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【第7話】悪魔をもてなす夏野菜たっぷり辛口ピッツァ
【7-11】
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大魔王は、魔の者。
──サラリと明かされた事実に、心がザワザワする。
確かに、不思議には思っていた。大魔王なんていう存在が、何故ぬるっと現れたのか。そして、なぜ、大魔王と人間の王たちの間で交わされた契約に、魔の者が関わっているのか。
「ミーカ、だいじょぶ? 顔が真っ青だけどー?」
「うん……、大丈夫」
「ミカ、無理はしなくていい」
ずっと黙って聞いていたジルが、心配そうに口を挟んできた。カミュも何も言わないまでも、気遣わしげな視線を向けてきている。
けれど、二人ともノヴァユエの話を止めたいというわけではなく、単に僕の精神状態を懸念してくれているんだろうと思う。──それならば、僕は知りたい。この世界の真実を。
「大丈夫、ありがとう。……ノヴァユエ、教えてくれる? 僕は、魔の者について殆ど何も知らないんだ。どうして、魔の者が大魔王になったの?」
「うん、いいよ★ 教えてあげる☆」
にへらっと笑ったノヴァユエは、ひしゃげた眼鏡を指でクイッと押し上げてから得意気に語り始めた。
「ミカがボクたち悪魔についてよく知らないっていうなら、まずはそこから説明してあげよっかな★ そもそも人間って魔の者を真似して聖なる者が作ったって知ってる?」
「えっ? ううん、知らない。……聖なる者って?」
「そっかそっか★ いいよいいよ、最初から教えてあげるね☆」
そして、ノヴァユエは口調は相変わらず軽いものの、案外わかりやすく噛み砕いて説明をしてくれた。
──僕たちがよく知る人間や動物のような生命体を生み出し、魂の管理をしている存在として「聖なる者」と呼ばれる存在があるそうだ。生命体が住まう星々の管理と、死んだ者の魂の回収が魔の者の役割。聖なる者は、回収された魂を綺麗に初期化して新たな生命体を創りだすのが役割。長い永い時が過ぎる中、争うこともあったようだけれど、基本的にはお互いにつかず離れずの関係らしい。
そんな中、あるとき聖なる者は、魔の者に似せた生命体である「人間」を創った。本来、魔の者がもたない生殖機能を与えて、自己繁殖できるようにした「人間」の存在を魔の者も面白がっていたらしい。魔の者が戯れに人間を殺したり食べたりすることも、あまり度を過ぎた数でなければ、聖なる者から抗議が来ることもないようだ。
ちなみに、自己繁殖の機能をもたない魔の者を統べている頭領は「父」と呼ばれているそうで、魔の者に欠員が出た場合にはその人が生み出しているらしい。その頭領が定めている様々な掟の中で、最も重要視されているのは「同族を殺してはならない」というものだった。
魔の者は基本的に不老不死で、滅多なことで殺されたりはしないけれど、同族同士であれば殺害が可能な場合は多い。──そして、この掟を破ったことがきっかけで「大魔王」は誕生した。
とある特級悪魔が、この星の人間に執着していたという。それは恋のようでもあり、子を見守る保護者のようでもあり、とにかく魔の者には珍しい慈愛に満ちた性格で、対象の人物以外の人間に対しても友好的だったそうだ。
そんな彼が可愛がっていた人間に、他の悪魔が手を出して弄んだ。激怒した特級悪魔はその悪魔を殺してしまい、「父」の逆鱗に触れてしまった。
「お父様の掟に逆らった奴には、重たい罰を与えられたうえで廃棄っていう末路しかないわけ★ そいつに与えられた罰は、理性を剥奪したうえで大魔王としてこの星に君臨させて、愛でてた人間たちを殺させたんだよ☆ さすがボクたちのお父様ってば良い趣味してるな~って思っちゃうよね★」
「うん……、悪趣味だね」
「あははっ★ まぁ、ミカは人間っぽい感覚で見ちゃうよね☆」
「うん……、でも、そっか。だから、大魔王の魂の欠片の行く末を、魔の者が側で見守っているんだね」
「まぁね★ 勇者とか呼ばれてる、人間のくせに魔の者を殺すだけの力を持っている存在って興味深いし☆ 研究するためにも、監視しておきたいってわけ★ 潰そうと思えば潰せた大魔王の魂をわざわざ生かしておくっていう決断を下した人間の強欲王たちも面白いしなーって☆」
大魔王がどうしていたのか、魔の者がどうして介入しているのか、気になっていたことは割と理解できたと思う。ただ、それとノヴァユエの懸念は、どう繋がってくるんだろう。
僕のそんな疑問を読み取ったのか、ノヴァユエは軽い笑い声を上げた。
「大魔王のことは分かったけど、それがどうしてカマルティユ先輩が第二の大魔王になるかもーって思考になるのかわかんねー……って顔してるね?」
「え、っと……」
「だからさぁ、同じだよ★ 大魔王が大魔王になったのは、同胞を殺したからでしょ? 大魔王の魂の欠片とはいえ、元は魔の者なんだから、それを宿した魔王を殺しちゃ同胞殺しになっちゃうわけ☆ ……つまり、カマルティユ先輩がそこの魔王を殺しちゃったりしたら、罰として第二の大魔王にされちゃう可能性があるってことだよ」
言葉の最後が少し真面目なトーンになったノヴァユエに反応するように、テーブルに置かれているカミュの指先がピクリと震えた。
──サラリと明かされた事実に、心がザワザワする。
確かに、不思議には思っていた。大魔王なんていう存在が、何故ぬるっと現れたのか。そして、なぜ、大魔王と人間の王たちの間で交わされた契約に、魔の者が関わっているのか。
「ミーカ、だいじょぶ? 顔が真っ青だけどー?」
「うん……、大丈夫」
「ミカ、無理はしなくていい」
ずっと黙って聞いていたジルが、心配そうに口を挟んできた。カミュも何も言わないまでも、気遣わしげな視線を向けてきている。
けれど、二人ともノヴァユエの話を止めたいというわけではなく、単に僕の精神状態を懸念してくれているんだろうと思う。──それならば、僕は知りたい。この世界の真実を。
「大丈夫、ありがとう。……ノヴァユエ、教えてくれる? 僕は、魔の者について殆ど何も知らないんだ。どうして、魔の者が大魔王になったの?」
「うん、いいよ★ 教えてあげる☆」
にへらっと笑ったノヴァユエは、ひしゃげた眼鏡を指でクイッと押し上げてから得意気に語り始めた。
「ミカがボクたち悪魔についてよく知らないっていうなら、まずはそこから説明してあげよっかな★ そもそも人間って魔の者を真似して聖なる者が作ったって知ってる?」
「えっ? ううん、知らない。……聖なる者って?」
「そっかそっか★ いいよいいよ、最初から教えてあげるね☆」
そして、ノヴァユエは口調は相変わらず軽いものの、案外わかりやすく噛み砕いて説明をしてくれた。
──僕たちがよく知る人間や動物のような生命体を生み出し、魂の管理をしている存在として「聖なる者」と呼ばれる存在があるそうだ。生命体が住まう星々の管理と、死んだ者の魂の回収が魔の者の役割。聖なる者は、回収された魂を綺麗に初期化して新たな生命体を創りだすのが役割。長い永い時が過ぎる中、争うこともあったようだけれど、基本的にはお互いにつかず離れずの関係らしい。
そんな中、あるとき聖なる者は、魔の者に似せた生命体である「人間」を創った。本来、魔の者がもたない生殖機能を与えて、自己繁殖できるようにした「人間」の存在を魔の者も面白がっていたらしい。魔の者が戯れに人間を殺したり食べたりすることも、あまり度を過ぎた数でなければ、聖なる者から抗議が来ることもないようだ。
ちなみに、自己繁殖の機能をもたない魔の者を統べている頭領は「父」と呼ばれているそうで、魔の者に欠員が出た場合にはその人が生み出しているらしい。その頭領が定めている様々な掟の中で、最も重要視されているのは「同族を殺してはならない」というものだった。
魔の者は基本的に不老不死で、滅多なことで殺されたりはしないけれど、同族同士であれば殺害が可能な場合は多い。──そして、この掟を破ったことがきっかけで「大魔王」は誕生した。
とある特級悪魔が、この星の人間に執着していたという。それは恋のようでもあり、子を見守る保護者のようでもあり、とにかく魔の者には珍しい慈愛に満ちた性格で、対象の人物以外の人間に対しても友好的だったそうだ。
そんな彼が可愛がっていた人間に、他の悪魔が手を出して弄んだ。激怒した特級悪魔はその悪魔を殺してしまい、「父」の逆鱗に触れてしまった。
「お父様の掟に逆らった奴には、重たい罰を与えられたうえで廃棄っていう末路しかないわけ★ そいつに与えられた罰は、理性を剥奪したうえで大魔王としてこの星に君臨させて、愛でてた人間たちを殺させたんだよ☆ さすがボクたちのお父様ってば良い趣味してるな~って思っちゃうよね★」
「うん……、悪趣味だね」
「あははっ★ まぁ、ミカは人間っぽい感覚で見ちゃうよね☆」
「うん……、でも、そっか。だから、大魔王の魂の欠片の行く末を、魔の者が側で見守っているんだね」
「まぁね★ 勇者とか呼ばれてる、人間のくせに魔の者を殺すだけの力を持っている存在って興味深いし☆ 研究するためにも、監視しておきたいってわけ★ 潰そうと思えば潰せた大魔王の魂をわざわざ生かしておくっていう決断を下した人間の強欲王たちも面白いしなーって☆」
大魔王がどうしていたのか、魔の者がどうして介入しているのか、気になっていたことは割と理解できたと思う。ただ、それとノヴァユエの懸念は、どう繋がってくるんだろう。
僕のそんな疑問を読み取ったのか、ノヴァユエは軽い笑い声を上げた。
「大魔王のことは分かったけど、それがどうしてカマルティユ先輩が第二の大魔王になるかもーって思考になるのかわかんねー……って顔してるね?」
「え、っと……」
「だからさぁ、同じだよ★ 大魔王が大魔王になったのは、同胞を殺したからでしょ? 大魔王の魂の欠片とはいえ、元は魔の者なんだから、それを宿した魔王を殺しちゃ同胞殺しになっちゃうわけ☆ ……つまり、カマルティユ先輩がそこの魔王を殺しちゃったりしたら、罰として第二の大魔王にされちゃう可能性があるってことだよ」
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