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3.どう考えても浮気したそっちが悪いのに
気絶した私が起きたのは次の日だった。ズキズキと痛かった頭はクリアになっている。
あの後どうなったのかと言うと、フェルザイム家から使いのものが来て、今日の午後に話し合いが行われる。
朝、目が覚めたらすぐにお母様が来てくれて頬を撫でてくれた。少し気持ちがほぐれる。家族はみんな心配してくれて慰めてくれたが沈んでしまった気持ちはすぐには晴れない。
フェルザイム家は公爵家、うちは侯爵家なので位は向こうのほうが上だ。あまりいい話し合いにならないだろうと今から憂鬱だ。
そもそも、ルーファス様は公爵家の次男なのでヴァルデン家の長女である私に婿入りして家を継ぐはずだった。そんな人が浮気なんて、ましてや婚約破棄を突きつけてくるなんて思わず昨日は意識を手放してしまった。
「ありえないでしょ、そりゃルーファス様とは婚約したのは最近だし、仲は良くなかったけどさ」
侍女のアニタは私の長い髪をとかしながら話を聞いてくれる。
「仲良くなかったけど、それなりにお茶をしたり観劇に行ったりとデートを重ねていたわ。なのにいきなり浮気?浮気相手をいじめてただろ?何おっしゃってるのあの人は?そもそも、家に婿入りしなきゃルーファス様は次男なんだし自身の力で身を立てるか平民になるかじゃないの?そんなことできるのあの人はさ」
「お嬢様、とびきり美しくなって幸せに暮らしてクソ野郎のことを見返してやりましょう」
早口で捲し立てる私に侍女のアニタはニッコリと優しそうな笑顔とは裏腹に低い声で言い切る。私の少し悪い言葉使いはアニタからうつってしまったものだ。普段の言葉遣いは綺麗だが、毒付く時についポロッと出てしまう。気をつけなければ。
「さて、お嬢様。用意ができましたよ」
「ありがとう。気が進まないけど行ってくるわ」
階段を降りているとお父様が心配そうにこちらを見つめていた。
「お父様、本日はよろしくお願いします」
「エリーゼ、大丈夫かい?無理はしないで…今日行くのは私達だけで、お前は休んでいてもいいんだよ」
「ありがとう、でも、ちゃんと向き合って終わりにしたいんです」
お父様は私ん休ませたいようだけれど、しっかりを浮気野郎と決別して濡れ衣を晴らさなくてはいけないからね。絶対に向こうの家いかなくては。
どうして、やらかしたのは向こう。浮気をしたのも向こう。いきなりイチャモンつけてきたのも向こう。なのにコチラが気を使って出向かなきゃいけないのか。
「浮気野郎に天罰が下りますように」
私は小さな声でつぶやいた。
あの後どうなったのかと言うと、フェルザイム家から使いのものが来て、今日の午後に話し合いが行われる。
朝、目が覚めたらすぐにお母様が来てくれて頬を撫でてくれた。少し気持ちがほぐれる。家族はみんな心配してくれて慰めてくれたが沈んでしまった気持ちはすぐには晴れない。
フェルザイム家は公爵家、うちは侯爵家なので位は向こうのほうが上だ。あまりいい話し合いにならないだろうと今から憂鬱だ。
そもそも、ルーファス様は公爵家の次男なのでヴァルデン家の長女である私に婿入りして家を継ぐはずだった。そんな人が浮気なんて、ましてや婚約破棄を突きつけてくるなんて思わず昨日は意識を手放してしまった。
「ありえないでしょ、そりゃルーファス様とは婚約したのは最近だし、仲は良くなかったけどさ」
侍女のアニタは私の長い髪をとかしながら話を聞いてくれる。
「仲良くなかったけど、それなりにお茶をしたり観劇に行ったりとデートを重ねていたわ。なのにいきなり浮気?浮気相手をいじめてただろ?何おっしゃってるのあの人は?そもそも、家に婿入りしなきゃルーファス様は次男なんだし自身の力で身を立てるか平民になるかじゃないの?そんなことできるのあの人はさ」
「お嬢様、とびきり美しくなって幸せに暮らしてクソ野郎のことを見返してやりましょう」
早口で捲し立てる私に侍女のアニタはニッコリと優しそうな笑顔とは裏腹に低い声で言い切る。私の少し悪い言葉使いはアニタからうつってしまったものだ。普段の言葉遣いは綺麗だが、毒付く時についポロッと出てしまう。気をつけなければ。
「さて、お嬢様。用意ができましたよ」
「ありがとう。気が進まないけど行ってくるわ」
階段を降りているとお父様が心配そうにこちらを見つめていた。
「お父様、本日はよろしくお願いします」
「エリーゼ、大丈夫かい?無理はしないで…今日行くのは私達だけで、お前は休んでいてもいいんだよ」
「ありがとう、でも、ちゃんと向き合って終わりにしたいんです」
お父様は私ん休ませたいようだけれど、しっかりを浮気野郎と決別して濡れ衣を晴らさなくてはいけないからね。絶対に向こうの家いかなくては。
どうして、やらかしたのは向こう。浮気をしたのも向こう。いきなりイチャモンつけてきたのも向こう。なのにコチラが気を使って出向かなきゃいけないのか。
「浮気野郎に天罰が下りますように」
私は小さな声でつぶやいた。
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