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絵の中の少女は
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それだけでもう、フレイディのあの態度には思い当たった。
その通りのことをフィオナも言う。
沈痛な面持ちになっていた。
「こんなことを若奥様に言っていいとは思わないけれど……、フレイディはエルシーさんのことをかわいがっていたからね。それはショックを受けていたわ。もうだいぶ昔……十年くらいは前のことだけど」
どくどくと心臓が嫌な感覚で血を流すのを感じられる。
フレイディの感じた痛みには到底及ばないだろうけれど、それとリンクするような感情ではあるだろう。
アマリアは今度、なにも言えなかった。
一体どの点に自分がショックを受けたのかもわからない。
フレイディに婚約者がいたこと?
フレイディがその彼女に気持ちを寄せていたこと?
それとも、婚約者が亡くなり、フレイディが大変傷ついたこと……?
すべてだっただろうが、どの比重が大きいのかはすぐになんてわからない。
ただ、胸がずきずき痛かった。
フレイディにそんな事情があったこと、自分はまったく知らなかったのだ。
こんな事情、話題にするのはタブーとまではいわずとも、軽率に話せることではない。
だからアマリアも今まで聞く機会などなかったのだろう。
なんて呑気だったんだろう。
自分のこれまでに歯噛みしたくなる。
フレイディの抱えていたことも知らずに、ただ楽しく過ごしていただけだったなんて。
その通りのことをフィオナも言う。
沈痛な面持ちになっていた。
「こんなことを若奥様に言っていいとは思わないけれど……、フレイディはエルシーさんのことをかわいがっていたからね。それはショックを受けていたわ。もうだいぶ昔……十年くらいは前のことだけど」
どくどくと心臓が嫌な感覚で血を流すのを感じられる。
フレイディの感じた痛みには到底及ばないだろうけれど、それとリンクするような感情ではあるだろう。
アマリアは今度、なにも言えなかった。
一体どの点に自分がショックを受けたのかもわからない。
フレイディに婚約者がいたこと?
フレイディがその彼女に気持ちを寄せていたこと?
それとも、婚約者が亡くなり、フレイディが大変傷ついたこと……?
すべてだっただろうが、どの比重が大きいのかはすぐになんてわからない。
ただ、胸がずきずき痛かった。
フレイディにそんな事情があったこと、自分はまったく知らなかったのだ。
こんな事情、話題にするのはタブーとまではいわずとも、軽率に話せることではない。
だからアマリアも今まで聞く機会などなかったのだろう。
なんて呑気だったんだろう。
自分のこれまでに歯噛みしたくなる。
フレイディの抱えていたことも知らずに、ただ楽しく過ごしていただけだったなんて。
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