52 / 52
第51話 仁の心の意図
しおりを挟む
ベランダに出ると、
急に突風が吹いた。
「ヒャア!」
と、猫がビックリしたような裏返った声を上げて、
リビングに続く窓ガラスによろめいてぶつかった。
高層階のベランダでは割とある事だが、
頭が回っていなかった僕は、
不意打ちをつかれた様に凪出されてしまった。
部屋の中を未だ這いずり回っていた仁が、
その音を聞きつけてビックリして飛んできた。
「何だ?! ぶつかったような
大きな音がしたけど大丈夫か?!」
僕は、頭の後ろを摩りながら、
涙目で仁を見つめた。
思ったよりも強く頭をぶつけたようで、
目から火花が散ったようになって
その場にしゃがみ込んだ。
「ごめん、風に殴られてチョットよろめいた隙に
窓ガラスで頭をぶつけただけなんだ」
そう言うと仁が床にしゃがみ込んだ僕を
悠々とお姫様抱っこすると、
リビングのソファーまで抱いて行ってくれた。
「何処をぶつけたんだ?」
そう言って僕の頭の後ろを指でなぞると、
僕の前身に鳥肌が立った。
それはゾワッと気持ち悪いと言う鳥肌では無く、
感動した音楽を聴いた時や、
予測していなかった感動する話を聞いた時の感覚に似ていた。
僕の鳥肌に仁は気付いたのか、
「スマン、気持ち悪かったか?!
そうだよな、好きなヤツが居るお前に
簡単に触るわけにはいかないな……」
仁は悲しそうな微笑みを僕に向けると、
スクッと立ってキッチンへと歩いて行った。
そして冷凍庫をゴソゴソとし始めると、
「アイスパックは無いのか?
お前の頭、
少しコブになってるから冷やしておいた方が
後々楽だぞ?」
そう言って冷凍庫のポケットに入っている
アイスパックを見つけると、
キッチンタオルを巻いて僕の所へ持ってきてくれた。
緊張で僕の心臓はバクバクと脈打っていたけど、
陣が僕の前に立つと、
勇気を持って仁の手を取った。
仁は目を白黒していたけど、
直ぐに僕の頭にアイスパックを当ててくれた。
心拍数と一緒に頭の血管も強く脈打っている様で、
初めて鼓動と主にそこに痛みを感じた。
ジンジンと脈打つそこは
どれだけ僕が緊張しているかを
教えてくれている様だった。
陣の手を取った事に急に恥ずかしさを感じた僕は
恥ずかしさのあまり少し俯いて
「ありがとう……」
そうお礼を言った。
でも直ぐに仁をみあげると、
唾をごくりと飲み込んで、
一生懸命僕の気持ちを伝えた。
「僕は仁のことを気持ち悪いなんて思った事は一度もないから!
いつでも僕に触れても良いよって言うのは変だけど、
僕の事を気遣ってくれる時に変な気遣いはしなくても良いから!
どちらかと言うと、
仁に触れられるのは感動だから!
ジュン君の事は……本当に僕の片思いだから……
だから……彼の事は遠慮しなくても良いから!」
真剣な顔をしてそう言うと、
仁は大きな声で笑い出した。
「何? 何?
僕の日本語変だった?!」
本気で心配してそう言ったのに、
仁は少し俯いて、
「サンキュー」
と言っただけで、
仁の笑った意図は分からないままだった。
急に突風が吹いた。
「ヒャア!」
と、猫がビックリしたような裏返った声を上げて、
リビングに続く窓ガラスによろめいてぶつかった。
高層階のベランダでは割とある事だが、
頭が回っていなかった僕は、
不意打ちをつかれた様に凪出されてしまった。
部屋の中を未だ這いずり回っていた仁が、
その音を聞きつけてビックリして飛んできた。
「何だ?! ぶつかったような
大きな音がしたけど大丈夫か?!」
僕は、頭の後ろを摩りながら、
涙目で仁を見つめた。
思ったよりも強く頭をぶつけたようで、
目から火花が散ったようになって
その場にしゃがみ込んだ。
「ごめん、風に殴られてチョットよろめいた隙に
窓ガラスで頭をぶつけただけなんだ」
そう言うと仁が床にしゃがみ込んだ僕を
悠々とお姫様抱っこすると、
リビングのソファーまで抱いて行ってくれた。
「何処をぶつけたんだ?」
そう言って僕の頭の後ろを指でなぞると、
僕の前身に鳥肌が立った。
それはゾワッと気持ち悪いと言う鳥肌では無く、
感動した音楽を聴いた時や、
予測していなかった感動する話を聞いた時の感覚に似ていた。
僕の鳥肌に仁は気付いたのか、
「スマン、気持ち悪かったか?!
そうだよな、好きなヤツが居るお前に
簡単に触るわけにはいかないな……」
仁は悲しそうな微笑みを僕に向けると、
スクッと立ってキッチンへと歩いて行った。
そして冷凍庫をゴソゴソとし始めると、
「アイスパックは無いのか?
お前の頭、
少しコブになってるから冷やしておいた方が
後々楽だぞ?」
そう言って冷凍庫のポケットに入っている
アイスパックを見つけると、
キッチンタオルを巻いて僕の所へ持ってきてくれた。
緊張で僕の心臓はバクバクと脈打っていたけど、
陣が僕の前に立つと、
勇気を持って仁の手を取った。
仁は目を白黒していたけど、
直ぐに僕の頭にアイスパックを当ててくれた。
心拍数と一緒に頭の血管も強く脈打っている様で、
初めて鼓動と主にそこに痛みを感じた。
ジンジンと脈打つそこは
どれだけ僕が緊張しているかを
教えてくれている様だった。
陣の手を取った事に急に恥ずかしさを感じた僕は
恥ずかしさのあまり少し俯いて
「ありがとう……」
そうお礼を言った。
でも直ぐに仁をみあげると、
唾をごくりと飲み込んで、
一生懸命僕の気持ちを伝えた。
「僕は仁のことを気持ち悪いなんて思った事は一度もないから!
いつでも僕に触れても良いよって言うのは変だけど、
僕の事を気遣ってくれる時に変な気遣いはしなくても良いから!
どちらかと言うと、
仁に触れられるのは感動だから!
ジュン君の事は……本当に僕の片思いだから……
だから……彼の事は遠慮しなくても良いから!」
真剣な顔をしてそう言うと、
仁は大きな声で笑い出した。
「何? 何?
僕の日本語変だった?!」
本気で心配してそう言ったのに、
仁は少し俯いて、
「サンキュー」
と言っただけで、
仁の笑った意図は分からないままだった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
天啓によると殿下の婚約者ではなくなります
ふゆきまゆ
BL
この国に生きる者は必ず受けなければいけない「天啓の儀」。それはその者が未来で最も大きく人生が動く時を見せる。
フィルニース国の貴族令息、アレンシカ・リリーベルは天啓の儀で未来を見た。きっと殿下との結婚式が映されると信じて。しかし悲しくも映ったのは殿下から婚約破棄される未来だった。腕の中に別の人を抱きながら。自分には冷たい殿下がそんなに愛している人ならば、自分は穏便に身を引いて二人を祝福しましょう。そうして一年後、学園に入学後に出会った友人になった将来の殿下の想い人をそれとなく応援しようと思ったら…。
●婚約破棄ものですが主人公に悪役令息、転生転移、回帰の要素はありません。
性表現は一切出てきません。
36.8℃
月波結
BL
高校2年生、音寧は繊細なΩ。幼馴染の秀一郎は文武両道のα。
ふたりは「番候補」として婚約を控えながら、音寧のフェロモンの影響で距離を保たなければならない。
近づけば香りが溢れ、ふたりの感情が揺れる。音寧のフェロモンは、バニラビーンズの甘い香りに例えられ、『運命の番』と言われる秀一郎の身体はそれに強く反応してしまう。
制度、家族、将来——すべてがふたりを結びつけようとする一方で、薬で抑えた想いは、触れられない手の間をすり抜けていく。
転校生の肇くんとの友情、婚約者候補としての葛藤、そして「待ってる」の一言が、ふたりの未来を静かに照らす。
36.8℃の微熱が続く日々の中で、ふたりは“運命”を選び取ることができるのか。
香りと距離、運命、そして選択の物語。
奇跡に祝福を
善奈美
BL
家族に爪弾きにされていた僕。高等部三学年に進級してすぐ、四神の一つ、西條家の後継者である彼が記憶喪失になった。運命であると僕は知っていたけど、ずっと避けていた。でも、記憶がなくなったことで僕は彼と過ごすことになった。でも、記憶が戻ったら終わり、そんな関係だった。
※不定期更新になります。
愛しい番に愛されたいオメガなボクの奮闘記
天田れおぽん
BL
ボク、アイリス・ロックハートは愛しい番であるオズワルドと出会った。
だけどオズワルドには初恋の人がいる。
でもボクは負けない。
ボクは愛しいオズワルドの唯一になるため、番のオメガであることに甘えることなく頑張るんだっ!
※「可愛いあの子は番にされて、もうオレの手は届かない」のオズワルド君の番の物語です。
※他サイトでも連載中
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻本作品(オリジナル)の結末をif(運命の番)ルートに入れ替えて、他サイトでの投稿を始めました。タイトルは「一度目の結婚で愛も希望も失くした僕が、移住先で運命と出逢い、二度目の結婚で愛されるまで」に変えてます。
オリジナルの本編結末は完全なハッピーエンドとはいえないかもしれませんが、「一度目の〜…」は琳が幸せな結婚をするハッピーエンド一択です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる