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第一章 リオン幼年期
22.「授けた力」
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怪物は、自身の体に起きた現象を理解出来ずに立ちすくんでいたが、数秒間立ちすくんだ後、奇妙に動き出した。
その動きは、グネグネと体のあらゆる部位をねじりながら、全身を縮小していくかのように見えた。
「まさか……嘘でしょ……」
切断された根元は、まるで樹木が成長し枝分かれしてゆくかのように、元の触手よりも数を増して再生し始めていた。
元の体に再生するだけならまだしも、強化され増幅して行く姿を目の当たりにしたターニアは、絶望的な虚無感に襲われた。
ターニアはあまりの絶望感に、すべてを諦め戦闘意識を失くしてしまい、ただ呆然と立ちすくんでいた。
…………
(………!!)
あまりの予想外の展開に、呆然としてしまったターニアであったが………
数秒後、すぐに意識を変え、ターニアらしき姿である、前向きに希望の道を探す姿勢へと変わって行った。
「だめだわ、こんな時ほど冷静にならなくては。
どうやら根本的に私の考えは間違っていたのかもしれないわね」
ターニアがそう考えてる間にも、怪物はすっかり増殖した姿を完成させ、以前の倍以上の大きさに変わっていた。
そして増殖を完成させた怪物は、再び攻撃体制をとりはじめた。
一方ターニアも怪物の動きに合わせるかのように、攻撃に備えた。
しかしその構えは、以前の構えとは決定的に違った体勢の構えだった。
それは、先程のカウンターを狙う構えではなく、怪物の攻撃を無防備にまともに受け止めるような構えだった。
「さぁおいでなさい。私はまだ、あなたの事を何も知らないわ。
まずは互いを知る事から始めましょう」
ターニアは、両手を大きく広げて低い姿勢でひざまづいた。
その姿はまるで、母親が駆けよる子供を抱き寄せるかのようだった。
その姿を見た怪物(リオン)は、攻撃体制を維持したまま動きを静止させてしまった。
(………ぼ、ぼくは一体何をしているん、だ………)
少し冷静さを取り戻したリオンは、少しずつ思考する事が可能になったかに思えた。
しかし、その時!
ふいに、脳裏に、以前に伝わった覚えのある『声』が、聴こえて来た。
『やはり、まだ自らは力を制御しきれん様だな………
シャイターンよ、私が力を授けたのは目的がある……
小娘を相手にしている場合ではない……
まずは、あの場所に向かうのだ……』
その『声』が脳裏に伝わると同時に、怪物(リオン)はターニアに背を向け、ゆっくりと北へと向かい、進み出した。
(か、体が勝手に……
また、あの声だ……
いつも、あの声で……ぼくは……ああ…)
リオンは自らの体を制御しようと試みたが、まるで意識と肉体が分離しているかのように、体はゆっくりと北の方角に向かい始めた。
その動きは、グネグネと体のあらゆる部位をねじりながら、全身を縮小していくかのように見えた。
「まさか……嘘でしょ……」
切断された根元は、まるで樹木が成長し枝分かれしてゆくかのように、元の触手よりも数を増して再生し始めていた。
元の体に再生するだけならまだしも、強化され増幅して行く姿を目の当たりにしたターニアは、絶望的な虚無感に襲われた。
ターニアはあまりの絶望感に、すべてを諦め戦闘意識を失くしてしまい、ただ呆然と立ちすくんでいた。
…………
(………!!)
あまりの予想外の展開に、呆然としてしまったターニアであったが………
数秒後、すぐに意識を変え、ターニアらしき姿である、前向きに希望の道を探す姿勢へと変わって行った。
「だめだわ、こんな時ほど冷静にならなくては。
どうやら根本的に私の考えは間違っていたのかもしれないわね」
ターニアがそう考えてる間にも、怪物はすっかり増殖した姿を完成させ、以前の倍以上の大きさに変わっていた。
そして増殖を完成させた怪物は、再び攻撃体制をとりはじめた。
一方ターニアも怪物の動きに合わせるかのように、攻撃に備えた。
しかしその構えは、以前の構えとは決定的に違った体勢の構えだった。
それは、先程のカウンターを狙う構えではなく、怪物の攻撃を無防備にまともに受け止めるような構えだった。
「さぁおいでなさい。私はまだ、あなたの事を何も知らないわ。
まずは互いを知る事から始めましょう」
ターニアは、両手を大きく広げて低い姿勢でひざまづいた。
その姿はまるで、母親が駆けよる子供を抱き寄せるかのようだった。
その姿を見た怪物(リオン)は、攻撃体制を維持したまま動きを静止させてしまった。
(………ぼ、ぼくは一体何をしているん、だ………)
少し冷静さを取り戻したリオンは、少しずつ思考する事が可能になったかに思えた。
しかし、その時!
ふいに、脳裏に、以前に伝わった覚えのある『声』が、聴こえて来た。
『やはり、まだ自らは力を制御しきれん様だな………
シャイターンよ、私が力を授けたのは目的がある……
小娘を相手にしている場合ではない……
まずは、あの場所に向かうのだ……』
その『声』が脳裏に伝わると同時に、怪物(リオン)はターニアに背を向け、ゆっくりと北へと向かい、進み出した。
(か、体が勝手に……
また、あの声だ……
いつも、あの声で……ぼくは……ああ…)
リオンは自らの体を制御しようと試みたが、まるで意識と肉体が分離しているかのように、体はゆっくりと北の方角に向かい始めた。
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