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緊急派遣

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 それで簡単な打ち合わせだけして、俺はすぐに出掛けることになった。

 まったく、勉強中の男子大学生を『抱き枕が必要だから』って呼び出すとかどんな変人だよ。

 いや、それに付き合う俺も大概なのか。

 いや、客なんだからそのくらいしても……。

 色々と考えつつ、俺は外出用の服に着替えていった。

 幸い、シャワーは学校から帰ってきた直後に浴びていた。

 よってパスということにする。

 向こうで入らされるかもしれないし。

 着替えが終わって、俺は思いついたことがあった。

 これは更に『大概』なことであったが、実のところ、少し前から考えていたことだ。

 迷ったのは少しだけで、俺はキッチンへと向かった。

 明日のために残しておいたご飯の入った炊飯器を開ける。

 そこであれこれ作業をしたが、ほんの五分ほど。

 出来上がったものをアルミホイルに包んで、一応ランチクロスになど包んで、バッグに入れた。

「行ってきます」

 こんな時間に出掛けることになるとは思わなかったと思いつつ、俺は挨拶をして家を出た。

 バッグを肩からかけて、階段を降りる。

 こんなことまったく、情が移ったようだ、と思えども、多分その通りなのであった。
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