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第6話 科学者が優秀とは限らない
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第6話 科学者が優秀とは限らない
ある日の一と増井は学校帰りに一を先頭にしてとある店に向かっていった。
「なぁ、お前今どこ向かってんの?」
「どこってそりゃ……決まってんだろ。」
「だからどこだよ!」
なんて言ってると一は指を指す。
「こーこ。」
そこは明らかにボロボロな建物だ。
「ま、まさか……異変狩り?」
「ちげーよ毎度毎度一話に一匹狩る訳じゃねえんだから。」
「めたいこと言わないの!」
なんて会話をしながら一は建物の前で立ち止まる。
そこには帰り道の猪原もいた。
「お、おめぇ先に来てたなら連絡入れろよ。」
「ここどこか分からねえから怯えてここにいるに決まってんだろ!なんでお前はいつもそう冷静なんだよ!バカか?バカだからなのか?」
「いいから行くぞ。」
一はそんな二人を連れてコンコンとノックする。
「なんだよ……」
ガラガラと開けて喧嘩腰に声をかけてきたのは人でもなくまるで猿のような見た目をしたマスコットのような存在。
「よっ、じいちゃん。」
「じいちゃんじゃねえよ!」
なんて声を荒げながら三人をこのマスコットは自分の家に入れた。
「……おい」
「なんだよ……」
増井は思わずマスコットがいなくなったのを確認し、一に問いかける。
「ありゃ何もんだ?」
「キュウム、俺らが各末使って戦うきっかけになった存在の……各末。」
「各末!?」
しかし、何故だろうか……その割に死体の匂いがしない。ふと違和感を感じた増井。
「ふっ……、彼のカモフラージュに気づかないなんてよく今まで生きてこれたな。」
「は?」
「最近の各末ってのは今まで戦ってたマヌケ共とは違って臭いを消すやつだっている。」
「はえー……各末って意外と考えてんだなぁ。」
「まぁこの人に関しては自分で香水作って各末に販売したりするぐらいせこいがな……。」
「は?なんで各末に手助けしてんだよ!それじゃまるで俺達、国のて」
増井が何かを言おうとすると一は口を閉じらせ、キュウムは細長い手でお茶をみんなに渡した。
「国の敵でも何でも言ってろ……ったく、でなんだ?一よぉ、おめぇ今日はなんの用で来たんだよ。」
「あぁ……こいつらの紹介がしたかったってのとさ、ついでにコイツらの各末、強化してくんねぇかな?あ、俺のも。」
「ふーん……おめぇのは完全に強化しただろーがよ。んで、こいつらのか。」
などと言いながら二人の各末を見始めるキュウム。
「ふぅん……。」
キュウムは増井の胸元を中心にしたところに空中に円を描き、増井の各末そのものを除き始めた。
「鉄男ねぇ……。理由はどうあれこの作品の男は孤独の戦士って訳だな。そしてお前も学校では……?」
「友達って言えんのは違うクラスのこいつと違う学校の陸遜ぐれーだ。」
「うむ……ぼっち。」
「うるせぇクソザル。」
増井のツッコミを聞きながらもキュウムは調べ続ける。
「能力を引き出せてはいるが……お前は力だけで戦う。そして何より鉄男の力を完璧に使えてない理由がある。」
「へぇ……」
「鉄男は孤独の戦士……戦士は何かのために戦う。なんだ?その鉄の塊でお前が出来る何かって分かるか?」
「えっと……鉄で敵の頭砕けとか?」
「ちげーよ。なんでお前は攻撃だけなんだ!次!」
そう言いながら増井同様にキュウムは猪原の方を覗く。
「ふぅん……メイちゃん人形ってとこか。」
(なに?私に何かついてる?)
「……いや?」
「メイちゃんの声が聞こえるんですね?」
「まあな……だが、お前らはそもそも相性がなぁ。このままじゃ力を上手く引き出せないそこのゴリラにすら負けるぞ。」
「誰がゴリラだ!」
増井は思わずキュウムにツッコミを入れた。
「すまんすまん……だが、はっきり言えばお前らは譲り合いが酷すぎる。各末と人間の二重人格なんて初めて見たが戦うにしても日本人の性だなぁ……お互い遠慮し合って体を使ってるだろ。」
「(そう……ですか?)」
「そう!んで一の強くしろって話だが……こりゃ本人達の問題ってとこかな。」
「なるほどな……んで、爺さんこりゃどうすればいい?」
「そうだな……ってだから爺さんじゃねえよ!」
キュウムが喋りだした途端に突然、ボイスレコーダーを使い始める。
「爺さんじゃねえつったら爺さんじゃねえよ!だいたい!何度言えばこのボケとツッコミ繰り返さずに済むんだよ!だから爺さんじゃねえから!」
ボイスレコーダーの録音を止め、物凄い速さで一はビートを流し始めた。
それどころかそのビートに合わせて先程のキュウムの声がだんだんとリズムに合うようになった。
(あれ?なにこれ……じゃねえよ!がじゃねえYO!に聞こえてきた……あれ?なんで?)
(え?これ普通に考えたら曲じゃないよね?なんで曲みたいに聞こえるの?えぇ?なんで?)
「……よし。」
「「「なにが!?」」」
思わず一斉にツッコミが飛んだ。
数年前、まだ幼い一は問答無用で各末を狩っていた。
「ギャハハハ!おらもっと!ほら!早く!」
「うぎゃぁぁぁぁああああ!!!!!」
無抵抗のまま消滅してく各末を見るやキュウムはどんな相手かも分からない一に思わず聞いた。
「何故各末ばかりを狩る!」
「かくまつはね、悪いことする人たちだから殺さなきゃいけないんだ……」
「人を殺めてなくても?」
「悪いことしたら殺すの。」
「そっかぁ……あのな坊主、各末ってのは何も悪いやつだけじゃないんだ。坊主は悪いことしてる奴が許せないから各末を狩ってるんだな。」
「うん、悪いことしてるから殺すの。」
「でもな坊主……各末の全てが人を襲ってる訳じゃないんだ。中には良い各末だっているんだ。」
「ふぅん……めんどくさいからおじさん殺してもいい?」
「待て待てサイコパス……お前、誰かに言われて狩ってるんだろ?ならさ、自我を持とうぜ?」
「じが?」
「うん……自我。お前は言いなりの操り人形になってるの。だからお前は各末だから狩るって頭だけで今も動いてる。なーのーで、悪いことしてる各末だけ殺す。いい?」
「悪いことしてるかくまつやっつける!」
「そう……いや、それじゃあまた自我がないな。」
「もーむずかしいよ!殺すよ!おじいちゃん!」
「ダメだこりゃ……って誰がおじいちゃんだこのクソがきぃ!」
それからキュウムは呆れたり、疲れたこともあったが何度も話すうちに自然と一に悪いことしてる奴だけを殺すように育て上げた。
それから今日まで育て上げた一を見つめ、声を出す。
「お前と会うといつも初めて出会った時のことを思い出してしまう。」
「どしたの急に。」
「いや……こっちの話だ。」
そんな事を言いながらキュウムは少し照れくさそうに玄関まで送った。
「んじゃ、また今度ね……おじいちゃん。」
「おう……って!だから!毎度!お前は!おじいちゃんって!呼びおってぇぇぇ!」
なんて言いながら呆れた顔で送るキュウムを見つめ一は安心してその場を去る。
「仲良いんだな。」
「まぁね……。」
三人は落ち着いた表情でゆっくりとそれぞれの家へと向かっていった。
数日後、ある曲が海外で大バズりした。
タイトルは『JANEEYO』と書いており、海外ではその曲に合わせて踊って動画を撮る人や、その曲をメインテーマにしたコメディー番組……そして海外ではその曲に合わせ『ジャネーヨの日』という訳の分からない日まで生まれてしまった。
謎の正体不明の日本人シンガー、『QMU』は世界各地で話題を呼び、総理大臣ではないかだとか世界に仕掛けた何かの陰謀論ではないかと憶測が始まった。
しかし、日本でその曲は雀の涙ぐらいの知名度だ。
つづく
ある日の一と増井は学校帰りに一を先頭にしてとある店に向かっていった。
「なぁ、お前今どこ向かってんの?」
「どこってそりゃ……決まってんだろ。」
「だからどこだよ!」
なんて言ってると一は指を指す。
「こーこ。」
そこは明らかにボロボロな建物だ。
「ま、まさか……異変狩り?」
「ちげーよ毎度毎度一話に一匹狩る訳じゃねえんだから。」
「めたいこと言わないの!」
なんて会話をしながら一は建物の前で立ち止まる。
そこには帰り道の猪原もいた。
「お、おめぇ先に来てたなら連絡入れろよ。」
「ここどこか分からねえから怯えてここにいるに決まってんだろ!なんでお前はいつもそう冷静なんだよ!バカか?バカだからなのか?」
「いいから行くぞ。」
一はそんな二人を連れてコンコンとノックする。
「なんだよ……」
ガラガラと開けて喧嘩腰に声をかけてきたのは人でもなくまるで猿のような見た目をしたマスコットのような存在。
「よっ、じいちゃん。」
「じいちゃんじゃねえよ!」
なんて声を荒げながら三人をこのマスコットは自分の家に入れた。
「……おい」
「なんだよ……」
増井は思わずマスコットがいなくなったのを確認し、一に問いかける。
「ありゃ何もんだ?」
「キュウム、俺らが各末使って戦うきっかけになった存在の……各末。」
「各末!?」
しかし、何故だろうか……その割に死体の匂いがしない。ふと違和感を感じた増井。
「ふっ……、彼のカモフラージュに気づかないなんてよく今まで生きてこれたな。」
「は?」
「最近の各末ってのは今まで戦ってたマヌケ共とは違って臭いを消すやつだっている。」
「はえー……各末って意外と考えてんだなぁ。」
「まぁこの人に関しては自分で香水作って各末に販売したりするぐらいせこいがな……。」
「は?なんで各末に手助けしてんだよ!それじゃまるで俺達、国のて」
増井が何かを言おうとすると一は口を閉じらせ、キュウムは細長い手でお茶をみんなに渡した。
「国の敵でも何でも言ってろ……ったく、でなんだ?一よぉ、おめぇ今日はなんの用で来たんだよ。」
「あぁ……こいつらの紹介がしたかったってのとさ、ついでにコイツらの各末、強化してくんねぇかな?あ、俺のも。」
「ふーん……おめぇのは完全に強化しただろーがよ。んで、こいつらのか。」
などと言いながら二人の各末を見始めるキュウム。
「ふぅん……。」
キュウムは増井の胸元を中心にしたところに空中に円を描き、増井の各末そのものを除き始めた。
「鉄男ねぇ……。理由はどうあれこの作品の男は孤独の戦士って訳だな。そしてお前も学校では……?」
「友達って言えんのは違うクラスのこいつと違う学校の陸遜ぐれーだ。」
「うむ……ぼっち。」
「うるせぇクソザル。」
増井のツッコミを聞きながらもキュウムは調べ続ける。
「能力を引き出せてはいるが……お前は力だけで戦う。そして何より鉄男の力を完璧に使えてない理由がある。」
「へぇ……」
「鉄男は孤独の戦士……戦士は何かのために戦う。なんだ?その鉄の塊でお前が出来る何かって分かるか?」
「えっと……鉄で敵の頭砕けとか?」
「ちげーよ。なんでお前は攻撃だけなんだ!次!」
そう言いながら増井同様にキュウムは猪原の方を覗く。
「ふぅん……メイちゃん人形ってとこか。」
(なに?私に何かついてる?)
「……いや?」
「メイちゃんの声が聞こえるんですね?」
「まあな……だが、お前らはそもそも相性がなぁ。このままじゃ力を上手く引き出せないそこのゴリラにすら負けるぞ。」
「誰がゴリラだ!」
増井は思わずキュウムにツッコミを入れた。
「すまんすまん……だが、はっきり言えばお前らは譲り合いが酷すぎる。各末と人間の二重人格なんて初めて見たが戦うにしても日本人の性だなぁ……お互い遠慮し合って体を使ってるだろ。」
「(そう……ですか?)」
「そう!んで一の強くしろって話だが……こりゃ本人達の問題ってとこかな。」
「なるほどな……んで、爺さんこりゃどうすればいい?」
「そうだな……ってだから爺さんじゃねえよ!」
キュウムが喋りだした途端に突然、ボイスレコーダーを使い始める。
「爺さんじゃねえつったら爺さんじゃねえよ!だいたい!何度言えばこのボケとツッコミ繰り返さずに済むんだよ!だから爺さんじゃねえから!」
ボイスレコーダーの録音を止め、物凄い速さで一はビートを流し始めた。
それどころかそのビートに合わせて先程のキュウムの声がだんだんとリズムに合うようになった。
(あれ?なにこれ……じゃねえよ!がじゃねえYO!に聞こえてきた……あれ?なんで?)
(え?これ普通に考えたら曲じゃないよね?なんで曲みたいに聞こえるの?えぇ?なんで?)
「……よし。」
「「「なにが!?」」」
思わず一斉にツッコミが飛んだ。
数年前、まだ幼い一は問答無用で各末を狩っていた。
「ギャハハハ!おらもっと!ほら!早く!」
「うぎゃぁぁぁぁああああ!!!!!」
無抵抗のまま消滅してく各末を見るやキュウムはどんな相手かも分からない一に思わず聞いた。
「何故各末ばかりを狩る!」
「かくまつはね、悪いことする人たちだから殺さなきゃいけないんだ……」
「人を殺めてなくても?」
「悪いことしたら殺すの。」
「そっかぁ……あのな坊主、各末ってのは何も悪いやつだけじゃないんだ。坊主は悪いことしてる奴が許せないから各末を狩ってるんだな。」
「うん、悪いことしてるから殺すの。」
「でもな坊主……各末の全てが人を襲ってる訳じゃないんだ。中には良い各末だっているんだ。」
「ふぅん……めんどくさいからおじさん殺してもいい?」
「待て待てサイコパス……お前、誰かに言われて狩ってるんだろ?ならさ、自我を持とうぜ?」
「じが?」
「うん……自我。お前は言いなりの操り人形になってるの。だからお前は各末だから狩るって頭だけで今も動いてる。なーのーで、悪いことしてる各末だけ殺す。いい?」
「悪いことしてるかくまつやっつける!」
「そう……いや、それじゃあまた自我がないな。」
「もーむずかしいよ!殺すよ!おじいちゃん!」
「ダメだこりゃ……って誰がおじいちゃんだこのクソがきぃ!」
それからキュウムは呆れたり、疲れたこともあったが何度も話すうちに自然と一に悪いことしてる奴だけを殺すように育て上げた。
それから今日まで育て上げた一を見つめ、声を出す。
「お前と会うといつも初めて出会った時のことを思い出してしまう。」
「どしたの急に。」
「いや……こっちの話だ。」
そんな事を言いながらキュウムは少し照れくさそうに玄関まで送った。
「んじゃ、また今度ね……おじいちゃん。」
「おう……って!だから!毎度!お前は!おじいちゃんって!呼びおってぇぇぇ!」
なんて言いながら呆れた顔で送るキュウムを見つめ一は安心してその場を去る。
「仲良いんだな。」
「まぁね……。」
三人は落ち着いた表情でゆっくりとそれぞれの家へと向かっていった。
数日後、ある曲が海外で大バズりした。
タイトルは『JANEEYO』と書いており、海外ではその曲に合わせて踊って動画を撮る人や、その曲をメインテーマにしたコメディー番組……そして海外ではその曲に合わせ『ジャネーヨの日』という訳の分からない日まで生まれてしまった。
謎の正体不明の日本人シンガー、『QMU』は世界各地で話題を呼び、総理大臣ではないかだとか世界に仕掛けた何かの陰謀論ではないかと憶測が始まった。
しかし、日本でその曲は雀の涙ぐらいの知名度だ。
つづく
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