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やっとダンジョンへ
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受付の説明はまだ続く。
「注意点ですが、ドロップした品は当協会へ報告義務があります。討伐記録は全てダンジョンカードに記載されます。
全てのドロップしたアイテムを持って帰れる事はないと分かっておりますが、あまりにも不審点が多い場合は、お手持ちの魔法収納鞄の中身も確認させていただきますので、ご了承ください。
ダンジョンへはこちらと食事処の間に通路があり、進むとダンジョンゲートがありますので指示に従ってお進みください。何か質問はありますか?」
「はい。ドロップしたアイテムを収納する時貸してくれている魔法収納鞄に別パーティメンバーが取得したドロップアイテムと自分の取得したドロップアイテムが混ざっちゃったりしても大丈夫ですか? 魔法収納鞄の使い方に決まりはありますか?」
「精算をパーティ毎で管理される場合は混ぜても問題ないでしょう。使い方にも特に決まりはありませんので、例えばこちらで貸し出した収納鞄(小)の半分にメンバーの荷物を入れて、残り半分に誰が取得した等関係なく魔石専用にしたり、1つは他のドロップアイテム専用にしたりとする方もいらっしゃいます。
その場限りのパーティを組んだ場合も、その辺りは討伐毎にするのか自分の分の魔法収納鞄毎にするのかパーティ内で決めていただければと思います」
うちは2人だけだしあまり支障は無さそうだ。
ちょうど前衛と後援に分かれているし、出来る限りは2人で攻略したいと思っている。
世の中には色々な補助媒体があるのは知っているが、銃型の補助媒体は珍しい方に入るだろうし、極力目を付けられたくない。
「ありがとうございます。あとは大丈夫かな。何かあったらまた聞きます」
「はい。都度聞いていただければと思います。それではダンジョンカードのお返しとこちらが魔法収納鞄(小)になります。お気をつけて行ってらっしゃい」
「行ってきます」
踵をかえすと、シルバリウスと共にダンジョンゲートへ向かう。
ゲートの横には警備の人が立っていて、ダンジョンカードを魔道具にかざすように言われる。
かざすとゲートが開きいよいよダンジョンだ! と期待と共にシルバリウスと進んだ先には広場があった。
……まだダンジョンに入っていなかったらしい。
何軒か屋台があったり、“地下10階層へのパーティ加入希望”のスケッチブック? を持っている人が居たりと割と賑わっていた。
“地下9階までの転移陣はこちら”や”地下11階から19階までの転移陣はこちら“などの看板があり、俺達は勿論”地下1階はこちら“の看板の方へ向かった。
いよいよダンジョンだ! と目の前の階段をシルバリウスと共に降りると
……また先程と似たような広場だった。
ただ確かにダンジョンのようで、空気が先ほどとは違う。
ダンジョンといえば洞窟っぽいのを想像していたのでちょっと残念だったのは言うまでもない。
他の人達も初心者が多いのだろう、真新しい防具に身を包む人や、若い集団などが地図を見ながら話していた。
……地図?
やば、普通に取得できるのか。
用意してないから出直すべきかとシルバリウスの方を振り返った所、しっかり地図を広げていた。
……さすがシルバリウスである。
「まずは肩慣らしだな。リューイも魔法を使ってみたいだろうし、皆は地下への階段へ向かうだろうから、反対方向に行こう。
そちらにモコラビットの生息地があるようだ」
歩いて15分程たっただろうか。
草が生茂る中、魔物“モコラビット”がいた。
……そのままふわふわな見た目の魔物である。
草食で温厚な魔物で肉もそこそこ美味しい為、外では養殖されているやつだ。
特に珍しくもなく極小の魔石にしかならない為か、人は誰も居なかった。
可愛い見た目に罪悪感が湧くがこれも人類の為と、補助媒体の機能確認をしながら仕留めた。
20体程屠った所で、補助媒体の使用にも慣れてきたので、今日は帰ることになった。
シルバリウスも近くでモコラビット相手に「時」属性魔法を意識しながらやってくれていたようだが、結局発動すること無く終わった。
もっと強い敵でないとだめかもしれない。
因みに、精算したら極小の魔石が32個で、金貨1枚と銀貨6枚だった。
倒した数はもっといたのだが、魔石が極小すぎて、見つからなかったのだ。32個の魔石も殆どシルバリウスが倒したモコラビットの魔石である。
遠距離攻撃は出来ても、遠すぎると魔石を探すのに苦労すると言うことが早めに分かっただけでも良しとするかな……。
世知辛い世の中である。
そして、家へ帰ってスチュアートも交えた会議の結果。
俺が魔物を倒す事に思ったより忌避感がなく、魔力消費についても今日くらいでは魔力が減ったかすら分からない位の少ない消費であること、一番のメイン目的であるシルバリウスの「時」属性を発動させるのに全く至らなそうなことを加味して、ある程度先へ進む事を優先する事になった。
資金的にもこのままのんびりダンジョンを進んでいたら、投資した分をスタンピート前の春先迄に取り戻すのは無理そうなので大賛成だ。
あと、今回の経費がほぼリューイの個人資産で賄っている事を知ったシルバリウスは完全ヒモ状態になっている事を気にしているようなのだ。
俺的には“推し活”の一種なので、自分が貢いだものを使ってくれるだけで嬉しいのだけど……
まぁ、一般的に15歳の子供に24歳(シルバリウスはダンジョンに来る前に誕生日を迎えました)の大人が全部世話されていたら、確かに肩身が狭いかもしれない。
因みに、ダンジョンでの収入は折半で話がまとまっていたが、すぐに全額渡そうとしてきたので、別の形で返してと言っておいた。
実際、ダンジョンを進んでいけば、平和ボケした俺より、前衛であり俺の護衛も兼ねたシルバリウスの方が大変だろう。
逆に折半で良いのかな? というくらいなのでちょうどよいと思う。
「注意点ですが、ドロップした品は当協会へ報告義務があります。討伐記録は全てダンジョンカードに記載されます。
全てのドロップしたアイテムを持って帰れる事はないと分かっておりますが、あまりにも不審点が多い場合は、お手持ちの魔法収納鞄の中身も確認させていただきますので、ご了承ください。
ダンジョンへはこちらと食事処の間に通路があり、進むとダンジョンゲートがありますので指示に従ってお進みください。何か質問はありますか?」
「はい。ドロップしたアイテムを収納する時貸してくれている魔法収納鞄に別パーティメンバーが取得したドロップアイテムと自分の取得したドロップアイテムが混ざっちゃったりしても大丈夫ですか? 魔法収納鞄の使い方に決まりはありますか?」
「精算をパーティ毎で管理される場合は混ぜても問題ないでしょう。使い方にも特に決まりはありませんので、例えばこちらで貸し出した収納鞄(小)の半分にメンバーの荷物を入れて、残り半分に誰が取得した等関係なく魔石専用にしたり、1つは他のドロップアイテム専用にしたりとする方もいらっしゃいます。
その場限りのパーティを組んだ場合も、その辺りは討伐毎にするのか自分の分の魔法収納鞄毎にするのかパーティ内で決めていただければと思います」
うちは2人だけだしあまり支障は無さそうだ。
ちょうど前衛と後援に分かれているし、出来る限りは2人で攻略したいと思っている。
世の中には色々な補助媒体があるのは知っているが、銃型の補助媒体は珍しい方に入るだろうし、極力目を付けられたくない。
「ありがとうございます。あとは大丈夫かな。何かあったらまた聞きます」
「はい。都度聞いていただければと思います。それではダンジョンカードのお返しとこちらが魔法収納鞄(小)になります。お気をつけて行ってらっしゃい」
「行ってきます」
踵をかえすと、シルバリウスと共にダンジョンゲートへ向かう。
ゲートの横には警備の人が立っていて、ダンジョンカードを魔道具にかざすように言われる。
かざすとゲートが開きいよいよダンジョンだ! と期待と共にシルバリウスと進んだ先には広場があった。
……まだダンジョンに入っていなかったらしい。
何軒か屋台があったり、“地下10階層へのパーティ加入希望”のスケッチブック? を持っている人が居たりと割と賑わっていた。
“地下9階までの転移陣はこちら”や”地下11階から19階までの転移陣はこちら“などの看板があり、俺達は勿論”地下1階はこちら“の看板の方へ向かった。
いよいよダンジョンだ! と目の前の階段をシルバリウスと共に降りると
……また先程と似たような広場だった。
ただ確かにダンジョンのようで、空気が先ほどとは違う。
ダンジョンといえば洞窟っぽいのを想像していたのでちょっと残念だったのは言うまでもない。
他の人達も初心者が多いのだろう、真新しい防具に身を包む人や、若い集団などが地図を見ながら話していた。
……地図?
やば、普通に取得できるのか。
用意してないから出直すべきかとシルバリウスの方を振り返った所、しっかり地図を広げていた。
……さすがシルバリウスである。
「まずは肩慣らしだな。リューイも魔法を使ってみたいだろうし、皆は地下への階段へ向かうだろうから、反対方向に行こう。
そちらにモコラビットの生息地があるようだ」
歩いて15分程たっただろうか。
草が生茂る中、魔物“モコラビット”がいた。
……そのままふわふわな見た目の魔物である。
草食で温厚な魔物で肉もそこそこ美味しい為、外では養殖されているやつだ。
特に珍しくもなく極小の魔石にしかならない為か、人は誰も居なかった。
可愛い見た目に罪悪感が湧くがこれも人類の為と、補助媒体の機能確認をしながら仕留めた。
20体程屠った所で、補助媒体の使用にも慣れてきたので、今日は帰ることになった。
シルバリウスも近くでモコラビット相手に「時」属性魔法を意識しながらやってくれていたようだが、結局発動すること無く終わった。
もっと強い敵でないとだめかもしれない。
因みに、精算したら極小の魔石が32個で、金貨1枚と銀貨6枚だった。
倒した数はもっといたのだが、魔石が極小すぎて、見つからなかったのだ。32個の魔石も殆どシルバリウスが倒したモコラビットの魔石である。
遠距離攻撃は出来ても、遠すぎると魔石を探すのに苦労すると言うことが早めに分かっただけでも良しとするかな……。
世知辛い世の中である。
そして、家へ帰ってスチュアートも交えた会議の結果。
俺が魔物を倒す事に思ったより忌避感がなく、魔力消費についても今日くらいでは魔力が減ったかすら分からない位の少ない消費であること、一番のメイン目的であるシルバリウスの「時」属性を発動させるのに全く至らなそうなことを加味して、ある程度先へ進む事を優先する事になった。
資金的にもこのままのんびりダンジョンを進んでいたら、投資した分をスタンピート前の春先迄に取り戻すのは無理そうなので大賛成だ。
あと、今回の経費がほぼリューイの個人資産で賄っている事を知ったシルバリウスは完全ヒモ状態になっている事を気にしているようなのだ。
俺的には“推し活”の一種なので、自分が貢いだものを使ってくれるだけで嬉しいのだけど……
まぁ、一般的に15歳の子供に24歳(シルバリウスはダンジョンに来る前に誕生日を迎えました)の大人が全部世話されていたら、確かに肩身が狭いかもしれない。
因みに、ダンジョンでの収入は折半で話がまとまっていたが、すぐに全額渡そうとしてきたので、別の形で返してと言っておいた。
実際、ダンジョンを進んでいけば、平和ボケした俺より、前衛であり俺の護衛も兼ねたシルバリウスの方が大変だろう。
逆に折半で良いのかな? というくらいなのでちょうどよいと思う。
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