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第26話 トーマス・ディキンズ
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“ねえ、何故僕達、こんな畏まって正座してるの?
それにこの偉そうな人……誰?”
陽向がボソボソと光に尋ねている言葉が聞こえて来た。
兄のトムの突然の来日で陽向達は叩き起こされ、
皆リビングに集まって床に正座していた。
別に正座を強要された訳ではないけど、
自然とそう言う場が出来てしまったのだ。
そして兄のトムは皆の前に立ち憚って威圧的に彼らを見下ろしていた。
兄のトムは何も言わずとも、
そのような威圧したような雰囲気が漂っていた。
僕とは違い190cmの長身にがっしりとした体型。
光や仁も背が高いけど、
華奢な彼らに比べると、
トムのそれは比べ物にならな位ズッシリとしていた。
それがまた異様にトムの雰囲気を醸し出していた。
僕は彼らに対して申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「あの…… チョット発言しても?」
仁が静寂を切って声を発した。
トムは一目仁をチラッと見ると、
口角を少し上げて笑ったように見えた。
“え?”
その時のトムの表情がとても気になった。
何か意味合いを含んだその口元は
僕を少し不安の中へと誘った。
「トム……
仁が何か言いたい事が有るって言ってるけど……」
その場の雰囲気に居た堪れなくなり、
中々仁の質問に返事をしないトムに痺れを切らして、
僕がその間に割って入った。
トムは普段はこんなピリピリした雰囲気ではない。
どちらかと言うと、
日本で言うブラコンタイプの兄だ。
トムだけではない。
僕には後二人αの兄が居る。
ケビンとダグだ。
僕は兄達とは少し歳が離れた一番下の弟で、
α家族の中の紅一点と言うか、
只一人のΩだ。
僕は両親は愚か、
この兄達に蝶よ花よと育てられた。
言わば、兄達のプリンセス的存在となっていた。
そんな中反対を押し切って来日した日本。
そこで起こった今回の強盗紛いの事件。
きっと今追っているグループのこともあって
キリキリとしているのだろう。
それでも、こんな状況でも光は割と落ち着いていた。
それとは逆に陽向はオロオロとし、
仁は何かを感じ取っているようだった。
トムは仁の方を向くと、
「発言は1分以内で」
と牽制とでも取れるような威圧を放った。
「トム!」
僕が叫んで立ち上がると、
「サム、大丈夫だ」
そう言って仁が僕の手を掴んだ。
「でも…… サムは君達とは初対面なのにこんな犯罪者への尋問みたいな……
ごめん、本当はこんな人じゃ無いんだよ?
何時もだったらもっと柔らかくて本当に優しいんだよ」
言い訳がましく仁にそう伝えると、
「大丈夫だ。 君の兄さんも君の事を心配しての事だろうから。
色々と事情があるんだろ?」
そう言ってトムの方を向いた。
仁は一つ咳払いをすると、
流暢な英語で、
「見受けた所、貴方はサムの兄の様だが、
自己紹介をして貰えないだろうか?」
と尋ねた。
そこを陽向が
「え~ 佐々木君、英語話せるの?!
初耳なんだけど?!
ちゃんと宇宙語になってるから凄いね!」
と来たもんだから、
「お前は口を閉じてろ!」
そう言って光が陽向の脇腹を肘で突いていた。
そのやり取りを見たトムは豪華に笑うと、
まじめな顔に戻って
「君は仁と言ったかな?
そうサムが呼んでいたのでね。
君だろう? サムがずっと待ち望んでいた人物は」
そう来たので僕はビックリしてトムを見上げた。
それにこの偉そうな人……誰?”
陽向がボソボソと光に尋ねている言葉が聞こえて来た。
兄のトムの突然の来日で陽向達は叩き起こされ、
皆リビングに集まって床に正座していた。
別に正座を強要された訳ではないけど、
自然とそう言う場が出来てしまったのだ。
そして兄のトムは皆の前に立ち憚って威圧的に彼らを見下ろしていた。
兄のトムは何も言わずとも、
そのような威圧したような雰囲気が漂っていた。
僕とは違い190cmの長身にがっしりとした体型。
光や仁も背が高いけど、
華奢な彼らに比べると、
トムのそれは比べ物にならな位ズッシリとしていた。
それがまた異様にトムの雰囲気を醸し出していた。
僕は彼らに対して申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「あの…… チョット発言しても?」
仁が静寂を切って声を発した。
トムは一目仁をチラッと見ると、
口角を少し上げて笑ったように見えた。
“え?”
その時のトムの表情がとても気になった。
何か意味合いを含んだその口元は
僕を少し不安の中へと誘った。
「トム……
仁が何か言いたい事が有るって言ってるけど……」
その場の雰囲気に居た堪れなくなり、
中々仁の質問に返事をしないトムに痺れを切らして、
僕がその間に割って入った。
トムは普段はこんなピリピリした雰囲気ではない。
どちらかと言うと、
日本で言うブラコンタイプの兄だ。
トムだけではない。
僕には後二人αの兄が居る。
ケビンとダグだ。
僕は兄達とは少し歳が離れた一番下の弟で、
α家族の中の紅一点と言うか、
只一人のΩだ。
僕は両親は愚か、
この兄達に蝶よ花よと育てられた。
言わば、兄達のプリンセス的存在となっていた。
そんな中反対を押し切って来日した日本。
そこで起こった今回の強盗紛いの事件。
きっと今追っているグループのこともあって
キリキリとしているのだろう。
それでも、こんな状況でも光は割と落ち着いていた。
それとは逆に陽向はオロオロとし、
仁は何かを感じ取っているようだった。
トムは仁の方を向くと、
「発言は1分以内で」
と牽制とでも取れるような威圧を放った。
「トム!」
僕が叫んで立ち上がると、
「サム、大丈夫だ」
そう言って仁が僕の手を掴んだ。
「でも…… サムは君達とは初対面なのにこんな犯罪者への尋問みたいな……
ごめん、本当はこんな人じゃ無いんだよ?
何時もだったらもっと柔らかくて本当に優しいんだよ」
言い訳がましく仁にそう伝えると、
「大丈夫だ。 君の兄さんも君の事を心配しての事だろうから。
色々と事情があるんだろ?」
そう言ってトムの方を向いた。
仁は一つ咳払いをすると、
流暢な英語で、
「見受けた所、貴方はサムの兄の様だが、
自己紹介をして貰えないだろうか?」
と尋ねた。
そこを陽向が
「え~ 佐々木君、英語話せるの?!
初耳なんだけど?!
ちゃんと宇宙語になってるから凄いね!」
と来たもんだから、
「お前は口を閉じてろ!」
そう言って光が陽向の脇腹を肘で突いていた。
そのやり取りを見たトムは豪華に笑うと、
まじめな顔に戻って
「君は仁と言ったかな?
そうサムが呼んでいたのでね。
君だろう? サムがずっと待ち望んでいた人物は」
そう来たので僕はビックリしてトムを見上げた。
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