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トウシューズは宝物

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 着がえにも手間どらない。

 莉瀬は制服を脱いで、タイツとレオタードに、ぱぱっと着がえた。

 タイツはプレーンなピンク色。

 レオタードはワインレッド。

 なんとなく『バレエを習うイメージ』と想像していた、フリフリのスカートやかざりがついているレオタードも、あるにはある。

 けれどそれはCクラスくらいまでで、つまり高学年になるころには着ない子のほうが増えてくる。

 別に禁止はされていないけれど、だいたいBクラスに上がるころにはそういうかわいいレオタードは卒業するもののようであった。

 今着ているのも、スクール水着のようなそっけない形のもの。

 ただ、あまりにかわいげがなさすぎるのもなぁと思ったので、色だけは暗い色であるけど赤にした。

 まわりの同じクラスの子たちも似たようなもの、紺色やらグレーやらダークピンクやら、そういうものを着ている。

 大人のひと、高校生くらいのひとたちはなにかサポーターのようなパンツやくつ下をつけていたりするけれど、そういうものはまだいらないようである。

 聞いたことはないけれど、雰囲気的に莉瀬はそう感じた。
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