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「……はぁ。やっと屋敷の中が落ち着きましたわ」
私はサロンの特等席で、アッシュ様が用意してくださった最高級の茶葉を楽しみながら、深く息を吐きました。
福利厚生改革(という名の搾取作戦の失敗)から数日。
屋敷の使用人たちは、以前にも増してキビキビと、そして何より「お嬢様のために!」という異常なまでの熱意を持って働くようになってしまいました。
もはや、私が「お茶が冷めていてよ!」と文句を言おうものなら、「申し訳ございません! すぐに汲みたての天然水を沸かしてまいります!」と、全力の笑顔で対応されてしまうのです。
(……悪女への道、あまりにも険しすぎますわ。やはり、外部からの刺激が必要かもしれませんわね)
そう思っていた矢先のことでした。
「お嬢様、大変です! 裏門……ではなく、今度は正門から堂々と、王太子殿下とマリエル様がご到着されました!」
リタが、どこかワクワクしたような顔で駆け込んできました。
「……殿下とマリエル様が? また?」
私は眉をひそめました。
先日、王宮のパーティーであれだけ派手に「真実」をぶちまけたというのに、まだ私に用があるのかしら。
「ええ。殿下は『あの時、クロエルの本当の姿を聞いてから、夜も眠れないほど後悔している。一度、彼女が本当に惨めな思いをしていないか、この目で確かめなければならない』とおっしゃっているそうですわ」
「……惨めな思い? 私が?」
私は、自分の周りを見渡しました。
金糸で刺繍されたソファ。
テーブルに並ぶ、宝石のような小菓子。
そして、私の肌を最高の状態に保つために特注された、シルクのドレス。
(どこからどう見ても、贅沢の限りを尽くした『勝ち組』にしか見えませんけれど……)
「いいわ、通してちょうだい。殿下には、私がどれほど『惨めに』アッシュ様に虐げられているか、たっぷりと見せつけて差し上げますわ!」
私はニヤリと不吉な笑みを浮かべました。
殿下が「同情」しに来たのなら、それを利用しない手はありません。
「助けて殿下! 私は毎日、こんなに高いお菓子を無理やり食べさせられているの!」と泣きつけば……あ、これでは自慢にしかなりませんわね。
客間に現れたジュリアン殿下は、以前よりも少しだけやつれた様子で、マリエル様の手を引いて入ってきました。
「……クロエル。……変わりないか?」
ジュリアン様は、私の姿を見るなり、その場に立ち尽くしました。
彼の瞳には、明らかな「困惑」が浮かんでいます。
「あら、殿下。ご機嫌よう。見ての通りですわ。私は今、アッシュ様という冷酷な独裁者に、この忌々しい屋敷に閉じ込められ、一歩も外に出られない『囚われの身』なんですのよ」
(さあ、可哀想だと思いなさい! そしてアッシュ様を非難して、私を自由な……あ、自由になっても行く場所がありませんわね!)
「囚われ……。だが、君、なんだか以前より肌に艶があって、血色も良くなっているように見えるが……」
「それは、……それはアッシュ様が、私を逃がさないために、毎日最高級の美容液を無理やり塗りたくらせているからですわ! なんて恐ろしい執着心かしら! 私は毎日、その屈辱に耐えながら、鏡を見るたびに涙を流しているんですのよ!」
(……本当は、鏡を見るたびに『あら、今日の私、過去最高に可愛いですわね』とニヤついているなんて、口が裂けても言えませんわ!)
「クロエル様……。本当に、本当にお辛いのではないですか?」
隣でマリエル様が、今にも泣き出しそうな顔で私の手を取りました。
「マリエル様、あなたまで。……ええ、そうですわ。私は……っ」
(私は、あなたたちに嫌われたくて仕方がないんですのよ!)
――ググッ。
喉の奥に、灼熱のマグマのような「本音」がせり上がってきました。
チョーカーが、かつてないほど激しく、部屋全体を紫色の慈愛の光で満たしました。
「……マリエル様、あなたまで。……ええ、そうですわ。私は……っ、……私は、今、人生で一番幸せですわ!! アッシュ様に甘やかされ、愛され、毎日あなたの幸せを祈りながら、温かいベッドで眠れる……。こんなに贅沢な日々、バチが当たってしまうんじゃないかと不安になるくらい、最高にハッピーなんですのよーーー!!」
「…………えっ」
「…………なっ」
ジュリアン様とマリエル様が、二重唱のように絶句しました。
(あああああ! また! また私の口が!! 誰かこの口を、高級なマカロンで塞いでくださいまし!!)
「……クロエル。今、幸せだと言ったか?」
ジュリアン様が、震える声で問いかけました。
「ち、違います! 今のは首輪の誤作動……いえ、私の皮肉ですわ! 私は今、地獄の底にいるような気分で……っ」
(……地獄どころか、アッシュ様という名の天国で、愛の洪水に溺れている気分ですわ! ああ、もう、アッシュ様のあの低い声で『おはよう』と言われるだけで、私の心臓は朝からフルマラソンを完走したような状態なんですのよ!!)
「…………っ!!」
部屋の隅で、ずっと無言で事の推移を見守っていたアッシュ様が、ガバッと顔を両手で覆いました。
彼の耳の先端が、見たこともないほど真っ赤に染まっています。
「ア、アッシュ……。君、彼女に一体何を……」
ジュリアン様が、戦慄したような目でアッシュ様を見ました。
「……何もしていない。……彼女が、勝手に『真実』を吐いているだけだ」
アッシュ様の声は、かつてないほど激しく震えていました。
それは怒りではなく、……耐え切れないほどの「歓喜」と「羞恥」の混ざり合った響き。
「殿下。お分かりいただけましたか? 私がどれほど、この冷徹公爵に心を奪われ、骨抜きにされているか……っ(本当は:ああもう、穴があったら入りたいですわ!)」
「……クロエル。君は、私へのあてつけでそんなことを言っているのか?」
ジュリアン様が、自嘲気味に笑いました。
「私は君を『嘘つき』と罵り、捨てた。……だから君は、あえて『幸せだ』と嘘を吐くことで、私を傷つけようとしているのだな。……ああ、なんて健気なんだ……!」
(違いますわ! 違いますのよ! なんでそんな『悲劇のヒロイン』みたいな解釈になるのよ!!)
「……違いますわ、殿下! 私は……っ」
(私は、本気でアッシュ様を愛しているんですのよ! あなたのことなんて、もう一ミリも未練なんてありませんわ!)
「……違いますわ、殿下! 私は……っ、……私は、もうあなたの顔を見ても、なんの感情も湧かないほど、アッシュ様の色に染め上げられているんですの! あなたへの愛なんて、アッシュ様からもらった最初の一口のスープと一緒に、胃の中に消えてしまいましたわ!!」
「…………。そうか。……分かった」
ジュリアン様は、深く、深く頭を下げました。
「君のその『幸せという名の真実』……。私は、それを信じることにしよう。……アッシュ。彼女を……クロエルを、死ぬまで離さないでやってくれ」
「……言われるまでもない」
アッシュ様が私の肩を抱き寄せ、ジュリアン様を射貫くような視線で見据えました。
「彼女の『真実』を一番近くで聞く権利は、私だけのものだ。殿下といえど、これ以上の立ち入りは禁ずる」
「……ああ。……行こう、マリエル。……私たちは、彼女の足元にも及ばない。……本物の愛を、ここで見せつけられた気分だ」
ジュリアン様は、どこかスッキリとした、けれど少しだけ寂しそうな顔で、マリエル様と共に去っていきました。
一人残された私は、アッシュ様の腕の中で、ガックリと項垂れました。
(……終わりましたわ。殿下にまで、私の『メロメロっぷり』が完膚なきまでに知れ渡ってしまいましたわ……)
「……クロエル」
アッシュ様の熱い吐息が、耳元を掠めます。
「……今の言葉、もう一度聞かせてもらおうか。……『私に染め上げられている』……だったな?」
「ひぃいいい! 忘れてください! 今すぐ忘れてくださいまし!!」
(あああああ! 私の悪女としてのプライドが、公爵様の独占欲という名のブラックホールに吸い込まれていきますわーーー!!)
私はサロンの特等席で、アッシュ様が用意してくださった最高級の茶葉を楽しみながら、深く息を吐きました。
福利厚生改革(という名の搾取作戦の失敗)から数日。
屋敷の使用人たちは、以前にも増してキビキビと、そして何より「お嬢様のために!」という異常なまでの熱意を持って働くようになってしまいました。
もはや、私が「お茶が冷めていてよ!」と文句を言おうものなら、「申し訳ございません! すぐに汲みたての天然水を沸かしてまいります!」と、全力の笑顔で対応されてしまうのです。
(……悪女への道、あまりにも険しすぎますわ。やはり、外部からの刺激が必要かもしれませんわね)
そう思っていた矢先のことでした。
「お嬢様、大変です! 裏門……ではなく、今度は正門から堂々と、王太子殿下とマリエル様がご到着されました!」
リタが、どこかワクワクしたような顔で駆け込んできました。
「……殿下とマリエル様が? また?」
私は眉をひそめました。
先日、王宮のパーティーであれだけ派手に「真実」をぶちまけたというのに、まだ私に用があるのかしら。
「ええ。殿下は『あの時、クロエルの本当の姿を聞いてから、夜も眠れないほど後悔している。一度、彼女が本当に惨めな思いをしていないか、この目で確かめなければならない』とおっしゃっているそうですわ」
「……惨めな思い? 私が?」
私は、自分の周りを見渡しました。
金糸で刺繍されたソファ。
テーブルに並ぶ、宝石のような小菓子。
そして、私の肌を最高の状態に保つために特注された、シルクのドレス。
(どこからどう見ても、贅沢の限りを尽くした『勝ち組』にしか見えませんけれど……)
「いいわ、通してちょうだい。殿下には、私がどれほど『惨めに』アッシュ様に虐げられているか、たっぷりと見せつけて差し上げますわ!」
私はニヤリと不吉な笑みを浮かべました。
殿下が「同情」しに来たのなら、それを利用しない手はありません。
「助けて殿下! 私は毎日、こんなに高いお菓子を無理やり食べさせられているの!」と泣きつけば……あ、これでは自慢にしかなりませんわね。
客間に現れたジュリアン殿下は、以前よりも少しだけやつれた様子で、マリエル様の手を引いて入ってきました。
「……クロエル。……変わりないか?」
ジュリアン様は、私の姿を見るなり、その場に立ち尽くしました。
彼の瞳には、明らかな「困惑」が浮かんでいます。
「あら、殿下。ご機嫌よう。見ての通りですわ。私は今、アッシュ様という冷酷な独裁者に、この忌々しい屋敷に閉じ込められ、一歩も外に出られない『囚われの身』なんですのよ」
(さあ、可哀想だと思いなさい! そしてアッシュ様を非難して、私を自由な……あ、自由になっても行く場所がありませんわね!)
「囚われ……。だが、君、なんだか以前より肌に艶があって、血色も良くなっているように見えるが……」
「それは、……それはアッシュ様が、私を逃がさないために、毎日最高級の美容液を無理やり塗りたくらせているからですわ! なんて恐ろしい執着心かしら! 私は毎日、その屈辱に耐えながら、鏡を見るたびに涙を流しているんですのよ!」
(……本当は、鏡を見るたびに『あら、今日の私、過去最高に可愛いですわね』とニヤついているなんて、口が裂けても言えませんわ!)
「クロエル様……。本当に、本当にお辛いのではないですか?」
隣でマリエル様が、今にも泣き出しそうな顔で私の手を取りました。
「マリエル様、あなたまで。……ええ、そうですわ。私は……っ」
(私は、あなたたちに嫌われたくて仕方がないんですのよ!)
――ググッ。
喉の奥に、灼熱のマグマのような「本音」がせり上がってきました。
チョーカーが、かつてないほど激しく、部屋全体を紫色の慈愛の光で満たしました。
「……マリエル様、あなたまで。……ええ、そうですわ。私は……っ、……私は、今、人生で一番幸せですわ!! アッシュ様に甘やかされ、愛され、毎日あなたの幸せを祈りながら、温かいベッドで眠れる……。こんなに贅沢な日々、バチが当たってしまうんじゃないかと不安になるくらい、最高にハッピーなんですのよーーー!!」
「…………えっ」
「…………なっ」
ジュリアン様とマリエル様が、二重唱のように絶句しました。
(あああああ! また! また私の口が!! 誰かこの口を、高級なマカロンで塞いでくださいまし!!)
「……クロエル。今、幸せだと言ったか?」
ジュリアン様が、震える声で問いかけました。
「ち、違います! 今のは首輪の誤作動……いえ、私の皮肉ですわ! 私は今、地獄の底にいるような気分で……っ」
(……地獄どころか、アッシュ様という名の天国で、愛の洪水に溺れている気分ですわ! ああ、もう、アッシュ様のあの低い声で『おはよう』と言われるだけで、私の心臓は朝からフルマラソンを完走したような状態なんですのよ!!)
「…………っ!!」
部屋の隅で、ずっと無言で事の推移を見守っていたアッシュ様が、ガバッと顔を両手で覆いました。
彼の耳の先端が、見たこともないほど真っ赤に染まっています。
「ア、アッシュ……。君、彼女に一体何を……」
ジュリアン様が、戦慄したような目でアッシュ様を見ました。
「……何もしていない。……彼女が、勝手に『真実』を吐いているだけだ」
アッシュ様の声は、かつてないほど激しく震えていました。
それは怒りではなく、……耐え切れないほどの「歓喜」と「羞恥」の混ざり合った響き。
「殿下。お分かりいただけましたか? 私がどれほど、この冷徹公爵に心を奪われ、骨抜きにされているか……っ(本当は:ああもう、穴があったら入りたいですわ!)」
「……クロエル。君は、私へのあてつけでそんなことを言っているのか?」
ジュリアン様が、自嘲気味に笑いました。
「私は君を『嘘つき』と罵り、捨てた。……だから君は、あえて『幸せだ』と嘘を吐くことで、私を傷つけようとしているのだな。……ああ、なんて健気なんだ……!」
(違いますわ! 違いますのよ! なんでそんな『悲劇のヒロイン』みたいな解釈になるのよ!!)
「……違いますわ、殿下! 私は……っ」
(私は、本気でアッシュ様を愛しているんですのよ! あなたのことなんて、もう一ミリも未練なんてありませんわ!)
「……違いますわ、殿下! 私は……っ、……私は、もうあなたの顔を見ても、なんの感情も湧かないほど、アッシュ様の色に染め上げられているんですの! あなたへの愛なんて、アッシュ様からもらった最初の一口のスープと一緒に、胃の中に消えてしまいましたわ!!」
「…………。そうか。……分かった」
ジュリアン様は、深く、深く頭を下げました。
「君のその『幸せという名の真実』……。私は、それを信じることにしよう。……アッシュ。彼女を……クロエルを、死ぬまで離さないでやってくれ」
「……言われるまでもない」
アッシュ様が私の肩を抱き寄せ、ジュリアン様を射貫くような視線で見据えました。
「彼女の『真実』を一番近くで聞く権利は、私だけのものだ。殿下といえど、これ以上の立ち入りは禁ずる」
「……ああ。……行こう、マリエル。……私たちは、彼女の足元にも及ばない。……本物の愛を、ここで見せつけられた気分だ」
ジュリアン様は、どこかスッキリとした、けれど少しだけ寂しそうな顔で、マリエル様と共に去っていきました。
一人残された私は、アッシュ様の腕の中で、ガックリと項垂れました。
(……終わりましたわ。殿下にまで、私の『メロメロっぷり』が完膚なきまでに知れ渡ってしまいましたわ……)
「……クロエル」
アッシュ様の熱い吐息が、耳元を掠めます。
「……今の言葉、もう一度聞かせてもらおうか。……『私に染め上げられている』……だったな?」
「ひぃいいい! 忘れてください! 今すぐ忘れてくださいまし!!」
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