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フレイディの不思議

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 恋事。

 興味がないわけではないけれど、あまり積極的にとは思わないし、このままでいい。

 いつかはなるようになるのだし、そのときでいいわ。

 そう思いはしたものの、フレイディの名前が同時に出たために、なんとなくフレイディのことを考えてしまった。

 良い方だと思う。

 素直で、優しくて、物腰柔らかで丁寧で、見た目も美しくて……。

 でも恋をするかと言われたら、だいぶ疑問であった。

 気持ちがまだそこまで至っていない、というだけかもしれないけれど。

 ただ、またお会いしたいとは思った。

 お会いして、一緒に過ごせばきっと楽しい時間になるのだという確信がある。

 今はそれが一番良いことじゃないかしら。

 アマリアはそう思っておくことにし、立ち上がって窓を閉めた。

 レースのカーテンも引く。

 明日は午前中が勉強の時間。

 午後には父とお茶を飲む予定になっていたが、そのあとはフリーだ。

 絵に取り組めるだろう。

 既に夕方の時間が一番楽しみになってしまいながら、アマリアは自分でも寝支度をするべく、部屋の中へ戻っていった。
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