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一夜が明けて
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「だから。ノアが居てくれてほんとに良かったんだ」
マグカップから視線を上げたコリンは言ったが、すぐに慌てたような顔になった。
「あっ、そ、そうじゃないよ! ああいうことができたのが良かったとかそれだけじゃなくて。なんというか」
言い方が必死であったので、ノアはちょっと笑ってしまう。
「わかっているさ。お前の力になれたのなら嬉しいなと思って」
「そ、そう。……ありがと」
コリンはまた『居心地が悪い』という様子でマグカップに視線を戻してしまう。
今のその様子は、昨夜見せた狼男の顔とは少し違う。
子供の様子がまだ混じっていた。
微妙な年ごろだ。
体は大人。心も大人の様子を見せることもある。
が、まだ無邪気で成熟しきらない子供らしい部分も、心の中には確かにあるのだ。
そしてノアにとってはそこがかわいらしいと思うところであり、魅力なのであった。
本当に、このひとに惹かれている。
ノアは心から実感してしまった。
「ごちそうさま。あの、このお皿、洗うの」
「ああ、大丈夫だ。オレが」
食べ終わった食器を洗うという概念はあるらしい。当然かもしれないが。
けれど人間のするようなやり方には慣れていないだろう。
よってノアはそう言ったのだが、コリンに「オレがやるよ」と言われてしまった。
「ご馳走になったんだから、洗うくらいしないと」
「律儀だな……」
言ったノアだったが、どうやらコリンの意図とは少し違っていたらしい。
「……覚えておいたほうが、きっと将来いいかなって思うから」
その意味はノアにはわからなかった。
しかし疑問に覚える前にコリンが流しへ行ってしまう。
疑問は一旦置いておくことにして、ノアはコリンに洗い方を教えていく。
初めて皿を洗うのだ。
慎重にしていただろうが、皿は石鹸で滑ってつるりとコリンの手から逃げてしまって、床に落ちて粉々になってしまった。
コリンがそれを見てしょげ返ってしまったのは言うまでもない。
マグカップから視線を上げたコリンは言ったが、すぐに慌てたような顔になった。
「あっ、そ、そうじゃないよ! ああいうことができたのが良かったとかそれだけじゃなくて。なんというか」
言い方が必死であったので、ノアはちょっと笑ってしまう。
「わかっているさ。お前の力になれたのなら嬉しいなと思って」
「そ、そう。……ありがと」
コリンはまた『居心地が悪い』という様子でマグカップに視線を戻してしまう。
今のその様子は、昨夜見せた狼男の顔とは少し違う。
子供の様子がまだ混じっていた。
微妙な年ごろだ。
体は大人。心も大人の様子を見せることもある。
が、まだ無邪気で成熟しきらない子供らしい部分も、心の中には確かにあるのだ。
そしてノアにとってはそこがかわいらしいと思うところであり、魅力なのであった。
本当に、このひとに惹かれている。
ノアは心から実感してしまった。
「ごちそうさま。あの、このお皿、洗うの」
「ああ、大丈夫だ。オレが」
食べ終わった食器を洗うという概念はあるらしい。当然かもしれないが。
けれど人間のするようなやり方には慣れていないだろう。
よってノアはそう言ったのだが、コリンに「オレがやるよ」と言われてしまった。
「ご馳走になったんだから、洗うくらいしないと」
「律儀だな……」
言ったノアだったが、どうやらコリンの意図とは少し違っていたらしい。
「……覚えておいたほうが、きっと将来いいかなって思うから」
その意味はノアにはわからなかった。
しかし疑問に覚える前にコリンが流しへ行ってしまう。
疑問は一旦置いておくことにして、ノアはコリンに洗い方を教えていく。
初めて皿を洗うのだ。
慎重にしていただろうが、皿は石鹸で滑ってつるりとコリンの手から逃げてしまって、床に落ちて粉々になってしまった。
コリンがそれを見てしょげ返ってしまったのは言うまでもない。
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