大型モニターで鑑賞する『SARAH THEATER』だ。
「龍宮の最下層には、世界で唯一の聖域『SARAH THEATER』を設置します。そこでは、あなたが秘蔵している3つの聖典を上映したいのです」
リーが熱望したのは、黒崎が自らの支配の証として保管している、今やネット上からも消えた幻の映像群だった。
1. 『THE ABYSS PEARL : The Evolution SARAH』(60分):
ストリーミングも廃止され、今や伝説となった幻の処女作
2. 『VANTABLACK(ヴァンタブラック)アーカイブ』(31分):
黒崎が支配者として記録し、決して表に出さなかったある1日の生々しい記録
3. 『「深淵の奇跡」― 最後の14分間』(14分):
安藤との死闘において、2台の水中ドローンが捉えた驚愕の記録
特に3本目は、黒崎がヘンリーに依頼して、警察に押収される前に安藤の船のコンピュータから強奪した「禁断の記録」だ。安藤は、サラが白目を剥き、大股を開いて沈んでいく姿を見て彼女の死を確信し、歓喜の中で逮捕された。
だが、ドローンはその後も追い続けていたのだ。水深90メートルの暗黒でサラが突如として目を開き、反転して水面を目指す14分間の神話。
ヘンリーはここでも、完璧すぎる仕事をしてくれた。
「死の淵から戻った神に、1時間だけ触れることができる。それも全裸で。……彼らにとっては安い買い物だと思いませんか?」
リーが続ける。
「このダイブに仰々しい加圧カプセルや装置は不要です。必要なのは、覚悟と欲望だけ」
リーは黒崎を見つめ、組んだ脚の指先で赤いハイヒールを遊ばせながら解説を続けた。
密室の構造
ゲストがドアを開けて入る部屋は、そのほとんどが「水」で占められている。
地形を利用し、直径10メートル、水深50メートルという、巨大な円柱の海水プールだ。
床は5~50mの範囲での可動式だ。
入り口のそばには、着替えのためのわずか一畳ほどの狭いスペースしかない。
全裸の契約
ゲストはその狭いスペースで、持てるすべての権威と服を脱ぎ捨て、完全に全裸になる。
備え付けられているのは、1本の酸素ボンベとマスクのみ。
これを使用するか、あるいはサラ様の口移しを求めて生身で挑むかは、ゲストの自由だ。
サラ様の出現
ゲストが意を決して水に飛び込むと、そこにはまだ誰もいない。
数秒後、推進5メートルのプールの壁から出てきたサラが、一筋の気泡とともに水面へと浮上してくる。
禁断のルール
このダイブにおいて、ゲストはサラの肢体に何をしても許される。
愛撫し、舐め回し、欲望の限りを尽くしてもいい。
ただし、「挿入」だけは厳格に禁じられている。
「黒崎さん、あなたのプライドも守らなくてはなりませんから」
とリーは微笑む。
自分の女を他人に抱かせるという黒崎の屈辱を最小限に抑えるための、リーが提示した唯一の、そして絶対の境界線。
それが守られているかどうかは、ヘンリーのシステムが張り巡らせた高感度カメラによって監視されるのだ。
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