窓の外には黄色の月が

白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!

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過ぎていく季節

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 それからコリンは、ちょくちょくノアの家に遊びに来るようになった。
 恋人関係になったのだ。当たり前だろう。
 これまでもことあるごとに訪ねてきていたが、二日にいっぺんは訪ねてくるくらいにその頻度はあがっていた。
 ノアのほうもそれが嬉しかった。
 想う相手が自分に逢いにきてくれるのだ。嬉しくないはずがない。
 そしてコリンの愛情表現はとてもストレートだった。
 機会あらばノアに触れてくる。
 それは別に性的な行為ではない。
 抱きしめたり、くっついてきたり、顔を覗き込んでキスをしてきたり。
 ある意味かわいらしい、ともいえるような触れ合いであった。
 が、ノアはそれで満足していた。そのようなことだけで充分幸せだ。
 コリンはどうやら、『月が大きくなる時期』つまり、発情を誘われる時期以外はそういう欲求は薄いほうであるようだった。
 それは何ヵ月か一緒に過ごすうちに、月の満ち欠けを共に過ごすうちにわかってきたことだ。
 新月から少しの間は特になにも変わりはない。
 が、月のふくらみが満月に近くなってくるうちに、そわそわしだす。
 ピークはもちろん満月であるが、その数日前からノアのことを求めるようになるのだ。
 初めてのとき、ノアは身体的な快感を得ることはほとんどできなかったが、数ヵ月が経ち、何度もコリンとの行為を続けるうちに体はだんだん変わっていった。
 触れられると快感を感じる。直接の性感帯だけではない。
 はじめは鈍かった胸も、そしてコリンを受け入れる部分も。徐々に快感を得られるようになっていった。
 今ではうしろにコリンのものを受け入れて、いつしか見付けられていた感じる部分を刺激されれば絶頂に至れるようになっている。
 自分の体がこんなに敏感に……悪く言えば淫乱になってしまったことについては恥じらいもあるのだが、コリンはノアの体の反応が良くなるたびに喜んでくれるのだ。
 それは「オレだけが気持ち良くなっちゃ意味ないから」と言っていた。
 優しいのだ。
 確かにこういう行為は単に快楽を得るためだけではないとはいえ、二人で快感を得ることも大切なことだから。
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