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1章 異界の地
第二話 異世界だろう
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メールの発信名を見た俺は眉を顰める。
それもそうだろう、自分を[神たま]と自称する奴に碌なやつが居ないのは数少ない経験上、凡そ百パーセントと言う見事な比率を叩き出すくらいだ。
ただ、驚いたことにメールの件名に[高階 裕司への助言]と書かれていたのには息を飲むしか無かった。
誰の物とも知らぬ携帯端末に俺宛のメールが届いているのだ。これを驚かずに要られようか。
俺は唾を飲み込みメールを開く。
やっほー元気かーい 儂は神たまだよー♥
あ、儂これでも忙しいから簡単に明確に端的に要件だけ伝えちゃうねー(笑)
多分予想はしてると思うがお主は死んで別の世界に転生したんだよ(爆)
俺は思わず携帯端末を叢に叩きつけていた。
相手が仮に本物の神であろうと部下の報告書であろうと、人に何かを伝える文章に(笑)やら(爆)等を付ける輩に理屈ではない怒りが込み上げた行動だったのだが、今の所この携帯端末だけがこの状況を知る唯一の手掛かりなのだと気付いた俺は、慌てて携帯端末を拾い上げた。
(…壊れて無い様だな…)
いやいやながら俺はメールの続きを読む。
死んだ理由はヒ・ミ・ツなのじゃが、今回は神々でも予想出来ぬ事態が重なり、お主の器が間に合わなかった。魂の消滅が迫った為強引に神力によって転生体を作り上げたのじゃ。
よって、お主には歴史の流れからは外れた…つまり血の系統が無い天涯孤独となったわけじゃ。
まぁこちらのミスの詫びに、この端末を授ける事にした。
冒険者の手引を開けば便利さが実感できるはずじゃ。
まぁ色々あったがお主の魂の消滅が回避されたのは重畳じゃった。
さて、今回は我々も予想外の力を使ってしまったのでここまでじゃ。
デハデハ アデュー♥ 至高の神より
もう、ここまで来れば怒りも起きずやけに心の芯が冷めきった気分だった。
(つまり神の手違いで俺は天涯孤独と言うわけか…しかし神にも予想出来ない事態って何だ?本当に神なのか?)
確認しようが無い自称神の事よりも今は現状把握が急務だろう。
メールを閉じて俺は冒険者の手引と言うアプリケーションを起動する。
1 このアプリの説明
2 ポイント利用
3 報告メール
4 未開放
5 未開放
とりあえず1を選ぶ。
・急拵えのアプリなのでバージョンアップにご期待下さい。
このアプリはとてもとても可哀想な身の上の方の助けになるように特別に開発されたアプリです。
(…………)
使い方は簡単。
3の報告メールであなたが経験した出来事を、神界ネット上に公開します。
それを見た神々が評価を下し いいね を押すことによりポイントを得ることが出来ます。
メールに画像を添付すればポイントが増えるかもね♥
貯まったポイントは2のポイント利用画面でスキルポイントとして使う事が出来ます。
初めてこの世界に来て困らぬように言語能力スキルを付けておきます。
他にも未実装ですが、ポイントの使い道を開発中。
2の画面では、ゲームで良く見るステータス画面が出ますので色々試して下さい。
因みにこの世界で自分のステータスを見れる者は存在しませんので有意義に使われる事を願います。
最後までお読みになったので冒険者の手引アプリが使えるようになりました。
(なる程…ゲームは中学生時代にPCでやったきりだが…何とかなるか…)
それにしても何か釈然としない気持ちが払拭されなかったが…取り敢えず2のポイント利用を選んでみると懐かしい程に定番なステータス画面が現れた。
名前 高階 裕司と続き体力、魔力、筋力値、知力値、敏捷値、器用値、精神値、幸運値と分類されていた。
ロールプレイングゲームのようにステータスを上げる事によって強くなるシステムに一見見えたが、ゲームのようなポイントを使い数値を上げるバーが見当たらない。
(と言う事は…これはたんに自分のステータスが見れるだけかもしれないな)
そもそも戦闘なりをして習得した経験値なる物を、一つのステータスだけに振って上げる等、現実世界では有り得ないだろう。
(まぁ、それがゲームらしさと言えば言えるのだが)
説明にあった通りスキル上げの項目でポイントを使うようだ。
(確かスキルってのは技とか技術的なものだよな…ゲームの様に一つに振り続けたら現実じゃ直ぐに名人になれるんじゃないか?)
ゲームシステムを現実に当てはめられると言うアドバンテージは、多分有利に働くのは間違いないが、若干ズルをしている気分になる。
(ただ、問題はスキルがどれ程のものか…だな)
スキル欄を見ると【言語能力 レベル3】と表示されている。
レベル3がどの程度の物かわからないが、多分普通に会話が出来る程度はあるのだろう。
色々腑に落ちない事もあるが、兎にも角にも生きて行かなければならない。
俺は携帯端末をポケットに戻し辺りを見渡す。
僅かに傾斜のある草原の先は丘陵となっていて左右に木々が生い茂る。丘陵の遥か先には山脈の頂きが見えていた。
木々が生い茂る場所にはそれなりに食料となる物が自生してるだろうが、ナイフ一本もない状態では立ち入るには危険過ぎるだろう。
そもそもこの世界にどのような生き物が居るのか全く想像もつかないのだ。
(取り敢えずあの丘陵を目指すか…)
丘陵の上に立てば周りを見渡すことが出来るだろう。
山裾には水場位はあるだろうし、水場があれば人の生活もあるだろう。
(まぁ俺の思ってる人ってのがが居ればだが……)
俺は気を引き締め丘陵に向かい歩き出した。
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