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緊急派遣

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「はい、まぁ」

 俺の返事は曖昧だったのに芹澤は、何故か『良かった!』と更に安心した声になる。

『悪いけどさぁ、今から出れない? 秋木さんから指名したいって電話が来たんだよね』

 ……は? 

 俺は驚いた。

 確かに秋木は「ちょくちょく呼ぶと思う」と言ってくれたし、実際数日に一回は予約を入れられて赴いていたけれど、これほど急な呼び出しなどなかったのだ。

 なにか急用だろうか。

 いや、疲れすぎて今すぐ寝たいということだろうか。

 もはや自分の仕事も忘れたような心配をしてしまった。

 だが実際、俺は秋木にとって、売りをする男の子というより抱き枕認識なのだから、こちらとしても間違ってはいないはず。

 それはともかく、俺は返事を考えたが一瞬だった。

 いいだろう、勉強も切りのいいところまで進められたし続きは明日やればいい。

「いいですよ」

 なので受け入れる返事をした。

 芹澤が『ありがとう!』と、もっと声を高くしたのは言うまでもないだろう。
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