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第2幕 異世界から異世界へ
第5話 さよなら異世界
しおりを挟む俺:「魔術騎士団の総隊長!?」
俺は驚きを隠せず、大きな声が出てしまった。
確実にトップクラスの人物ではないか!
もっと凡人っぽい人物に転生したと思っていた…
そして俺は自分の身体をあちこち触ってみた。
前の俺と肉付きが全然違っていた。
というより、強靭な肉体となっていたのだ。
腹筋は割れているし、肩幅も少し広く感じる。
そりゃそうだ。
総隊長クラスなのだからこのぐらいの身体はあって当然。
マキナ:「ライル君は小さい頃から剣技の才能があってなぁ。15歳で既に1つの軍を任せられていた。さらにスペルの力も持っていたから、昇進に昇進を重ねて総隊長にまで上り詰めてしまった。」
マキナは懐かしむようにうんうんと頷いていた。
まさかそんな人物に転生するなんて…
もうすでに頭は混乱に混乱を重ねていた。
マキナ:「さて、私からの説明はだいたい済ませたが、今度は君の質問を聞こうか。」
そう言ってこちらを見つめてくるマキナ。
僕はその顔を直視しながら真顔で言った。
俺:「どうやったら元の世界に戻れますか?」
俺には無理だ。
そんな重役を俺が果たせるわけがない。
転生した時はそりゃあ、少しは嬉しかったが、でもこんなことになっては話が違うのだ。
帰りたい。元の世界に戻って花の学園生活を送りたい…
マキナ:「……そうか。」
マキナはそう言って俺の考えを察したのか、少し顔を落として目をつぶった。
すると、マキナは急に大声で笑い始めた。
マキナ:「…はっはっはっ!君は面白い!実に面白い!やはり私が見立てた男だ!」
何が面白いのかさっぱりだ。
マキナ:「君がそう言ってくるのも予想できたし、君ならそう言ってくれると思っていた!」
マキナはそう言ってベットから立ち上がり、白衣をたなびかせて、くるっとこちらを向いた。
マキナ:「よろしい!君を元の世界に戻してやろう!」
意外とあっさり了承してくれた。
これには驚きだった。もっと説得してくるかと思っていたが杞憂だったみたいだ。
俺:「じゃあ、今すぐにでも俺を元の世界に戻してもらえますか?」
マキナ:「構わないぞ。転移できるよう、スペルを指輪に送り込むから手を出してくれ。」
言われたようにマキナの方に手を差し出した。
マキナが指輪に手をかざすと、急に光が集まってそのまま指輪の水晶の中に送り込まれていった。
マキナ:「よし、これで補充できた。後は君が眠るだけだ。無意識の状態にすることで転移は起こるからな。私がスペルで眠りにつけてやろう。」
俺:「その眠りは永遠に覚めないとかいうオチはなしですよ?」
怖かったので念の為に釘をさしておく。
マキナは少し笑いながら言った。
マキナ:「安心したまえ。そんなことはしないさ。…もうそんな眠りを与えたくはないしな。」
そう言った彼女の顔はまた寂しそうだった。
マキナ:「さて、スペルをかけるぞ。」
俺は仰向けになり天井を見つめた。
そしてマキナの手が目の前にやってきて、俺の視界をマキナの手のひらが奪う。
マキナ:「あぁ、そうだ。これだけは言っておかなければな。」
俺は何かと思って聞こうとしたが、スペルが効き始めたのか、意識がだんだんと遠くなっていく。
マキナ:「次会うときは君の仲間を紹介しよう。」
俺の意識がプツリと途絶えて、目の前が真っ暗になった。
さよなら、異世界……
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