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運とはズルく見えること
日々これ目標
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まずは第一戦は俺とコルア対フルーとソールド。じゃんけんの結果、フルーチームのボールでスタート。
「わッ!」
「コルアさんアウトです」
始まってすぐソールドの一投をパッとかわしたはいいものの、開いた窓からニョキニョキと枝が伸びてきて避けたボールが跳ね返った。わっという間に背中にヒットしてコルアは外野へ移る。
「あーら……」
「すみません兄さん」
思わず声が漏れるとコルアが手を合わせてきた。「大丈夫そんなもんでしょ」と返して相手に向き直った。正直負けると思うが、もしかしたら「運」のスキルを試せる機会かもしれない。
「ばっちこーい!」
俺が声を出すとフルーが笑った。
「そっちボールからでいいよ」
仕切り直して俺にボールが渡った状態でスタートした。窓側は避け俺とコルアでソールドを挟むように位置取って投げる。俺の一投目はかわされボールはコルアへ渡り、コルアのアタックもソールドに捕獲された。
ボールを持ったソールドが体をひねってこちらに狙いを定めている。反時計回りに動いているのでボールはやや右にそれると予想して、俺は左に飛び退いた。
「残念」
フルーが呟いた。俺の横をすり抜けたボールは壁に当たってコロコロ転がり自陣へ、また俺のボールになった。その次も次も次も予想が当たりボールをかわせた。
少し息が上がってきて額に汗が流れる。ボールはフルーの手にあり位置は窓際、魔法で伸びてくる枝を警戒しなければならない。フルーの動き、視線、ソールドの位置取りにも意識を割いていると外からガサガサっと物音がした。
ドンッ!
「アッ……あ~」
「アールさんもアウトです」
一瞬、気を取られた隙にフルーの投球が直撃。俺もアウトとなった。「運」さえあればどんな状況でも超えられると言うわけでは無さそうだ。「兄さんリベンジを!」と息巻くコルアに水筒を押しつけ休憩をさせて考える。
かわせていた間は「運」スキルの効果があったとして、どちらにボールが来るのか相手の動きではなく例えばサイコロで予想したら? 動きを見て予想した方向と真逆に避けようとしたら? ボールを避けるまでの工程のうちどこにスキルの効果が乗っているのか、細かく調べる方法を探したほうが良いかもしれない。ひとまず寮でサイコロでも振ってみることにして俺も水筒のお茶を飲んだ。
チームを変えてもう一戦。今度はソールドと組んで試しに闇魔法を使ってみた。だが、俺の技術では元々ある影を伸ばしたり形を変えるのが精一杯。背後を取れたときに影の形を変えて動きをごまかす程度の役目しか果たせず、ほとんどソールドの運動神経に頼って勝った。
「すごい、よく避けられるもんだ」
「森魔法に馴染みがあるからだ。お前の弟の魔法も類似していて読みやすかった」
俺が感心するほどソールドの体さばきは見事だった。コルアがダウンした枝の跳ね返しも軌道を読めていた。
「これなら人数不利でも大会の成績期待できるかも」
「お前は成績を気にするのか?」
ソールドの問いに少し考える。良い成績を取ることは名誉だろうし、タルタの目標になるぐらいのことだ。俺にとって成績の意味とは、と思ったことを口にした。
「悪くても気にはしない。けど、良くなるように努力はしたい」
「そうか。努力は良い」
ソールドがフルーを見ている。何を思ったのか分からないが、俺を勝たせてくれた肉体は努力の賜物だろう。最強、家業、学校生活……俺の努力の方向性は? とふと頭によぎった。
「わッ!」
「コルアさんアウトです」
始まってすぐソールドの一投をパッとかわしたはいいものの、開いた窓からニョキニョキと枝が伸びてきて避けたボールが跳ね返った。わっという間に背中にヒットしてコルアは外野へ移る。
「あーら……」
「すみません兄さん」
思わず声が漏れるとコルアが手を合わせてきた。「大丈夫そんなもんでしょ」と返して相手に向き直った。正直負けると思うが、もしかしたら「運」のスキルを試せる機会かもしれない。
「ばっちこーい!」
俺が声を出すとフルーが笑った。
「そっちボールからでいいよ」
仕切り直して俺にボールが渡った状態でスタートした。窓側は避け俺とコルアでソールドを挟むように位置取って投げる。俺の一投目はかわされボールはコルアへ渡り、コルアのアタックもソールドに捕獲された。
ボールを持ったソールドが体をひねってこちらに狙いを定めている。反時計回りに動いているのでボールはやや右にそれると予想して、俺は左に飛び退いた。
「残念」
フルーが呟いた。俺の横をすり抜けたボールは壁に当たってコロコロ転がり自陣へ、また俺のボールになった。その次も次も次も予想が当たりボールをかわせた。
少し息が上がってきて額に汗が流れる。ボールはフルーの手にあり位置は窓際、魔法で伸びてくる枝を警戒しなければならない。フルーの動き、視線、ソールドの位置取りにも意識を割いていると外からガサガサっと物音がした。
ドンッ!
「アッ……あ~」
「アールさんもアウトです」
一瞬、気を取られた隙にフルーの投球が直撃。俺もアウトとなった。「運」さえあればどんな状況でも超えられると言うわけでは無さそうだ。「兄さんリベンジを!」と息巻くコルアに水筒を押しつけ休憩をさせて考える。
かわせていた間は「運」スキルの効果があったとして、どちらにボールが来るのか相手の動きではなく例えばサイコロで予想したら? 動きを見て予想した方向と真逆に避けようとしたら? ボールを避けるまでの工程のうちどこにスキルの効果が乗っているのか、細かく調べる方法を探したほうが良いかもしれない。ひとまず寮でサイコロでも振ってみることにして俺も水筒のお茶を飲んだ。
チームを変えてもう一戦。今度はソールドと組んで試しに闇魔法を使ってみた。だが、俺の技術では元々ある影を伸ばしたり形を変えるのが精一杯。背後を取れたときに影の形を変えて動きをごまかす程度の役目しか果たせず、ほとんどソールドの運動神経に頼って勝った。
「すごい、よく避けられるもんだ」
「森魔法に馴染みがあるからだ。お前の弟の魔法も類似していて読みやすかった」
俺が感心するほどソールドの体さばきは見事だった。コルアがダウンした枝の跳ね返しも軌道を読めていた。
「これなら人数不利でも大会の成績期待できるかも」
「お前は成績を気にするのか?」
ソールドの問いに少し考える。良い成績を取ることは名誉だろうし、タルタの目標になるぐらいのことだ。俺にとって成績の意味とは、と思ったことを口にした。
「悪くても気にはしない。けど、良くなるように努力はしたい」
「そうか。努力は良い」
ソールドがフルーを見ている。何を思ったのか分からないが、俺を勝たせてくれた肉体は努力の賜物だろう。最強、家業、学校生活……俺の努力の方向性は? とふと頭によぎった。
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